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2023.3.25 『清水峠』(557m)~『萌留山』(もえるやま・686m)  おめでとうHiromi!

 

 先週末の土曜日は、

また晴れの予報でラッキーな気分。

朝Hiromiを迎えに行って、

新十津川町南幌加に向かった。

空は晴れてラッキーなのだが、

どうもモヤがかかったような状態で、

遠くの山が全然見えない。

どうしたことかと思ったら、

黄砂なんだもなあ。

この前の日から黄砂の影響があると言われていた。

しかしまあ、近くの風景を眺めるには影響なしだ。

 南幌加より町道に入り、

「徳富ダム」を目指した。

もうこんなローカルな町道でさえ、

雪が融けて舗装路面が露出していた。

そしてダムの管理施設駐車場へ。

先行者の車が1台停まっており、

既にスタートした後だった。

 「徳富ダム」からは主に、

『徳富岳』(929m)に登られるようだ。

私も『徳富岳』には7度登っているが、

ルートはダムからではなく、

沢沿いから入って林道を利用するものだった。

またこのダムから結氷した「トップ瑚」を縦断し、

その後尾根に取り付いて、

『大滝山』(1,038m)に登ったことがある。

そして今回は「トップ湖」を横断して、

二つの三角点ピークを縦走することにした。

 9時10分、ダム管理棟横の駐車地を、

ツボ足でスタート。

かなり締まっていたので、

スノーシューを残置。

ダム湖に沿って伸びる林道を歩き出した。

広い「トップ湖」の風景を眺めながら歩く。

前方に湖を横断する橋が見えている。

このダムの建設工事が行われている最中に、

この橋の下を歩いたことがあったが、

その高さに驚き、

恐ろしさを感じたものだ。

今回はこの橋を利用せず、

結氷している湖を横断して、

対岸に渡るとにした。

そして適当なところから氷に乗った。

直線的に対岸を目指して歩く。

絶対に割れることはない、

と確信して歩くものの、

やはり氷の上を歩くのは落ち着かない。

そこで私が言った。

「ダムの管理者がいたら注意されるな」、

「ラーメンにかんじき!?」。

相変わらずこいつとの会話は、

全くかみ合わない。

ラーメン?

かんじき?

何の話しよ・・・

 落ち着かない気持ちのまま対岸に渡り、

沢形から尾根に取り付いた。

しかしこの尾根は方向が悪く、

最初に目指す「清水峠」から少々離れてしまった。

とりあえず尾根を詰めて乗っ越し、

「ケンノ沢川」に沿う林道に下った。

林道は蛇行して遠回りとなるので、

沢沿いを歩く。

すると大きなヒグマの足跡だ。

この朝我々とは逆方向に向かったようだ。

 沢はスノーブリッジを利用して、

何度か渡渉を繰り返し、

「清水峠」の広い尾根末端に取り付いた。

白樺一色の斜面を登って行くと、

突然前方が開け、

広い頂上大地に飛び出した。

11時05分、三等三角点「清水峠」

いい眺めじゃないか!

スタートしたダム施設が見えている。

 「清水峠」からはほぼ西に向かって、

平たんな500m大地を歩く。

しかし「平たん」とは言っても、

多少のアップダウンはあるもので、

それがけっこう堪える。

周囲の植生はは白樺が主で、

その中にトドマツが広い間隔で林立する。

なかなか雰囲気の良い美しい大地だ。

そして白樺の林を抜けると、

前方がまたまた突然開け、

純白の斜面が現れる。

この後は尾根の頭を歩いて、

一旦小ピークを過ぎて下り、

登り返して、

12時10分、三等三角点「萌留山」。

南方面には遮るものがなく、

誠高度感あふれる風景が広がる。

と、ここでHiromiのお祝いだ!

1,500回登山おめでとう!

Hiromiと知り合ってから、

今年で10年となる。

知り合ったときから記録し始めた山登りが、

この日節目を迎えた。

従って単純に考えても、

年間150回以上の山登りを続けてきたことになる。

日々激務に追われ、

ストレスをためながらよく頑張った!

 

 風を避けて昼食とした。

いつもの簡単な昼食を済ませて下山を開始。

長い500m大地をトップ湖へ向かう。

広くて方向を間違えやすいが、

そこは生まれついての勘を働かせて、

良い位置に下って林道に当てた。

そして湖に架かる橋を渡って横断。

午後の緩んだ氷の上を歩く気にはなれなかった。

湖面をショートカットせずに、

林道伝いに歩くと、

まあ無駄に蛇行して遠回りとなる。

それでもHiromiなんか、

へっちゃらでグイグイ湿雪を駆って歩くが、

こちらはヘロヘロとは言わないまでも、

くたびれっぱなし。

 14時30分、駐車地。

素晴らしい晴天の下、

楽しい山旅は終わった。

この後は車中泊の予定だったが、

疲れたので一旦帰宅し、

自分のベッドでゆっくり休むこととして帰途に着いた。

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2022.5.5 『知来岳』(ちらいだけ・988m)  いまだ豊富な残雪の稜線行

 GWの4日は雨模様のため、

休養日として午後石狩市浜益区に移動した。

そして御料地牧場の丘で車中泊とした。

この「御料地牧場」は、

この地域がかつて「浜益村」であった頃、

村営の牧場として、

広い牧草地に多くの牛を放牧していた。

それが経営破綻して、

その後はただ放置されたままのようだ。

放牧場の風景は広くて気持ちがいい。

車中泊地からは、

翌日に登る予定の『知来岳』が、

美しい姿を見せている。

 この日の夕方、

FacebookにKasaneが、

キジの写真をアップしたのを確認。

それを見たHiromiが、

「あっ、クジャクだ」と言った。

「バカだねえ、クジャクが北海道の山にいるかよ!?」

キジの件でちょっと気になったので、

Hiromiに質問してみた。

「桃太郎の鬼退治のおともはなんだったっけ?」

するととんでもない答えが!

