Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

タイムマシンのつくりかた

2012-03-11 09:08:08 | 科学
ポール・デイヴィス著 林一訳 草思社文庫(2011/12).

2003 年刊行のハードカバー「タイムマシンをつくろう」の文庫化.

理論物理学者が書いた真面目な本.大学で物理を勉強した,あるいはさせられた方は,この本の最後の「なぜタイムとラベルを研究するのか」から読み始めるのがいいかもしれない.シュレディンガーの猫のような「思考実験」と言われれば納得だ.

現在,タイムトラベルの研究は理論物理学のコミュニティの中で家内制工業めいたものまでにはなって来ているということである.でも,過去に遡って少女時代の母親を殺したらどうなるかをまじめに議論するあたり,SF との境界はあいまいだなというのが実感.

ワームホールをタイムトンネルとするタイムマシンの設計図も載っているが,このカバーイラストのような愛嬌のある代物ではなく,巨大加速器のイメージに近い.

定年してつまならくなったことは,こうしたことを世間話のように楽しむ相手が周囲にいないことだ.
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橙ママレード

2012-03-09 09:08:55 | エトセト等


正月前にたくさん頂いたダイダイを,ポン酢代わりに使うだけではなかなか消費出来ないので,ママレードに加工.実はもう 3 クールで,こつが飲み込めて来た.

1 まず皮をむく.内皮は剥き方によって沢山つくこともあり,そうでないこともあるが,構わずにそのまま 2mm 幅,長さは 20-30mm くらいにひたすら切る.ここが重労働! よく切れる包丁で切るのは気持ちがいい.はさみを使っても良いかもしれない.

2 切った皮を茹で溢すことを 3 回以上繰り返す.

3 身のほうは,ジュースを絞ったりしたこともあるが,手に傷があると滲みる.最近は横半分に切ってそのまま鍋に入れてとろ火で煮ることにしている.しだいにドロドロになる.

4 茹で上がり湯を切った皮の中に,3 を金網かごでこして加える.どろどろの塊はしゃもじ等で金網で押し付け,残ったかすと種は捨てることの繰り返し.

5 砂糖を入れて煮る.

(本ではなく) ウェブによれば,砂糖の重量は 4 の内容量と同じにせよとのことだが,回を重ねるにつれ砂糖の量は少なくなって来た.苦く酸っぱい味に慣れた結果,それがくせになったというべきか.
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小池昌代「黒蜜」

2012-03-07 09:19:46 | 読書
筑摩書房 (2011/09)

著者は詩人にして小説家.これは詩人が書いた短編集ということになるが,中間小説調で読みやすかった.Webちくまに連載したもの+アルファ.260 ページに 14 編.どれも子供が中心で,ちょっと怖くて懐かしい.

さいしょの「鈴」では,母子が誘われて「暗闇プロジェクト」に参加する.数人が一団となって盲目の老婦人に導かれて真っ暗な空間をうろうろするはなし.たちまち引き込まれたが,これはこの本の中でもピカイチの出来だったなあ...と,これは一冊読み終わってからの感想.

一編毎に著者が描いたカットがついている.どうせなら表紙にも著者の絵を使えば良いのに.
図書館が借りたのだが,購入して自分の本棚に置くのもいいかな.
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本の扉

2012-03-05 08:53:36 | 科学


船が水面に残す波を航跡,英語で wake という.
電子ビームのプラズマ加速では,レーザーあるいはドライブビームがブラズマの海に作った wake に,テストビームを乗せる.モーターボートに引っ張られて水上スキーをするのと,すこし似ている.

去年は水難の年.ウェブに車が航跡を残して突っ走っている場面があった.同じような絵は前にも描いたのだが,今度はティズニーのアニメを真似て,車に目玉をいれてみた.

CD ケースに内側からアクリル絵具.

ところで「ウェイクフィールドの牧師 - むだばなし 」というのが岩波文庫に入った.
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竹原の雛祭り

2012-03-03 08:40:24 | エトセト等


竹原・道の駅でランチ.フレンチで,意外に高い...と言っても1700円とちょっとだが,値段相応に美味しかった.こうした店はご婦人のグループばかりに決まったものと思っていたが,ここは定年後のカップルが大勢を占めていた.

安芸の小京都,町並み保存地区の雛祭りとやらを見物.行く先々でさっきレストランに居た方々と遭遇した.

旧家ではお雛様よりも天井に感激して,iPhone で撮った苦心の構図がこの写真.

資料館にいた 3 人官女のうちのひとりは,おはぐろ眉なしで,この人だけ既婚との解説があった.
また,別な 官女トリオ人形は,衣装は色あせていたものの,そのポーズは跳んだり跳ねたりしていた.
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音楽とは何か

2012-03-01 09:22:29 | 新音律
田村和紀夫「音楽とは何か ミューズの扉を開く七つの鍵」講談社選書メチェ (2012/01)

七つの鍵,というわけで全体で 7 章から成る.

第1章 音楽は魔法である
第2章 音楽はシステムである
第3章 音楽は表現である
第4章 音楽はリズムである
第5章 音楽は旋律である
第6章 音楽はハーモニーである
第7章 音楽はコミュニケーションである

楽しく読了.著者の専門は音楽学だそうだが,音楽学ってこういうことをするの ! というのが最初の感想.役に立ちそうもないところは,高エネルギー物理学と良い勝負である.

でも,本書は「音楽学にとどまらない多様な視点」という惹句.

第1,2,7章は社会学的ときには文化人類学的視点だが,第3-6章はもっと音楽に近い視点で,ぼく的には後者が内容が具体的でおもしろかった.
楽譜も多数.でも小さくてみづらいものもあるのが不満.ほとんどの引用楽譜はクラシックからで,例外はスティービー・ワンダーの「心の愛」だが,歌詞だけで楽譜がないのは著作権の問題だろうか.

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reading

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