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2021.9.28 『鬼首山』(641m)  西尾根を登る

 夕張市の『鬼首山』には、

もうずいぶん回を重ねて登ってきた。

しかしルートはいずれも、

この山の東側となる、

夕張市沼ノ沢地区からだった。

それをヤマッパーに教えたところ、

積雪期に限りずいぶん人が入るようになってしまった。

そこで逆の西側から登ってみることを思いついた。

西側から登るルートについては、

昨年Hiromiに自分で、

計画立案をするよう課題を与えたのだが、

いまだ回答がないので、

一人で登ることとした。

ルートは夕張市滝ノ上から林道に入り、

林道終点から藪に入って、

『鬼首山』に続く尾根筋を登るというもの。

 昨日の朝家を出て夕張に向かった。

そして夕張市滝ノ上の、

JR滝ノ上駅約1km手前で、

左手の林道に入った。

初めて入る林道なので、

どこまで車を入れられるのかわからない。

林道に入ると1km弱でゲートが現れたので、

その少し手前を駐車地とした。

そして9時10分、徒歩でスタート。

すぐにゲートが現れ、

この林道名が「草木舞林道」と判明した。

林道はしっかりしていて歩きやすい。

ただ、エゾシカのフンが落ちているので、

踏まないよう注意しながら歩く。

 歩き出して間もなく、

左手の斜面が崩落している現場に出くわした。

「胆振東部地震」で崩れ落ちたのだろうか?

こういった光景を目にすると、

安平町の崩壊地を思い出し、

またそこに行って歩いてみたくなる。

林道は水量の少ない、

「草木舞沢川」の右岸に続く。

そこで次に目を引いたのが、

すごい規模の山ぶどうだ。

高いところから滝のようにツルが垂れている。

幅も広いのだが、

そばで覗き込んでみると、

ブドウの実がわずかしかないんだよねえ。

どういうこと?

 ゲートから約1.5kmほど歩くと、

林道が右岸から左岸に移った。

と、同時に右手に支線林道が現れた。

これが予定の林道だ。

地形図上では短く2kmほどで、

林道終点となるので、

いまだ存続しているのか心配だったが、

どうやらまだ歩けそうだ。

支線林道を歩いていると、

前方に『鬼首山』の稜線が見えてくる。

なかなか遠いイメージで気が引き締まる。

 10時20分、支線林道終点の少し手前で、

左手の斜面に取り付いた。

この斜面は結構な傾斜があり、

なかなかきつい登行を強いられる。

それに尾根の頭近くでは、

地表がザラザラと崩れるので、

四苦八苦して登った。

地形図上の「466m標高点」の、

すぐ東でようやく尾根の頭に出て、「ホッ・・・」。

あとは『鬼首山』から、

西に伸びるこの尾根を忠実に辿っていく。

はじめは背の低い笹に覆われていたが、

歩行を妨げるものではなく、

逆にラッキーっと喜んだ。

それをしばらく歩くと、

意外にも細尾根となり、

南側がスッパリと切れ落ちている。

ここからは樹木の切れ目から、

南側の風景を望むことができた。

そして再び笹原となるも、

今度は深い笹の海だった。

背丈が高く密度も濃い。

ただ茎が細いので、

諦めなければ必ず突破できる。

そんな笹の海が200m程続き、

『鬼首山』頂上部の基部に取り付くと、

ようやく笹は背丈が低く、

そして薄くなった。

最後は急登を経て、

12時35分、『鬼首山』(二等三角点:紅葉山)。

何度も立ったピークではあるが、

初めてのルートで立てたことに、

正直また違った喜びを感ずる。

私の手製サンドイッチと、

カップ麺の昼食をとった。

 下山は登路のルートを戻り、

また泳ぐように笹の海を越える。

そして登路で利用した斜面を過ぎて、

しばらく尾根筋を下ってみることにした。

しかしブッシュが多く、

かなり煩わしいところがある。

登路で利用した斜面は、

絶妙の藪なし斜面だったようだ。

 支線林道に下り、

本線林道に向かう。

若干ショートカットして、

「草木舞沢川」を渡渉した。

やはり水量は少ない。

そんな川沿いにも山ぶどうが、

広くツルを伸ばしている。

この辺りはずいぶん山ぶどうが多いことに、

改めて気付いた次第だ。

そしてまたエゾシカのフンを、

踏まぬよう気を付けて歩き、

15時30分、駐車地。

また大好きな夕張の山で、

新たなルートを確立できたことに感謝!