「キジとサルと、あとは鳩だったかい?」

おいっ!!

恐れていた答えが現実に・・・

「鳩を連れてって、鬼が島を平和にしてくるのか!?」。

この記事を綴っている今、

このことを思い出すと、

女房がすぐそばにいるので、

笑いを押し殺すのが大変だ。

Hiromiは決して頭が悪いわけじゃないんだよ。

ただ頭のネジが数本、

正常ではないところについてしまっているだけ。

おかげで毎回会うたびに、

大笑いさせてくれて寿命が延びる~

冒頭から余談が長くなってしまった。

 5日の朝5時50分、

御料地牧場の駐車地からそのままスタート。

通常のルートは、

『知来岳』から南東に伸びる稜線を、

3kmほど下った地点から派生する尾根に、

林道途中から取り付いて登る。

しかし今回は最短ルートで登ることとした。

これが間違いだったのだが。

 牧場内の作業道から林道に入った。

この林道は以前はっきりしていたものだが、

もう人の手が入らなくなって久しく、

荒れ放題だ。

で、しょっぱなより問題発生!

林道に架かっていた橋がない!

大雨で流されてしまっていた。

こりゃ困った。

水量がけっこうなもので、

歩いては渡れない。

しばらく考えて倒木の上を歩くことにした。

一人なら最初からそうしているが、

Hiromiがもし落ちたら?

と考えると躊躇してしまう。

ストックを思い切り伸ばして、

慎重に渡って、「ホッ…」。

伸縮式のポールの最大の利点が発揮できた。

 荒れた林道を詰めて行くと、

樹木の向こうに『知来岳』の頂上部が見える。

そして途中で林道を離れて、

尾根に取り付いた。

ところがここからは予想以上に融雪が進み、

笹が結構な勢いで露出している。

笹をかき分け、シカ道を利用して登って行く。

尾根の上部から正面の急斜面を登って、

稜線に続く尾根にのるのだが、

それも雪がなく、

ブッシュが丸ごと露出して登れそうにない。

仕方なく右手の雪崩斜面でルートを探る。

もう落ちるものは全て落ちてしまっているので、

雪崩の心配はない。

雪渓を目で辿って行くと、

わずか一筋つながっている部分が見えた。

これを利用することにして、

アイゼンを装着。

急斜面を一歩一歩登って行く。

先を登る私が滑落した場合、

Hiromiを巻き込む恐れがあるので、

間隔を空けて着いてくるように指示をする。

しかしこいつは何度言っても、

すぐ後ろまで詰めてくる。

何度言ってもだよ・・・

 雪渓の斜度が増し、

足下も締まって氷状になってくると、

Hiromiが恐怖を感じだし、

もう打ち切って下山してもいいようなことを言い出したので、

脇のブッシュ帯に逃れて、

両手でブッシュをつかんで登るように指示した。

結果問題なくブッシュ帯を抜けて尾根上に出た。

背後には高度感あふれる風景が広がる。

と、そのとき前方を見ていた私の目に、

ヒグマの姿が飛び込んできた。

真っ黒の若いヒグマが、

50mほど先で我々と同じ側の沢形から、

フワッと躍り出た。

そしてまだこちらに気付かず歩いている。

こちらが鈴を鳴らしたことに驚き、

一旦立ち止まったので、

カメラを取り出そうとした。

するとその若いヒグマが、

一瞬こちらに向かってきた。

それで写真をあきらめ、

まだ気付いていないHiromiに声をかけた。

「Hiromi、ヒグマだ、静かにこっちに来い」と。

しかしHiromiは度胸が据わっているんだか鈍いんだか、

ほとんど反応がない。

それからそう長くはない時間、

鈴を鳴らし続けてにらみ合い。

するとヒグマは登ってきた方とは反対側の沢筋へと、

走って逃げて行った。

結局にらみ合いの末逃げていく、

というこれまでの経験通りだった。

しかし一瞬でもこちらに向かってくるというのは驚きだ。

まだ若いヒグマで好奇心が強かったのだろう。

 ルートの冒頭から藪漕ぎや雪渓の急登で、

もう結構疲労が積み重なってしまった。

腐りだした雪に飲まれて足が重い。

二か所で露出した笹を漕いだ。

そして広い稜線に上がると、

いまだ純白の増毛山地核心部が美しい。

そんな素晴らしい風景を眺めながら歩く稜線は楽しい。

稜線は『知来岳』に近付くにつれて狭くなり、

頂上手前では登山靴一足分に近い幅だ。

雪が半分腐っていたからよいが、

クラストしていたなら怖いところだ。

 10時05分、『知来岳』(ニ等三角点:知来岳)

そこに三角点標石が露出していた。

このピークに立つのは、

これが14回目だった。

しかし積雪期にしか登ったことがなかったので、

三角点標石を目にするのは初めてだ。

なんだか疲労困憊だが、

標石を確認できたことはよかった。

そして結局14回ここに立った中で、

最も長い時間がかかってしまった。

まあ、歳も歳だしねえ・・・

 頂上でパンを食べていると、

我々の後からやってきた男性単独行者が、

ゆっくりと上がってきた。

そして札幌からやってきたというその男性と、

しばらく話しをした。

この日出会ったのは、

この男性一人だけだった。

 下山は登行ルートを辿らず、

長い安全ルートを下ることにした。

長い稜線から見渡す素晴らしい風景を堪能し、

下降尾根にのったところ突然ピンテが現れ、

それが5~10m間隔で続いている。

ここもまたピンテの嵐だ。

誰がいったいどういう目的で、

必要以上に多くのピンテを付けて、

それを放置して下山するのか?

