社長の品格  成功への羅針盤

二十年ぶりの封印を解き、今再び俳優業に復帰した女社長ブログです。

太宰とバナナ

2007-12-05 21:58:07 | 読書
中学、高校は音楽、演劇、でつっぱしってきた。
同時に本も数々読みあさった。
とりあえず、国語の教科書に出てきた著者の本から読み始めたので、
日本文学が私の読書の始まり。
それにすかっり夢中になり始めた頃、
今度は外国文学を読むようになった。
スタンダールの「赤と黒」なんて中学生が読んで分かるわけもなく、
今読み返すとまるで別の作品だ。

いろいろ読んだけれど私の中での文学の原点は”太宰治”。
思春期の私にたくさんのことを考えさせてくれた。
だから至極わたしの生き方に影響を与えていると思う。
良いこと・悪いこと両方あって人間なのだ。
肯定も否定もしない。
全てをひっくるめて人間らしい人間と呼ぶのだと思う。
劇団に入団したての頃は、私が一番若輩者だったので、
当時は劇団のマスコット的存在でいた。
そんな娘が、「愛読書は太宰です。」というものだから、
結構先輩達は面を食らった様子だった。

太宰についで、続々と登場してくる新鋭作家に惹かれていった。
特に”吉本ばなな”の出会いはこれまた私に平手を食らわした。
至極ショックだった。
これほどまでに、純粋で悲しくって
けれど凛とした強い作品が書けるのか・・・。
1987年に「キッチン」でデビューしてから
首を長くして次の作品を待ちわび、そして読みきる。
「アムリタ」あたりまでは。

手術・退団・結婚・出産とめまぐるしく
いろんな事が起こってゆく。
そして二人目、三人目が生まれ、無我夢中に過ごす毎日。
そのうえ欲張りな私はビジネスにも世界を広げ始めるものだから
物理的に小説を読む時間がなくなってゆく。
本好きになってもらいたくて、
毎晩、子供達に絵本の読み聞かせをしていた。
ビジネスのノウハウは書物などからも学んだ。
だからその頃読んでいた本は、
絵本をはじめとした子供向けのものと、ビジネス書。

月日は流れ、しばらく振りに吉本ばななの「NP」を読み返した。
あれから20年ちかくが経っているというのに、
あの頃の感性に引きずり戻された。
何も怖いものがなく、ただ夢に向かって突き進む
信念みたいなもの。
だからこそ壊れやすくて美しいのかもしれない。

そんな時間が経過して
ようやく、再び吉本ばななに巡り会った。
ずいぶんと意欲的に書いてくださっているので、
ファンの私としては嬉しくって仕方ない。


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