 帰宅したのは17時少し前。

いつもより遅い帰宅に、

女房が少々心配していた。

どこかで倒れているんじゃないか、と。

う~ん、もういつ急性心不全で、

命を落としても不思議ではない年齢だ。

それはそれで本望だが、

捜索者のことを考えて、

できるだけ詳しく、

女房に山行予定を残さなければ。

それにしても、

うちの女房も心配するんだねえ・・・

 

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2021.9.26 『奈井江山』(520m)~『山口沢』(245m)  笹とツルには勝てんかったあ・・・

 土曜の夕方新十津川町から、

奈井江町に移動し、

奈井江市街地から東に伸びる、

道々529号線に入り、

適当な空き地があったので車中泊。

山間部だったので、

携帯の電波は厳しく、

夜間外に出ると、

近くの山中でヒグマのあくびを耳にした。

この道々を奥まで進むと、

かつては『美唄山』の奈井江登山口があった。

しかしとっくに廃道となったようだ。

 日曜の朝車中泊地から、

更に奥に車を走らせ、

奈井江川に架かる「深雪橋」から、

約2km先で左手の林道に出合った。

これを伝って「奈井江山」を目指す。

林道入口は広く空いていたので、

自由に車をとめられた。

 6時10分、チェーンゲートを越えてスタート。

そばを流れる「奈井江川」から、

鈴の音が聞こえたので、

川原を覗き込んでみると、

釣り人が一人渓流釣りをしていた。

 林道はいきなり急登となり、

グイグイ高度を上げて行く。

やる気満々のHiromiにはいい傾斜だ。

そしてこの林道は、

路面がしっかりしていて歩きやすい。

また、周りの植生も美しく、

なかなか楽しい林道だ。

 歩き出して間もなく、

道筋が大きく反時計回りで弧を描いていく。

この孤の端に「山口沢」(四等三角点)があるのだが、

それは下山時に踏むこととし、

とりあえずは「奈井江山」を目指す。

 林道はやがて針葉樹林の中に伸びていくが、

この樹林がまた美しく、

実に気持ちよく歩ける。

天を突くようにまっすぐ伸びた、

トドマツの林が素晴らしい!

と同時に「奈井江山」への、

最後の藪が薄いことを期待させてくれる。

実際その期待は大外れだったんだけどねえ・・・

 針葉樹林の中を抜けると、

広葉樹に囲まれた中を行く。

ところどころで紅葉した葉を目にするが、

まだほとんどが緑のまま。

しかし朝の陽光に照らされた、

この黄緑もまた美しい!

そんな美しい風景の中、

いくつかの分岐を越えて進んでいく。

すると木々の切れ間から、

すぐ近くに『美唄山』が望まれるようになった。

『美唄山』の登山口へは、

現在道路工事で進入禁止となっているため、

ずいぶん遠い山になってしまった。

 林道ゲートから4kmちょっと歩き、

Co.390で「奈井江山」直下の、

伐採斜面に取り付いた。

この時はまだ伐採斜面を見て、

これは楽にピークに立てると思っていた。

伐採斜面には作業道が残っていたので、

利用できるところは利用して高度を上げる。

そして急斜面を登りきり、

稜線上に出てガックリ!

突然樹木が切れて太陽光が降り注ぐ、

一面に密生した笹原が出現した。

ここで期待が大きく裏切られてしまった。

しかたなく笹を濃いでは行くが、

三角点ピークに近付けば近付くほど、

笹は密度と高さ、そして強度を増す。

そこに最後は山ぶどうの、

入り組んだツルが這い回りだした。

こうなるともう一歩を踏み出すことさえ困難で、

「このやろう!」と、

虚しい声が出るばかり。

そしてどうにか三角点の上まで進んだが、

濃い笹に地面がよく見えない。

辺りを探し回ろうにも、

全く自由が効かない。

いいかげんうんざりして、

一刻も早くその地獄から抜け出したくなった。

8時20分、三等三角点「奈井江山」

の上であろうと思われる地点でリタイアを決めた。

そしてもがき苦しみ、

樹林帯まで戻って「ふぅ~っ・・・」。

それでもHiromiが言った、

「ここ、また挑戦しようね!」

えらいっ!!

 なんとも虚しい気持ちを抱えて林道を下る。

ひじょうに後味が悪い。

しかしあの笹の中から、

三角点標石を見つけ出すためには、

大きなハサミが必要だなあ。

ただ、この美しい林道はまた歩きたいと思うところだ。

 下山途中ゲートが近くなって林道を離れ、

9時35分、四等三角点「山口沢」

こちらの標石は容易に目にできた。

まあ、一つでも新たな三角点を確認できたことで、

今回は「良し」としよう。

 9時50分、駐車地。

そこでHiromi、

「この二日間ですっかりリフレッシュできた。

また一週間仕事頑張るぞーっ!」

どこまでも前向きでえらいやつだ。

そのえらいやつと、夕方いつものように反省会。

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2021.9.25 『待根山』(1,002m)~『ピンネシリ山』(1,100m)  仲良しおしゃべり登山

 今回は久ぶりに登山道を歩くことになった。

ただ『ピンネシリ山』には、

毎年登っている気がする。

きっかけは今回同行することになった、

「run」(ルン)と話しがまとまったため。

runは私の娘と同じ歳、

出身高校が私の息子の嫁(Sa~)と同じ、

ということを知り、

もう一歩踏み込んでみると、

runの父親の出身地が、

私と同じく栗山町だった。

だったら一緒に登って、

ゆっくりお話ししましょ!