どうしても理解しがたいし、

到底納得できない。

ひところ猫も杓子も『知来岳』、

と言って登られた時期があった。

それが今は落ち着いたと思ったのに・・・

ピンテのデパートみたいなものを目にするのが不快なので、

尾根を外し沢形に下り、

沢伝いに下降して林道に出た。

あとは林道を歩いて御料地牧場へ。

 12時25分、駐車地。

最後のピンテは不快だつたが、

この日は天候が良く、

風も弱かった絶好の山日和だったことに感謝し、

帰途に着いて早い時間から、

Hiromiといつものように「反省会」。

 

 

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2022.4.17 『泥川』(459m)~『萌留山』(もえるやま・686m)  増毛山地の端で楽しむ

 この週末はHiromiが土曜出勤で、

その振替休日が月曜日となっていたので、

私もそれに合わせて休みを取っていた。

そして土曜の朝Hiromiを迎えに行き、

車中泊一泊の予定で、

石狩市浜益区を目指した。

 今回目指したのは、

三等三角点『萌留山』。

この山は増毛山地の『知来岳』から、

南東に伸びる稜線上にある。

稜線は新十津川町と石狩市の境界となっており、

『萌留山』は境界線より、

幾分石狩市側に位置する。

またこの稜線の新十津川町側は、

徳富川までの間が、

緩やかな丘陵地帯となっているのに対し、

石狩市側は急峻な傾斜が続く。

今回は国道451号線から入山し、

「泥川」(三等三角点)と合わせて、

周遊ルートとした。

 国道451号線を、

滝川方面から石狩市浜益区に向かって走ると、

浜益区御料地で、

絶妙な位置に駐車帯がある。

アスファルトの駐車帯は、

冬季も除雪して空けられている。

ここを駐車地として、

8時25分、ツボ足でスタート。

もう雪が締まって歩きやすい。

駐車地からすぐ目の前の小尾根に取り付いた。

まず三等三角点「泥川」を目指し、

その後尾根筋を伝って、

反時計回りで弧を描くように、

「萌留山」に向かう。

 スタートして間もなく、

地形図にはない林道が現れたので、

これにのって奥へと進む。

しかしこの林道は長くは続かずに消滅した。

それで尾根に上がって進む。

すると間もなく前方に、

「泥川」であろうと思われる塊りが見えてきた。

地形図では最後の詰めで、

等高線がかなり混んでいる。

 「泥川」の姿がしだいにはっきりするにつれ、

傾斜が増してゆき、

最後は転倒すると止まらないほどとなったので、

アイゼンを装着して登った。

9時40分、三等三角点「泥川」

そこからは北西方向に、

目指す「萌留山」が美しい姿を見せていた。

 「泥川」から南東方向に伸びる尾根にのり、

一旦下って細尾根を登り返した。

すると広い尾根に出た。

どこでも歩ける広い尾根を、

好きなように歩いて行く。

この日は午後ににわか雨が降る予報だったが、

この時点では青空が見えていた。

尾根は徐々に高度を上げてゆき、

10時20分、「594m標高点」。

広くてどこが最高標高点なのかわからなかったが、

偶然ドンピシャでその上に立っていた。

 「594m標高点」からは、

更に広い尾根を500mほど進み、

「萌留山」への稜線と交わると、

ほぼ90度向きを変える。

ここがちょっと思慮を要した。

どちらの尾根、稜線とも幅が広く、

果たして出合ったのが、

稜線なのか斜面なのかが判別つかず、

はじめは少し行き過ぎた。

 広い稜線はそのまま広い幅で続く。

北東方向に時折『徳富岳』が見える。

そしてここまで白樺とダケカンバ一辺倒だった植生に、

550から針葉樹が入るようになった。

すると前方に「萌留山」の頂上部が見えるようになる。

それに向かい、

Hiromiがガンガン先を行く。

もう写真を撮るのにギリギリの距離だ。

少し考えながら歩いてよねえ・・・

最後は樹木が切れ、

すっきりした稜線を歩いて、

11時40分、三等三角点「萌留山」

ここから目にする南側の風景が素晴らしい!

