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●『つぶせ! 裁判員制度』読了

2009年11月25日 07時15分24秒 | Weblog

『つぶせ! 裁判員制度』、10月に読了。井上薫著。新潮新書。2008年3月刊。

 やはり憲法違反憲法否定という指摘(p.3、132、136、138、195)。序章に素晴らしいフィクション(p.10)。

 人選こそ問題の本質(p.68)。「・・・裁判担当者は、・・・法令を知っていることが最低限必要となります。法令を知らない者に法令に基づく裁判を求めること自体ナンセンス以外の何物でもありません」(p.76)。「裁判担当者の条件」(p.77)。「第四章 素人が裁判を破壊する」(p.82)。

 「基準なき裁判」へ(p.114)、また、江戸時代の「入札裁判」へ(p.122)。嵐山光三郎さんの「三角定規陪審事件」での冤罪を作り出す側と冤罪の被害者(p.123)。

 広報活動の内幕(p.162)。「政府は、タウンミーティング(TM)という企画を主催し、・・・この中で、司法制度改革をテーマにした七回のうち六回までがシナリオ通りのやらせだったといいます・・・。/・・・ほとんど、「平成田舎芝居」・・・」。サクラの動員も(p.164-165)。「産経新聞は、・・・「裁判員制度全国フォーラム」(最高裁、産経新聞等の主催)で、一人当たり三〇〇〇円から五〇〇〇円を支払うことで計二四四人をサクラとして動員したが、・・・魚住昭が「最高裁が手を染めた『27億円の癒着』」(『月刊現代』平成一九年四月号)という記事で詳細にレポートしています。/・・・産経新聞としては、最高裁から出る広告料金でサクラの動員費用を支払って余りあるという計算があるらしい。ここまで来ると最高裁とマスコミの癒着ぶりはよくわかります」。

 拒否者への「非国民だという決めつけ(p.176)。守秘義務を裁判員にのみ求め、裁判官には違反に対する制裁は無し、という不公平(p.186-187)。

 
「もし、読者が裁判員候補・・・本書を手に持ち、裁判員制度は憲法違反であるからと、真剣に訴えることができます。拒絶の理由に悩む必要はありません」(p.203)。
コメント
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