となったわけだ。

そしてそのrunと、

私の岳友Megが勤め先の同僚であり、

山登りの師匠ということが重なり、

今回のパーティーを組むことになった。

Megとは昨秋以来だ。

土曜日の朝9時前、

『ピンネシリ山』砂金沢登山口で合流。

Megとrunはまるで、

母娘のような雰囲気でやってきた。

runとは初対面の挨拶もそこそこに、

まずは歩きだしましょう。

 9時05分、砂金沢登山口をスタート。

登山口から山に入ると、

にわかに紅葉が始まった草木が美しい。

そして早速会話が始まった。

runとは初めてなので、

好奇心旺盛のこの年寄りは、

聞きたいことがたくさんある。

まずは事前に得た情報の、

すり合わせだ。

それに枝葉をつけるように、

次々と質問していく。

runは予想通り、

大変オープンな性格だったので、

こちらの質問には丁寧に答えてくれる。

会話が弾むと時間を意識しないので、

ときの流れが早く感ずる。

一箇所舗装道路と交差する地点がある。

『ピンネシリ山』頂上に建つ雨量観測施設を、

維持管理するための車道だ。

登路ではここまでが前半、

この後が後半の行程となる。

そしてこの後も、

延々とおしゃべりが続く。

時折木々の切れ目から、

『ピンネシリ山』の頂上部や、

周囲の山々が眺められる。

また、Megがその辺に自生している植物で、

食べられる実があれば、

すぐに口に入れるので、

runが「これ食べれる?」、

「あれは食べれる?」と、

次々Megに質問していく。

しかしだいたいは食べられない実だ。

 登山道は『待根山』の東面から北面を、

トラバースするように高度を上げていく。

そして11時15分、『ピンネシリ山』と、

『待根山』の稜線に飛び出した。

ここで一気に西の風景が見渡せる。

一堂しばしその広大な風景に見入る。

それからまず『待根山』に登る。

この登りでは背後に広がっていく、

『ピンネシリ山』の大きな姿が見事だ。

晴れた日にこの光景を目にしたことがない、

Megとrunは感動の様子。

そして11時30分、『待根山』。

ここで少し休んでから『ピンネシリ山』へ。

一旦両山のコルまで下り、

標高差160mの急な登りに取りかかる。

時折振り返って、

直前に立った『待根山』の姿を確認する。

急登に耐えてのち、

最後はゆるゆる登り、

12時15分、『ピンネシリ山』(一等三角点:賓根知山=ぴんねちやま)

風が冷たく寒いくらいだ。

そこでようやくゆっくりと昼食とした。

この女子達は互いにスウィーツを分けあう。

それを私にもくれるのだが、

私は何も返すものがなく、

ただただ恐縮・・・

また「仲良しポーズ」で写真を撮ったあとは、

女子3人のアウターが、

信号色(3色)だと言って並んでみた。

ゆっくり食事をし、

大いに笑ったあとは、

登路で交差した車道を下る。

アスファルトの路面なので、

膝の調子がよくないMegは渋ったが、

広い車道からの方が、

ずいぶん眺めがいいと伝えるとOK。

そしてまたペチャクチャ、ペチャクチャ。

道路が広い分横に並んで歩けるので、

会話が更にはずむ。

それにしてもよくしゃべるわぁ、

Megぅ・・・

車道を最後まで歩き、

林道に下りて登山口まで歩くが、

これが意外に長く3kmほどある。

ただここもとにかく、

ペチャクチャ、ペチャクチャと尽きることがなく、

いつもほど長かった印象はない。

 15時20分、駐車地。

いやあ、楽しかったねえ。

またおしゃべり登山を楽しみましょう!

その場で解散とし、

Megとrunが先に帰っていった。

そして我々は最寄りの、

「新十津川温泉」で汗を流し、

奈井江町に移動して、

林道で車中泊とした。

 

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2021.9.23 『於兎牛山』(おそうしやま・392m)  降られる前に急ぎ登山