雄大ですごい高度感だ。

とても1000mに遠く及ばないピークからの眺めとは思えない。

ただ残念なのは、

重苦しい曇り空であること。

これが青空の下であったなら、

一層素晴らしい世界が広がったことだろう。

 下山は「萌留山」から南に下る尾根にのった。

樹木のない急な尾根を下ると、

地上に吸い込まれていくような感覚を覚える。

そして樹木が出てきたところで急斜面を下り、

沢形に下りて風を避けるように昼食とした。

その後はけっこう水量のある「泥川」に出て、

適当なところで渡渉し、

対岸の尾根を乗っ越した。

この後も次なる尾根を乗っ越し、

駐車地に近付けた。

この尾根を乗っ越すアルバイトを続けないと、

駐車地からかなり離れた位置で、

国道に下ることになる。

そうすると歩道のない国道を歩いて、

駐車地を目指さなければならなくなる。

それを避けるためのアルバイトだった。

 もう駐車地が近くなったころ、

樹林の奥にこの朝登った「泥川」が、

くっきりと見えていた。

この辺りにおいては小粒だが、

なんとも形の良い山だ。

 13時25分、駐車地。

Hiromiがこの日も、

「いやあ、今日も楽しかったなあ!

ありがとうございました!」

ここで天気予報をチェックすると、

どうも雨が降りそうなので、

一泊を中止して一旦帰宅することにした。

帰宅して改めて地形図を眺めると、

う~ん、いいルートだねえ・・・

 

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2022.4.10 『察来山』(さっくるやま・590m)  今年はいまだ雪がたっぷりだ~

 日曜日はHiromiと樺戸山地に出かけたのだが、

予定していた山へのアプローチにつまずき、

変更を余儀なくされた。

まあ、登る山はいくらでもあるので、

別に大した問題ではない。

すぐに移動して『察来山』に登ることにした。

私は昨シーズンもヤマッパーを連れて登っているが、

Hiromiは何年ぶりかな?

国道451号線を滝川方面から、

石狩市浜益区方向に走って行くと、

新十津川町南幌加を過ぎて、

「青山トンネル」を抜ける。

すると間もなく小さな「四番川橋」を渡る。

この橋の右手に林道の入口がある。

これがアプローチ地点となる。

この上空には送電線が走っており、

その保守管理のための車両用、

と思われる駐車帯が毎冬できている。

除雪車で数台が停められる面積を空けている。

従ってここは駐車の心配がない。

しかしこの朝そこに行ってみると、

いつも広く空けられているのに、

この度は車一台分のスペースしかない。

やはりこの冬は雪が多く、

除雪関係者も余分な作業をする余裕がなかったのだろう。

そしてこの日は誰もおらず、

一台分の駐車スペースを満たして、

9時05分、ツボ足でスタートした。

雪の表面が融けてザクザクだったので、

スノーシュー装着をとも考えたが、

いずれにしてもスピードは変わらない。

 林道をゆっくり歩いて行く。

相変わらずHiromiは速いのだが、

私はただでも遅いのに、

右ふくらはぎの肉離れ箇所が痛む。

更にザクザクの雪が鬱陶しい。

 林道を1.8km歩いた地点で、

林道分岐となる。

『察来山』へは通常この分岐を右に入るのだが、

私は分岐の間に突き出した尾根に取り付く。

そしてこの尾根を忠実に登る。

すると400で樹林を抜け、

ゆるやな疎林の大地に出る。

この頃になると、

上空を覆っていた雲が動き始め、

青空がどんどん広がりだした。

緩やかだった傾斜が斜度を増し、

前方の急登に耐えて登りきると、

巨大な雪庇を抱いた台形上の地形が目に飛び込む。

この風景こそこの山の魅力だ。

そして雪が多い!

例年この時期になる前の3月、

ここにはクラックやクレバスが現れる。

それも大変大規模に。

ところが今回は4月も中旬になろうとしているのに、

全くそんなところはなく、

純白の分厚い雪庇に覆われたままだ。

ここで春先のこのような風景は初めて目にする。

巨大な雪庇の上に上がると、

『神居尻山』から『ピンネシリ山』の山並みが、

実に迫力ある姿を見せる。

また、辺りの尾根の複雑なこと。

空はすっかり晴れ上がった。

素晴らしい風景を眺めながら、

巨大な雪庇の上を西から東へと歩き、

それが終息した地点で、

北に向きを変える。

すると前方に『察来山』の頂上部が現れる。

頭一つ飛びぬけた頂上だ。

急斜面を登るが、

雪が融けたところは笹の茎を握って登る。

そして11時10分、『察来山』(ニ等三角点:察来山)

ここは360度遮るもののない風景が楽しめる。

どの方向に目をやっても素晴らしいのだが、

特に純白の「増毛山地」の眺めがいい。

ただ、この日はなんだかモヤがかかったように、

薄ぼんやりとした空気が漂っており、

済んだ風景は望めなかった。

しかしHiromiも大満足。

二日連続の晴天の中で、

これまた二日連続のニ等三角点だ。

 風も弱いのでピークで素晴らしい風景を眺めながら昼食とした。

そして下山は同ルートを下る。

登路で晴れ始めた空は、

下山時かなり空気を透明化してくれた。

樺戸の複雑な尾根に、

吸い込まれるように下って行く。

林道に下ると更に雪が融けてザクザク度を増した。

これが結構な負荷となり、

もうくたびれて12時50分、駐車地。

ザクザクの林道歩きはきつかったが、

結局この日はこの山に登ってよかったと、

Hiromiともども大満足して帰途に着いた。

そしていつもの「反省会」!

