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2022.6.2 『ボタ山』(230m)  子鹿物語

 昨日「松倉沢」下山後、

この地が炭都として栄し頃の名残である、

直近のボタ山に登った。

昨夏暑いときに登ったが、

ここの風景がとても気に入っている。

 三笠市幌内町の奥に入って行くと、

広い空き地の横にチェーンゲートの林道入り口がある。

チェーンは二重になっていて、

「危険につき立ち入り禁止」、

と書かれているが危険なところはない。

自己責任で入って行く。

 車が入ることもないので、

路面が緑の美しい草に覆われている。

すぐ下に「三笠鉄道村」を見下ろせるところがある。

更に登って行くと、

突然前方に小山が見えてくる。

ボタ山の一部だ。

これを登るのに良いポイントを選んで取り付く。

そしエゾシカの踏み跡的なところを登って行くが、

トゲをもった植物が多く、

それに触れると痛みが走る。

 登るほど背後には緑の山の風景が広がる。

一旦登りきると、

広い風景の中に幌内町の住宅地が見える。

あとは風景を楽しみながら、

西側の最高標高点まで歩く。

とその時、

すぐ目の前に何か動物がいる。

ゆっくり近付いてみると、

子鹿が横たわっていた。

こちらの気配は感じているはずなのに、

全く動かない。

原因は不明だし、

外傷も見当たらないのだが、

どうやら重症か重病でもう息も絶え絶えという感じだった。

前足を投げ出した格好から察して、

脚を骨折したのだろうか?

とにかく私にはどうすることもできない。

静かにその場を離れて最高標高点まで歩いた。

 ピークからは、

これまでに登った三笠の山々が、

手に取るように望まれる。

その中には今年登った「一本松」(600m)や、

直前に登った「松倉沢」も確認できる。

また南側には沼が見下ろせ、

その向こうには一昨年登った「幌内」(三等三角点)が、

伐採地を抱えて鎮座する。

簡単な昼食を摂って下山を開始。

また子鹿のところに寄ってみたが、

先ほどより更に目がうつろで半開き状態。

いよいよ死が迫っているようだった。

これも自然界に生きるものの宿命。

一方でエゾシカが増えすぎて、

食害が膨大に膨れ上がっているという現実もある。

決してこの子鹿にその責の一端を負わせる、

と言うつもりはないが・・・

 なんだか素晴らしい風景を堪能した割には、

重苦しい心境で下り、

ゆるゆる駐車地へ。

子鹿のうつろな目が頭から離れない。

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