 昨日も前夜の予報で、

また雨とのことだったので、

樺戸山地にて最初から、

雨の中を歩くつもりでいた。

ところが朝起きて予報を確認すると、

午前中なら雨に当たらずに、

済みそうなところが出てきた。

それで急遽変更して、

Hiromiを迎えに行き、

由仁町川端に向かった。

もう歳で早朝の運転は嫌、

家を早く出ることすら、

おっくうになってしまったので、

ついつい出遅れる。

 Hiromiを拾って走っていると、

だんだん空が明るくなってきて、

遠くに『於兎牛山』の姿を見ることができた。

そして川端の林道入り口に着くと、

既に青空が広がっていた。

しかし、予報では必ず降りだすとのことなので、

降られる前には下山して、

あとかたずけを済ませたいところだ。

 9時ちょうど、林道入り口そばの駐車地をスタート。

もう何度も足を踏み入れている林道なので、

特に目新しいところはないが、

美しい林の中を歩くのは楽しみだ。

 林道を歩いていくと、

分岐が現れるが、

これを左に入ると、

反時計回りで『於兎牛山』に向かってい行く。

また、直進すると約9kmで、

『クオベツ山』(506m)に至る。

そしてその後は、

道々夕張~厚真線に下っていく。

 我々は分岐から林道を直進する。

するとすぐに橋を渡る。

この橋の名は「九尾別橋」。

この辺りは何でも「クオベツ」で、

「クオーベツ川」に、

「クオーベツ貯水池」だ。

そして「クオーベツ貯水池」の、

すぐ手前で左手の藪に入った。

と言っても藪は入り口だけで、

すぐ古い作業道が現れ、

これを登っていく。

ショートカットして、

上部林道に当てるためだ。

この辺りの林は美しく、

天を突くようにまっすぐ伸びたトドマツが、

大変見事なな風景を作り出している。

その中を歩いているだけで、

ただ「美しい」と思える環境だ。

トドマツの幹にはところどころ、

ヒグマの爪痕も残されており、

自然の豊かさを感ずる。

 Co.220で林道に上がった。

ただこれを100mも歩くと、

再び林道を離れて急斜面を登り、

ショートカットする。

その後は高度を上げながら、

林道を歩いて行く。

そしてこの林道もまた、

周りの風景が美しい。

飽きのこない林道だ。

それでも1kmほど歩くと、

350で尾根の取り付き点となる。

急斜面を登って尾根に取り付く。

尾根筋はすっきりとしており、

そこに一筋の踏み跡が続いている。

その踏み跡が以前ははっきりしておらず、

笹を漕いで行くといった状態だったのだが、

今回は驚いたことに地面の土が露出して、

まるで登山道のようだ。

人が増えたことに間違いない。

 10時ちょうど、

『於兎牛山』(三等三角点:於荘志山)。

この辺りの笹の植生はおとなしいようだ。

次回はルートを変えて、

夕張川沿いから登ってみようか。

 下山は同ルートを下る。

下りだしてすぐHiromiが口にした。

「去年この辺でY澤さんが、

カメラ落としたんだよねえ」

そうだそんなことがあった。

あのときは『於兎牛山』から林道に下ったあと、

『クオベツ山』まで歩き、

その後下部の「クオーベツ川に沿う林道に下りて、

林道入口まで戻るという、

周遊ルートを巡った。

(そのときの記録)

この日はスタート時の気温が、

既に24℃あり、

湿度もこの時期にしては、

結構高かったので、

歩いていると暑くて汗が滴り落ちてきた。

意志の弱い私は、

口からついつい「暑い」が出てしまう。

それに対してHiromiは、

何も言わずに黙々と歩いて行く。

 11時ちょうど、駐車地。

まだ晴れている。

雨と諦めていたこの日だったが、

全く雨に当たることなく、

楽しい山行を終えることができ、

よかったねえ~

 

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2021.9.22 『青山奥』(151m)  藪で再挑戦!

 昨日は昼頃から雨になるとの予報。

降られる前に登ってしまおうと、

当別町青山で「青山奥」を狙った。

標高は低いが先月林道を利用しようとして失敗した。

利用しようとした林道は、

既に廃道で一面背の高い草に覆われていた。

それで今回は道々28号線を、

当別町青山に向かい、

青山中央地区に入る直前で、

「当別川」に架かる「開運橋」たもとから、

藪漕ぎで挑むことにした。

        

 この日やがて降り出す予報の雨は、

現地に着くと既に降っていた。

雨具を着用するにはちょうどよい、

と言いたいところだが、

最近また気温が上がりだして、

雨具着用では暑い。

降り出す前に登ってしまおう、

と思っていたのに、

家を出るのが遅くなり、

駐車地を9時50分スタート。

まあ、既に降っているのだから、

別に早出する必要はなかったということだ。

 はじめから藪漕ぎを覚悟していたのに、

そこに林道があるではないか!

地形図には載っておらず、

いつ消え失せるかわからないような、

頼りない林道ではあるが、

きちんと草刈りがされていた。

そばを流れる「金の沢川」に沿って伸びる林道を歩いて行くと、

やがて川から離れて山に入って行く。

これは好都合な方向だ。

しかしいくらも進まないうちに行き止まりとなり、

そこに小屋が建っていた。

人気はないがそこに人が通っていることは、

加工途中の建築資材があったので明らかだ。

都会の人が休みのたびに通って、

住まいを建築しているのだろうか?