今週もいい週末だったねえ~

 

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2021.9.11 『丸山』(当別・500m)  残念! 三角点を素通り・・・

 

 今朝Hiromiを迎えに行き、

当別町青山に向かった。

そして道々28号線から、

国道451号線に入り、

浜益方面に3kmほど走った地点で、

「村田の沢林道」入口に到着した。

しかしここには牧草地があるものの、

人が所有する土地なので、

勝手に駐車するわけにはいかず、

林道入口から浜益方面へ、

更に400mほど走った地点左側に、

車一台を停められるスペースを見つけて駐車した。

 9時20分、駐車地をスタート。

国道を歩いて林道に向かうが、

今朝は一台の車も通らなかった。

この国道が舗装されたのは、

私が高校生の頃だったか?

中学生の頃までは、

当時住んでいた滝川市から浜益まで、

海水浴のたびにバスにゆられて、

砂利道を走ったことを思い出す。

 9時30分、「村田の沢林道」チェーンゲート。

入林届けに記載して入山。

林道にはいきなり大きな水たまりだ。

これは汚い林道だ、

と思ったがそれはほんの最初だけで、

あとは砂利が敷かれた歩きやすい路面だ。

そして一週間のストレスを、

全てこの山に吐き捨てて行こうとするHiromiは、

ワクチンの二回目接種を終えたばかりだから、

急激に心拍数を上げるな、

と言う私の助言なぞ聞く耳持たずで、

ガシガシ歩いて見えなくなってしまう。

それに対しこちらはやがて背後に姿を現す、

北の『別狩岳』(726m)が気になって仕方がない。

遠目でもなんとか植生を探り、

藪漕ぎで登れないかと目を凝らす。

 Co.460で植林用の刈り分けが現れ、

頂上方向に向かっていたので、

一旦これにのって歩いてみた。

しかしいくらも進まないうちに、

笹に飲み込まれてしまった。

そして林道に戻ったところで小休止。

それに気付かずHiromiは行ってしまった。

私はザックをおろして水を飲む。

と、10mほど前の笹薮で、

突然バキバキッ!

反射的に声を出した。

「おうっ!」。

その気配がヒグマであるからと直感したからだ。

すると動きがピタリと止まった。

エゾシカならばこちらの気配を感じると、

バンバン跳ねて逃げて行く。

そこに潜むのは間違いなくヒグマだ。

ザックを背負い速やかにその場を離れた。

すると私の声を聞き、

自分の進む方向が間違っていたかと、

Hiromiが戻ってきた。

すぐにヒグマの存在を知らせ、

そのまま先に進んだ。

10時40分、間もなく林道を外れて、

三角点を目指して藪に入る地点に達したが、

濃い笹に躊躇してまずは様子見。

すると笹に腕が擦れて少し出血した。

ヒグマが潜んでいた場所からはまだ遠くない。

犬の50倍の嗅覚をもつとされるヒグマを、

この血の匂いで興奮させるわけには行かない。

今日は三角点に立つことを諦め、

そのまま林道を進み、

周遊して戻ることにした。

その後林道は草が生い茂っていたものの、

最後まで歩く分には問題なく、

12時ちょうど、林道ゲート。

12時10分、駐車地。

このルートで10km弱の歩行だった。

 今日は一泊の予定で出かけたが、

どうも最初から気持ちがのらず、

ヒグマとの接近遭遇で三角点を諦め、

更にやる気をなくしてしまったので、

一旦帰宅して明日近場へ出かけることにした。

まあ、こんな日もあるさあ・・・

 

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2021.3.12 『察来山』(さっくるやま・590m)  素晴らしい天候の下の雄大な風景を楽しむ

 今日は久しぶりにMachikoを案内して、

『察来山』に登ってきた。

Machikoの希望を尋ねて、

この山に決めたわけではないが、

現地集合で顔を見るなり、

「この山に登りたかったんです」

それはよかった。

 『察来山』は大変見晴らしがよく、

増毛山地の展望台でもある。

昔は人に出会うこともなかった山だが、

5~6年前くらいにずいぶん、

人の姿や痕跡を見る時期があった。

インターネットかガイドブックの影響だろう。

しかし一通り皆が登ってしまうと、

また静かな山に戻った。

 『察来山』へのアプローチは、

国道451号線を滝川市から、

石狩市浜益区に向かって車を走らせ、

「青山トンネル」を過ぎて500mほど走った地点の、

送電線の鉄塔が建つ林道入口となる。

この入口は毎年広く除雪してあるのだが、

今朝行ってみると車2台が、

縦列で止められるスペースしか開いていなかった。

この冬は積雪が多かったので、

除雪に余裕がなかったのだろう。

通常は送電線の維持管理用車両が入るために、

広く開けているのだと推測する。

 8時35分、スノーシュー装着でスタート。

足下はモナカ雪で少々歩きにくい。

歩き始めてすぐの針葉樹林を抜けると、

突然前方に目指す山並みが目に入る。

純白の崖状地形が美しい。

林道にはほんのかすかに、

人のトレースが残っている。

やはり今はめったに人が入らないようだ。

 林道を2km近く歩いて、

右手の尾根に取り付いた。

この尾根を挟んで反対側に林道が続いており、

これを忠実に登って行くと、

最後の登りの基部まで到達できる。

しかし林道ゆえ歩行距離が長くなる。

尾根は急な傾斜を登って、

地形図上の「334m標高点」を通る。

そしてCo.350で林道と交差し、

そのまま直線的に上を目指す。

林道との交差後しばらくは、

ゆるい傾斜の広々とした斜面を登っていくが、

Co.450から500までの間は、

転倒すると流されるほどの傾斜となる。

しかしこれを登りきると、

純白の長い崖状尾根は近い。

この崖の上の尾根は500mも続く。

その上を歩きながらの景観がすごい迫力だ。

東から南、そして西への展望を遮るものがない。

Machikoもこの眺めにはたまげたようだ。

いくら眺めても見飽きることのない景色をあとに、

いよいよ最後のひと登りが待っている。

標高差30mほどの頂上部だが、

傾斜がきついので気が抜けない。

それでもMachikoもスノーシューで登りきった。

10時40分、『察来山』(二等三角点:察来山)

東の新十津川町方面はよく見えているが、

増毛山地がガスに隠れて、

スッキリとは見せてくれない。

それでも言いようのない素晴らしい眺めだ。

Machikoは朝から写真撮りまくりだ。

それをまたたくさんSNSに投稿するんだぜ!

多すぎるっちゅうの!

 頂上を後にして風に当たらないところで、

早めの昼食とした。

Machikoは今日も丁寧な弁当持参だった。

下山の急斜面を私はスノーシューで滑り、

Machikoは迷わず尻滑り。

昼ともなると気温が上がって、

足下の雪が湿って重い重い。

山中での登下降より重い雪の林道歩きに疲れる。

12時35分、駐車地。

山は晴れりゃあ100倍楽しい!

そんなフレーズがぴったりの『察来山』に、

Machikoも満足した様子で帰っていった。

 

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2020.4.18 『知来岳』(988m)  黄砂の影響がない春

 週末の金曜夕方Hiromi を迎えに行き、

石狩市浜益に向かった。

もう随分日が長くなったので、

夕方からの移動も気が楽になった。

浜益の御料地から農道、

そして林道へと入って行くのだが、

もう平地の雪がすっかり融けて、

冬季より随分奥まで車で入ることができる。

林道を2kmほど進んだ地点の分岐そばで車中泊とした。

 

そして翌土曜の朝うつらうつらしていると、

林道を走り抜ける車の音がした。

時刻は5時ころか。

随分早く登る人がいるんだな、

と感じつつまた眠りについた。

その後6時に起床するといい天気だ。

7時05分、車中泊地をスタートした。

しばらくは林道に雪がない。

そして残雪が現れると、

この朝車で入って行った、

先行者の車が停められていた。

我々より2時間ほど前にスタートしたと思われた。

その後沢との合流地点をを迎え、

ここが尾根への取り付き点となる。

辺りを見回すと残雪が非常に少ない。

もう沢を渡って尾根に取り付くには、

ギリギリのタイミングだ。

小沢は沢幅のわりに水量が多いので、

渡渉に失敗したら大変だ。

私はは数年前この渡渉に失敗して、

靴中を濡らし予定を変更したことがある。

しかし今回は二人とも難なくクリア。

渡渉が終わると尾根の頭を目指して登るのだが、

もうほとんど雪が融けて頑強な笹が剥き出しとなり、

雪渓をつなぐのがなかなか大変だ。

それでも今回はなんとかつないでこれもクリア。

一週間後はもうダメだろう。

広い尾根の頭に上がると、

雪はたっぷりな量に増え、

締まり具合も十分なので快適に歩を進める。

今日もHiromi は快調だ。

先へ先へと歩を進めていく。

そしてCo.650で樹林を抜けた。

それからは遮るもののない世界へ!

まずは目の前のコブに上がる。

このコブは独立したものではなく、

『知来岳』へと続く稜線の一部に過ぎない。

辛抱して急登に耐え稜線に上がると、

一気に360度の大展望が広がる。

どちらを眺めても素晴らしい風景だが、

特に純白の増毛山地核心部が美しい。

この春は中国大陸からやってくる、

黄砂の影響が少なかったため、

残雪が白いままなので、

この時期としては珍しいくらい美しい。

いいときに登ったと実感しながら、

稜線上を西の『知来岳』を目指して歩を進める。

稜線上には深いクレバスが、

大きく口を開けているところがあり、

その深さに少々緊張させられる。  

稜線はやがて一旦南に屈折し、

Co.930で再び西向きとなる。

そしてここからは前方に、

『知来岳』の見事にピラミダルな山容が、

否応なく目に飛び込んでくる。

思わず「素晴らしい」と声が出てしまう瞬間だ。

現にこのときもHiromi が、

その姿を目にして「おおーっ!」と声をあげた。

さて、快適で楽しい稜線歩きは、

ここからが核心部で緊張の連続となる。

ナイフリッジが出てくるため、

Hiromi にアイゼンを装着させる。

ナイフリッジはその幅が靴幅の部分もあり、

かなりの緊張感だ。

そして今回はそんな危険箇所が随分多い。

これは小雪で稜線の残雪が痩せ細っているからだ。

なんとか無事に全てをクリアして、

10時15分、『知来岳』。

頂上もまた面積が狭く、

いつものような安定した安らぎは得られない。

と、ここで先行者のアイゼンを装着したトレースが、

このピークを越えて『奥徳富岳』へと向かっていた。

 