 小屋の横から藪に入った。

背の高い笹原が続く。

そして尾根にのり進んで行くと、

針葉樹林となって、

笹は薄くなり歩きやすくなった。

140でピークに上がったので、

「ここか?」と思ったが違っており、

更に奥にピークがあるようだ。

そしてここでミスをした。

別の尾根筋に入ってしまい、

濃い笹から入り組んだハイイヌガヤ、

しまいには山ぶどうのツルに悩まされ、

ようやく間違いであることに気付いた。

再びもがきながら引き返し、

11時15分、三等三角点「青山奥」

三等だが訪れる人は皆無のようだ。

 下山は最短距離を下っているつもりが、

なんとまた小屋のそばに下りてしまった。

そして林道をトボトボと歩いて、

12時ちょうど、駐車地。

このそばにもう一座「青山表」(四等三角点)、

というのがあり、

それも合わせて登ってしまうつもりだったが、

雨がひどくなってきたのでやめた。

低山、里山ばかりを歩いているが、

今日で7日連続となると、

少々疲労が溜まってきたと感ずる。

でもやることと言ったら、

山登りしかないしねえ・・・

 

 

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2021.9.21 『中ノ峯』(386m)  伐採ロードに足を踏み入れる

 昨日の朝奈井江町に向かって車を走らせた。

奈井江、上砂川町の辺りでは、

『御料山』(622m)くらいしか、

登ったことがなかったので、

この辺りがどうなっているのか、

とりあえず足を踏み入れてみたかった。

 奈井江町から道々「奈井江~上砂川線」を、

上砂川方面に向かって走り、

「上砂川トンネル」の2km手前で、

「奈江川林道」に入った。

これは広い林道で、

ずいぶん車が行き交っているようだ。

林道入口から1kmほど走ると分岐となった。

これを左のメインストリート的な方に進むのだが、

すぐ先にチェーンゲートが見えている。

この時はチェーンが下ろされていたが、

ゲート手前の広い空き地を駐車地とした。

そして10時50分、徒歩でスタート。

ゲートのチェーンが開錠されているということは、

奥で林業関係の車両が動いているということだろう。

 林道を歩き出すと、

すぐ左手に伐採地の風景が広がった。

伐採地の風景はどこで何回見てもいい。

その伐採地の前を直線の林道が走る。

林道をゲートから1kmほど歩くと、

「奈江沢川」に架かる「紅葉橋」を渡った。

予定ではそのまま林道を利用して高度を稼ぎ、

ギリギリで藪に入ろうと思っていた。

しかし「紅葉橋」を渡ったところで藪を覗いてみると、

おっ、薄いじゃないか!

地形図を見ると尾根筋はすっきりしている。

ここで尾根に取り付くことにした。

いずれ笹が出てくるだろうが、

それはその時だ。

 シダ類が中心ですっきりした、

針葉樹林の中を登って行く。

途中で作業道跡が現れたので、

利用できる範囲で利用する。

そして笹が出てきた頃、

林道に飛び出した。

既に車での走行がされていない様子の林道をまたぎ、

対面の尾根に上がる。

尾根はしだいに笹が濃くなるものの、

背丈が低いので問題ない。

尾根の途中で樹木の間から、

すぐ北側の『御料山』が見えた。

何も見えないと思っていたが、

いくらかでも遠くを見通せるとホッとする。

 笹は330で一旦切れて、

最後の登りで再び現れるが、

登行には全く問題なし。

そしてピーク目前で、

突然目の前に伐採地が現れた。

つまり「中ノ峯」の南斜面が、

広く伐採されたあとだったのだ。

伐採地は広大で、奥の方まで伐採風景が見えている。

 最後の詰めは急登で、

12時25分、三等三角点「中ノ峯」

ピークからは北の『御料山』方面が見える。

山並みの向こうには歌志内市の、

『神威岳』も頭が見えていた。

すっきりしたピークからの下山は、

登路のルートをそのまま下り、

ピンテの回収をした。

そして「紅葉橋」たもとに下り、

1kmの林道を歩いて、

13時35分、駐車地。

面白い山歩きだったが、

林業関係の業者が複数入っているので、

少々落ち着かない気がする。

遠くではあるが、

同林道筋でチェンソーや、

重機のキャタピラ音が聞こえていた。

しかし伐採地が多くて、

大いに興味を抱いた次第だ。

 

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2021.9.20 『400m峰』~『平和』(413m)  藪の中の周遊ルート

 昨日の朝は夕張の市営球場近くで目覚めた。

夕張をこよなく愛する私、      

           

静かに過ごせる車中泊地は、

夕張ならあちこちにある。    

しかし5時にタイマーをセットし、

目覚めると寒っ!

温度計を見ると8℃。

つい先日まで暑くて、

車中泊が嫌になっていたのに・・・

 朝起きると私は外でストレッチ、

対してHiromiは化粧その他云々。

こんな車中泊の朝が、

もう何百回も繰り返されてきた。

しかし、目覚ましが鳴って、

それで私が起きても、

決して先には起きないHiromiだ。

そして結局最後は「起きれーっ!!」

 今回は「清水ノ沢ダム」を起点に、

ダム湖の北岸に伸びる、

古い林道を伝ってダム湖の奥まで入り、

藪を漕いで更にその北側の伐採地に上がる。

そこから「400m峰」に立ち、

尾根歩きを経て「平和」まで戻り、

最後は「滝ノ沢ダム」に下るという、

周遊ルートを考えた。

「400m峰」には先日、

「千代田」経由で立っている。

今回はおおよそその逆から、

ということになる。

 「清水ノ沢ダム」に移動して、

6時45分、ダム施設の少し前に駐車し、

上下雨具着用でスタート。

気温が低いので雨具着用は心地よい。

ダム施設の横を過ぎ、

ダム湖の北岸に続く湖畔林道に足を踏み入れる。

ところがこの林道は、

とっくに廃道となり、

笹やその他の雑草が密生している。

それをかき分けながら進む。

ここの辺りはもう少し時が経過すると、

素晴らしい紅葉スポットとなる。

 既に廃道となってから、

ずいぶん時が経過したと思われる林道は、

おおよそその道筋が伺われるものの、

ひどく笹に覆われた部分がある。

それらをかき分けて進むも、

湖を過ぎてしばらく進むと、

もう林道の判別がつかなくなった。

であるならば藪を漕いで、

北側に位置する「400m峰」を目指すのみ!