その姿を肉眼で捉えようとしたが、

とうとう見つからなかった。

いやあ、たいした健脚者だ。

落ち着かない頂上には長居せず、

危険箇所を早々にクリアすべく下山を開始した。 

また緊張感を高めて一歩一歩進む。

そしてそれらを全てクリアして早めの昼食とした。

このときToshi からLINEが入り、

同山域の『浜益岳』を下山中とのこと。

その後淡々と下って、

12時50分、駐車地。

Hiromi と二人、今日はこの山に登って本当によかったと、

心より満足して浜益温泉に向かった。

私にとって14回目、Hiromi にとっても4回目の『知来岳』が終わった。

浜益温泉に行くと、

営業が20日から5月6日まで休業に入るとのこと。

新型コロナウィルスの影響によるものだ。

今後は山に出かけるのも、

入浴施設の営業状況を調べてからでなくては、

出かけられなくなった。

温泉で汗を流したあとは『神居尻山』の麓で、

冷たいビールを喉に流し込んだ。

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2020.3.28 『613m峰』(点名:泥川奥)~『621m峰』  増毛山地の南端を歩く

 この週末は北の『別狩岳』の新ルートを開拓すべく、

土曜の朝Hiromi を迎えに行き、

当別町青山地区に向かった。

そして予定の林道入口に到着するも、

まだ雪がびっしりで駐車スペースを確保できない。

路肩に駐車する気にはなれないので、

仕方なくそこを通り過ぎ、

「しょうがないから知来岳に登ろう」と、

所定の駐車地に向かった。

到着して運転席のドアを開けてビックリ!

強風でドアが持っていかれた。

ドアの取っ手から手を離していたら、

強風の勢いでドアの根本が損傷したかもしれない。

麓でその状態だから、

上部は強風で歩けないことが予想される。

それで高度を下げるべく、

少し戻って表題の二山に登ることにした。

『613m峰』には昨年の同時期に登っているが、

『621m峰』は初登となる。

この両山へのアプローチは、

浜益川に沿って走る林道のゲートからとなる。

このゲート前は広く除雪されている。

林道ゲート前に着いて準備を始めようとすると、

Hiromi が横になったまま起きようとしない。

実は前日から体調がすぐれない旨申告があった。

そして車に残って寝ていると言うので、

一人で入山することにした。

Hiromi は体調がいいか悪いか両極端で、

真ん中がないのが不思議だ。

 

 9時10分、林道ゲートをスタート。  

そこそこ雪が締まって歩きやすくなった林道を、

スノーシューで快適に進む。

雪面にはスノーモビルの古いキャタピラ痕が残っていた。

ゲートから1kmほど歩いて、

古い作業道を伝って尾根に取り付いた。

昨年の記憶が残っているので、ルート取りは容易だ。 

樹林帯の急登に耐えて登っていくと、

一旦尾根は平坦となり、

その先で樹木がまばらとなると、 

正面に『613m峰』への壁のような、

斜度のきつい斜面が現れる。

スノーシューを外してザックに装着する。

そしてストックを短くして一歩一歩登っていく。

雪面はまだモナカ状の雪質なのでアイゼンは必要ない。

背後には増毛山地と浜益の風景が広がっていく。

一歩一歩歩を進め、

11時20分、三等三角点「泥川奥」。

ここから見る風景が素晴らしい!

ただこの日は雲が多く、

増毛山地の上部にガスがかかっていたので、

輝かしい山岳風景とはいかなかった。

それに風が強い!

『知来岳』をやめてよかったと、

あらためて納得した次第。

小休止のあとは『621m峰』に向かう。 

そのピークは南東方向に見えている。

途中風の来ないところで簡単な昼食を摂った。

そして『621m峰』へ。

12時ちょうど、『621m峰』。

このピークに点名はない。

こちらのピークからは先ほど見えなかった、

『徳富岳岳』~『833m峰』が近い距離に見える。

更にすぐそばに『察来山』と、

その奥には『富士形山』~『鷲峻山』~『小鷲峻山』がきれいに見えていた。

ちょっと足をのばしただけなのに、

目にする山々の風景の新鮮なこと! 

う~ん、満足~っ!

誠に豊かな気持ちで下山を開始した。

下山は上から目で追って確認したルートを下る。

それは登路に利用した尾根の一本南側に当たる。

もう融けだした雪面を淡々と下り、

小沢の渡渉を繰り返し、

林道のゲートに近い位置に当てた。

13時25分、駐車地。

かたずけをし始めると、

Hiromi が真っ赤な目をして起き出してきた。

こいつ大丈夫かよ!?

 

 

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2020.1.19 『鷲峻山』(しすんやま・505m)  中途半端な雪に苦しむ

 新十津川町の『鷲峻山』と『小鷲峻山』は、

その南西に位置する『察来山』(590m)の頂上から見ると、

二つ並んだ美しい姿を確認することができる。

まるで親子のようなその姿には微笑ましささえ感じ、

両山への登行意欲を掻き立てられる。

そしてこの両山に登る予定を立てたのは3年ぶりか?

 日曜の朝7時20分、国道451号線の新十津川町吉野地区から入山した。

ルートは頭の中に入っている。

ただ積雪が少ないので、

特に『鷲峻山』~『小鷲峻山』間での笹の影響が心配される。

スタート時の気温が-12℃。

呼吸をすると鼻の奥に痛みを感ずる。

スタートしてちょっと複雑な地形から、

小沢を越えると林道が現れる。

既に廃道となってから時が経つこの林道は、

地形図に示されていない。

地形図では林道をまたいだ辺りから急斜面に取り付き、

そのまま北に向かって登って行くと『鷲峻山』に至るが、

どっこい実際の尾根は複雑で、

なかなか思うようには進めない。

今回は荒れた林道を利用して、

『鷲峻山』から西に伸びる尾根に取り付いて登ることにした。

それを利用するのも長くは続かないが、

林道は利用しないよりは楽に歩を進められる。

林道歩きは長く続かず、

500mも進むと右手に作業道が現れるので、

それを利用して尾根に取り付いた。

全くの勘で取り付いた尾根だが、

以前この尾根を利用して登った記憶があった。

ほとんど覚えてはいないが。

あとは尾根を忠実に登っていく。

すると尾根は北向きから東向きに変わり、

背後に『察来山』や『富士形山』が見え出すと、

正面に『鷲峻山』の頂上部が現れる。

ラッセルを交代しながら、一歩一歩近付いていく。

そして頂上直下に達すると急斜面ゆえ、

しっかりとしたルートファインディングが必要となる。

Hiromiの訓練として先に行かせた。

西斜面は日が当たる表面がカリカリで、

その下はサラサラの粉雪、

つまりモナカ雪ということで、

この登りには苦労させられた。

四苦八苦して西斜面から南尾根にのった。

しかし通常ルートと思われるこの細尾根が、

中途半端な雪に加えモナカ雪だから癖が悪い。

Hiromiが何度もスノーシューごと流されて、

それをまた登り返す。

うんざりしてリタイアしたそうなHiromiにハッパをかけて登る。

ジリッジリッとひじょうにゆっくり

そして9時40分、『鷲峻山』(二等三角点:西徳冨)。

このピークに立つのは三度目だが、

今回が最もきつかった。

それで先の『小鷲峻山』に進むのを中止し、

そこから下山することにした。

『小鷲峻山』を中止した理由はもう一点。

私の登山靴とスノーシュー(タブス)の相性が悪く、

少し歩くとすぐに外れてしまい、

それが右左と繰り返されるものだから、

もうストレスが溜まってやってられん、というわけ。

ただ天気に恵まれたので、

頂上から見る風景をじっくり観察した。

そして目にする未踏の山への登行意欲が掻き立てられる。

そんな風景を満喫して下山を開始した。

下山はほぼ南へ尾根を直線的に下った。

ただ、前述のように地形図からは読みきれない地形の複雑さがあり、

勘で進路や尾根の乗り換えを決めるしかない。

幸いなことに我が勘は冴えており、

最後は急斜面を下って登路のはじめで、

小沢から林道に上がった地点に当てた。

あとは我々のトレース上を楽に歩いて、

11時05分、駐車地。

予定の二山を縦走することはできなかったが、

まあ疲れた山行だった。

いつものように帰宅後Hiromiと「サイゼリヤ」で反省会!

 

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2020.1.18 『丸山』(当別・500m)  時間切れリタイア

 今回の週末は滝川市に所用があったので、

久しぶりに樺戸山地を訪れることにした。

早朝家を出てHiromiを迎えに行く途中、

珍しい光景を目にした。

馬追丘陵の向こうから、

太陽の光が天に向かって柱状に立ち上がっていた。

 

17日に空知地方で結構な降雪があったことを、

天気予報で聞いていたが、

土曜の朝Hiromiを拾って現地に出かけてみると、

まだまだ少雪の状態は変わらなかったものの、

新十津川町の国道451号線沿いは、 

どこも大量に降り積もった雪を除雪したばかりで、

駐車スペースを確保できない。

それで当初の予定を諦め、

第二案、第三案に移動してみるもダメ。

それじゃあ仕方ないと、

『丸山』まで走って駐車地へ。

『丸山』の南側の国道451号線沿いに林道入口があり、

どういうわけか毎年除雪されていて、

車数台が駐車できる。

ただここに駐車して登る登山者はいない。

インターネットを見ても、

全て西側の頂上まで続く林道を利用するものばかり。

しかし積雪期であるのだから、別ルートから登りたい。

数年前のGWにここから登ったことがある。

そのときは残雪をつないで登ったが、 

今回は雪がたっぷりある。

ところが・・・

10時10分、遅くなった駐車地をスタート。

そしてすぐに直感した、

「これは時間が足りなくなる」と。

この1~2日でたっぷり降り積もった雪が、

一歩一歩スノーシューを深く飲み込む。

今回のルートは『丸山』の東斜面に続く尾根筋を詰めていく。

地形図は見ていなかったが、

過去の経験から勘でルート開拓できると直感していた。

 

尾根はアップダウンを繰り返しながら、徐々に高度を上げていく。

この尾根は時に笹に包まれ、

また細尾根の厳しい状況に追い込まれることもあった。

従って深雪だけではない条件で、さっぱりスピードが上がらず、

タイムリミットが迫ってくる。

そして正午、Co.350 で撤退を決めた。

昼食タイムをとって下山開始。

深雪に苦しめられた登路の尾根筋も、

トレースを辿る下山は楽なもの。

13時15分、駐車地。

急ぎ片付けを済ませて滝川に向かった。

 滝川での所用、それは昨年の二月に亡くなられた、

我が恩師の奥さんを訪ねること。

奥さんは昨年12月、82歳になられた。

昨秋以来の訪問であったが、まだ一人で元気に暮らしておられる。

いうものように、トイレットペーパーとボックスティッシュを届けた。

しばし奥さんはの話しを聞いておいとましたが、

この先も元気で長生きしていただきたいと願うのみだ。

最期に、奥さんは亡くなられた恩師の教え子であるとともに、

私の陸上部の大先輩でもある。

 

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