しかし笹薮は濃く・・・

ところがそれを漕いで登って行くと、

突然伐採地に出た。

ラッキーっ!

ホッと一息だ。

それもつかの間、

せっかく巡り合えた伐採地は、

ほんの狭い範囲で、

その上部に進むためには、

更に藪を漕がなければならなかった。

暑くて雨具は着ていられず、

薄着で藪に突入も、

直射日光で葉が乾いていたので助かった。

そしてその薮も長くは続かずも

突然林道に下り立った。

この林道が先日立った、

「400m峰」に続いていることは明らか。     

                                 

ウキウキ気分で伐採地へ!

伐採地の広い風景の中、

8時40分、『400m峰』。

ここからの眺めはHiromiも気に入った。

 『400m峰』からは、

北から南へと続く尾根にのる。

この尾根の北には「千代田」(四等三角点)がある。

それを南方向に進む。

地形図にはこの尾根筋に、

破線林道が記されているものの、

その痕跡が見られるのはわずかな部分だけで、

ほとんどはただの笹原に過ぎない。

笹はようやく顔を出せるようなところもあるが、

概ね腰程度の高さなので、

容易に進んでいける。

そしてこの尾根の左手は、

スッパリと切れ落ちており、

その向こうに夕張市の運動公園が見えている。

前を行くHiromiは、

そんな風景に目もくれず、

ただ黙々と笹を漕いで行く。

いくつものアップダウンを繰り返し、

9時50分、「平和」(四等三角点)

昨秋ここに一人で立ったが、

その時に比べると、

ずいぶん笹が増えていた。

改めて標石周りの笹刈りをした。

 下山は尾根筋をそのまま南に下る。

傾斜がきついので、

長靴での下降が大変だ。

ゆっくり下って湖畔に下り立った。

ここでちょうど一周したことになる。

あとはダム施設横を通り、

10時15分、駐車地。

帰宅して後片付けや写真の整理をし、

夕方Hiromiと三連休の「反省会」とした。

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2021.9.19 『花山』(かざん・412m)~「478mP」~「423mP」  とうとう笹に負けた・・・

 昨日土曜日は、

朝Hiromiを迎えに行き、

三笠市奔別に向かった。

そして大規模露頭炭の採掘場奥より、

『花山』に登って後、

そのまま尾根を北上して、

『奔別越』(三等三角点)まで歩く計画とした。

ところが・・・

『奔別川』に架かる、

「三笠奔別橋」の前を駐車地として、

8時45分スタート。

すぐに「三笠奔別橋」を渡った。

この舗装された広い道路は、

どこに向かうために造り始められたのか、

大きくジグを切って、

「花山」の下の尾根末端で、

工事が中断されたままになっている。

そしてもう工事が再開される様子はなさそうだ。

いったい何故そんな無駄なことをしたのか?

 スタート地点より約1km歩き、

舗装道路の終点近くで、

左手の藪に入った。

笹は最初のうち濃かったが、

尾根の頭まで上がると、

嘘のように笹やブッシュが消えた。

このことは前回暑いときに、

一人で「花山」に登っているので知っていた。

しかし初めてのHiromiは驚きの様子。

まるで登山道のような細尾根を登っていく。

ただ、左右が結構な傾斜で落ち込んでいるので、

決して気は抜けない。

Hiromiが足場の悪いところでは、

両手を使って登っていく。

今日も快調だ。

それに対して私は急登で、

既に辛くて辛くて・・・

酒の飲み過ぎかね?

この前日もワインを1.5リットル飲んだ。

二日酔いになる訳じゃないんだけどねえ、

内臓が疲れているのかねえ?

 急登の連続を終えて、

9時40分、四等三角点「花山」

前回ここに立ったとき、

一面を埋め尽くすワラビを倒しておいた。

それで標石周りはきれいなまま。

それにしても新しくきれいな標石だ。

 今回は「花山」から先が初めてなので、

ひじょうに楽しみなところだ。

そして薄い藪が、

いったいどこまで続いてくれるのか、

気になりながら歩を進めていく。

藪が薄いので、

常にHiromiが前を行く。

藪は少しずつ濃くなっていくが、

歩行にはさして支障がない。

しかしいつしか、

シャクナゲ系の植物が一面を覆うようになり、

その横に張った枝が、

不安定で足元を危うくする。

そんな中で10時20分、「478m標高点」

地形図に標高点のみが記されている。

そしてこの辺りになると、

「花山」で飲んだアミノバイタルが効きだしたか、

私の体調が戻った。

 更に先へと歩を進めていくと、

やはり出てきた笹が。

いつまでも快適な尾根歩きができるとは、

決して思っていなかった。

しかし期待はしていたけどねえ。

笹はそこそこ濃いものの、

細いので進行を大きく妨げられることはない。

Hiromiは相変わらず、

笹を漕ぎながら、

積極的に前を行く。

私は笹の丈が高くなってきたので、

要所にピンテを付けて進む。

そして10時45分、地形図上の「423m標高点」

ここで小休止だ。

そしてここから笹がより濃く、

太くて丈も高くなった。

それでもHiromiは積極的に前を行く。

前方を見ると樹木がまばらで、

太陽光がまんべんなく降り注ぐ。

笹が繁殖する要件だ。

そこで前進をあきらめ、

Hiromiに撤退を提案するのだが、

この日のHiromiはいつもと違った。

「次の459まで行ってみない?」

逆提案だ。

そしてHiromiの希望のまま、

前進を続けるも、

「759m標高点」の数十メートル手前で、

11時35分リタイアを決めた。

最終目的だった「奔別越」は、

まだ1.5kmも先だ。

リタイアを決めて振り返り驚いた!

辺りのトドマツの大木の、

ほとんどにヒグマが登った爪痕が残されていた。

いずれも古いものではあるが、

こんな光景を目にしたのは初めてだ。

いやあ、すごい光景を目にした。

そんな光景を目にできただけでも、

そこまで足を運んでよかったと思える。

復路ではまた笹を漕ぎ、

小さなアップダウンを繰り返す。

Hiromiはどこまでも元気がいい。

途中で昼食としたが、

へたりこんで休む私に、

付き合うように、

珍しく木の上に腰をおろしたHiromi。

「なあ、座ったら休めるべえ」。

その後ゆっくり下って、

14時10分、駐車地。

直近の「湯元温泉」で汗を流した。

そして三笠に留まり、

翌日もそこで登る予定だったが、

「湯元温泉」への道のりで、

道々を走る車が異常に多いことに、

なんだか嫌気がさし、

夕張に移動して車中泊とした。

夕張は落ち着ける。

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2021.9.18 『東山奥』(274m)  雨の里山歩きも楽し!

 今日は雨降り。

夜中はまだ降り出さなかったが、

朝になって降ってきた。

昨夜の天気予報最終チェックで、

終日雨とのことだったので、

今日は近場の「東山奥」と決めていた。

雨降りならどこに登っても同じ。

であるならば近いところがいい。

私の原風景の中のこの一座は、

Hiromiの住まいから、          

車で30分もかからない距離にある。

つい10日ほど前に、

一人で登った「東山奥」だが、

Hiromiは初めてなのでちょうどよい機会だ。

 今朝Hiromiを迎えに行き、

栗山町東山地区に向かった。

いつもは「東山会館」の空き地に、

車を止めさせていただいているのだが、

今日は雨の中だったので、

「雨霧林道」入口までの、

約1kmを車で走行した。

そして林道入口のすぐ手前の空き地に駐車。

 雨具着用でスタート。

すぐにエゾシカ防護柵の扉を開けて林道内に入り、

続いて林道ゲートの下をくぐった。

雨は小降りなので、

ザーザー降られるよりは楽で、

このままこの程度で終わってくれるよう願う。

そしてすぐ右手の「円山越林道」に入った。

ここは周囲の雰囲気が良く、

森の風景そのものが美しい。

そのことをHiromiに尋ねてみると、

Hiromiもまた美しいと言う。

雨模様ではなく、

陽光が降り注ぐ中ならば、

更に美しい光景が見られるだろう。

このような林道を歩くのは実に楽しい。

 はじめはトドマツの林が続き、

そのうちカラマツが主体の林となる。

そしてそのカラマツが太い。

前回も紹介したが、

ここにはこれまでに見たこともないような、

幹の太いカラマツがそそり立っている。

その辺りの標識には、

「植え付け年」が「昭和12年」とある。

私が生まれる17年も前だ。

つまり植林されて84年にもなるわけだ。

すごい年輪だねえ~

 ゆっくりとではあるが、

登り一辺倒だった林道が、

地形図上の「220m標高点」脇で下降が始まる。

これを100mほど下った地点に、

ピンテがたくさんさがり、

これが作業道の入口を示す。

この作業道はこの上に建つ、

北電の送電線を支える鉄塔の、

保守管理用のものだ。

それを利用させていただき、

鉄塔下に上がる。

そしてここから藪漕ぎだ。

最初はHiromiの背丈を超える高さの笹に、

Hiromiが埋もれてしまう。

ただ長くは続かず、

やがて笹は低く薄くなっていく。

その中を快適に登っていき、

四等三角点「東山奥」

Hiromiは初登の儀式でバウムクーヘン!

 下山は登路のルートを忠実に歩く。

藪から作業道へ。

その後は美しい森の中の林道歩き。

私はこのすぐ近くの、

栗山町南学田で幼少期を過ごした。

ここ東山のすぐ隣りのだ。

その頃この辺りの山では既に、

盛んに林業が営まれていたことを思うと、

感慨深いと言うか、

ロマン的なものを感ずる。

原風景の中の山歩きは実に楽しい!

駐車地までは強くなることなく、

ポチポチと降り続いた雨だが、

後片付けを始めると少し強まった。

急ぎ片付けを済ませ帰途に着く。

明日は一泊の予定で出かけるが、

緊急事態宣言下、

遠出はせず札幌ナンバーの圏内で、

活動することにする。

 

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2021.9.17 『大地』(174m)  この林道はいい!

 「大地」とはいかにも、

北海道らしい点名じゃないか!

今日はこの面白い点名をもつ山に、

登ってみることにした。

所在地はこのところよく通っている、

当別町のふくろう湖畔。

ふくろう湖畔を道々28号線にのって走り、

湖を横断する「望郷橋」手前で林道に入る。

これを1.5kmほど進むと、

「トップ沢川橋」が現れるので、

その手前の広い待避所を駐車地とした。

 「大地」に登るには、

二つのルートが考えられる。

一つは「トップ沢川橋」を渡って、

約1kmほど先から藪に入り、

上部を走る林道に当て、

100mほどしかない先の、

三角点ピークを目指すもの。

これは最短距離でピークに立てるが、

藪の状況がわからず、

濃い藪に進路を塞がれるなら、

そこでリタイアとなる。

またもう一つは約6kmの、

長い林道を歩いて大きく遠回りで、

三角点ピークのそばまで行き、

一案と同様にピークに立つもの。

そこで今回は第二案を実行することにした。

登りは林道を歩き、

下山で藪に入って湖畔林道に下る。

 9時25分、駐車地をスタート。

すぐそばのゲートから「当望林道」に入った。

この林道は先月6日、

「川崎」(四等三角点)に登った際に利用している。

下山でツルに足を取られ、

前のめりに転倒して、

肋骨を木の切り株に強打した。

暑い時だったなあ・・・

 歩き始めて間もなく、

最初の分岐が現れる。

この後4箇所分岐が現れるものの、

目にする支線は皆廃道となっていた。

林道は徐々に高度を上げ、

地形図上の「161m標高点」を過ぎて、

しばらく進むと下降し出す。

周囲の樹木の葉や下草が、

秋色に染まりつつある。

もう半月も経過したなら、

さぞかし美しい紅葉を楽しみながら、

楽しく歩けるだろう。

ただ、今日も大変楽しい。

林道には良い林道と、

つまらない林道がある。

つまらない林道というのは、

歩いていても周囲の風景に変化がなかったり、

両脇の植生が汚く感じたりする。

それに対して今日の林道は、

周囲の風景に変化があり、

植生も美しい。

歩いていて飽きが来ない。

 下降を始めた林道は、

下りきって「支トップ沢川橋」を渡った。

橋の上から沢を覗くと、

水が干上がって草に覆われていた。

「支トップ沢川橋」を渡ると、

今度は上昇を始め、

上空を走る送電線の下をくぐった。

送電線をこの後3度くぐることになる。

山の中で送電線を支える鉄塔などのような、

人工建造物を目にすることを、

嫌う人もいるだろう。

しかし私はそれが好きだ。

鉄塔の周囲や送電線の下は、

樹木が刈り払われて、

遠くまで見通すことができる。

また、二度目に送電線下をくぐった辺りからは、

今年の冬に登った「東望来山」の、

頂上部が見えていた。

 3度目に送電線下をくぐると、

林道は再びゆっくりと下降を始めた。

次なる沢に向かっているのだ。

この下りでは広い範囲が見渡せて、

それがなかなかの景観だ。

広く明るい林道が続き、

やがて「トップ沢橋」を渡った。

ここは橋を渡りきるとT字路となり、

最後に現れた支線林道も廃道だった。

 楽しかった林道も、

「トップ沢橋」を過ぎてからはつまらなくなり、

沢沿いからまた高度を上げ始めると、

美しさを取り戻した。

そして最後の詰めは、

林道を外れて藪漕ぎだ。

短い距離だがなかなかの濃さを誇る笹。

その中に標石が埋もれていた。

12時ちょうど、四等三角点「大地」

標石周りをきれいにしてやる。

 下山は林道に下ったあと、

100mほど戻ったところで藪に入った。

直線的に下って湖畔林道に当てる所存。

こが針葉樹林だったので、

「ラッキー!」と思ったが、

どっこい藪は薄くなかった。

けっこうな密度の笹と格闘を続け、

長く感じる300mほどの下りを辛抱して

ようやく湖畔林道に下り立った。

あとは1kmほどを歩き、

13時ちょうど、駐車地。

たかだか174mほどの三角点だが、

「大地」という点名はいいし、

長いが楽しい林道歩き。

いつか必ずまた訪れることになる、

と確信して帰途に着いた。

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