明日15日、臨時国会が始まる。
独裁的暴走を続ける、安倍内閣と取り巻く輩を、如何にして止めることが、
大切な国会である。
大手メディアが、現内閣を後押しするかのような報道のなかで、
しっかり、国会論戦に注目し、政への関心が求められている時、
無関心時代へ別れを告げ、全ての国民が、生き抜くための未来を取り戻す
時代となった。
日本の国政史上、もっとも大切な2013年の臨時国会となる。
下記の原稿は、東京新聞(TOKYO WEB)から全文転載となる。
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【社説】
週のはじめに考える 緊張感のある国会に
2013年10月13日
臨時国会が十五日から始まります。
衆参両院の「ねじれ状態」が解消して初めての国会です。
はたして、実りある論議が繰り広げられるでしょうか。
多数を占める与野党が衆参両院で入れ替わり、ねじれ国会に陥ったのは、
近年では二〇〇七年参院選後と一〇年参院選後でした。
前者では自民党が、後者では民主党がそれぞれ惨敗しました。
国会がねじれてしまうと、政府が提出した予算案や法律案が野党の反対で通りにくくなる。
そこから「決められない政治」という批判も湧き起こりました。
◆政府与党の思うまま?
たしかに与野党が対決するばかりで、何も決まらないのは困った事態です。
しかし一方で、だからこそ徹底的に議論を尽くし、熟慮を重ねるというメリットがなかったわけでもありません。
逆に、今回はねじれ解消で「決められる政治」が復活するから、いいことなのでしょうか。
政府が提出する法律案に野党が反対しても、結局は与党多数ですいすいと可決成立していく。
これでは、こう着状態に陥りがちだった政治の機能が復活したように見えて、
肝心の「議論する国会」という使命が損なわれてしまう懸念があります。
政府・与党の思い通りに政治を動かしていいのか、という問題です。
今度の国会には、それでなくても重要法案が山積みです。
たとえば産業競争力強化と国家戦略特区。アベノミクス第三の矢の成長戦略を具体化する法案です。
それに社会保障制度や国家公務員制度の改革法案、国家安全保障会議(NSC)設置法案。
こうした法案の中には当然、野党が反対する内容も含まれているでしょう。
報道の自由に密接に関係している特定秘密保護法案については、私たち新聞としても強い懸念を抱かざるをえません。
◆問われる野党の議論力
国会で議論されても、最終的には政府案が成立する見通しがあるために、
政治の動きに敏感な官僚の中には早くも「勝負は閣議決定まで」とみる向きもあります。
政策の概要を閣議決定してしまえば、後は法案にまとめて国会に提出すれば自動的に成立する、
と踏んでいるのです。
すると何が起きるか。問題点が本当に議論される舞台は国会ではなく、
政府の内部という話になってしまう。
国会の形骸化です。
すでに兆候は表れています。特定秘密保護法案の扱いについて慎重姿勢だった公明党が軟化した結果、
法案が成立する見通しになったと一部で報じられました。
具体的にどう軟化したのか判然としませんが、まだ国会が始まってもいないのに、
連立政権の与党である公明党の出方次第で法案の成否が決まってしまう。そういう展開なのです。
政府内の議論というのは、新聞記者でも完全に把握するのは至難の業です。
密室の協議であって公開されているわけではありませんから、政策を実際に手掛けている官僚とか
事情に通じた政治家を情報源にもたなければ、真の問題点がなかなか分かりづらい。
それどころか、ようやく「発掘」した官僚から話を聞いて、法案の中身を事前報道すること自体が、
結果的に政府案の既成事実化にもなりかねません。
与党内で法案の命運を握る公明党の役割は、これまでにも増して重要です。
それ以上に、もちろん野党の責任も大きい。少数派とはいえ、ここは野党の議論力に期待したい局面です。
ところが野党の様子をみると、どうも心配になります。民主党や日本維新の会、みんなの党の議員たちが
集まって野党再編を視野に話し合ったかと思えば、みんなの党は内紛騒ぎが報じられています。
国会開会を直前に控えて、足並みがそろっていません。
野党議員たちのエネルギーが野党再編話に吸い取られているのだとしたら、
政府・与党と核心に迫る政策議論はどうなるのか。期待できなくなってしまいます。
法案以外でも、消費税引き上げや福島第一原発の汚染水、東京電力の経営問題、
環太平洋連携協定(TPP)交渉の行方など、国民が国会論議を通じて知りたい問題はたくさんあります。
消費税については、来年四月に増税しても本当に景気は大丈夫なのか。汚染水について安倍晋三首相は
「コントロールされている」と言いましたが、その後も事態は悪化するばかりではないのか。
TPPもコメをはじめとする重要五項目の扱いはどうなるのか。
◆先に結論ありきでなく
ねじれが解消したからといって、先に決着点ありきで、与野党が形ばかりの対決を演じるようでは困ります。
ここはぜひ、国民の代理人にふさわしい緊張感あふれた真剣な議論を望みます。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013101302000132.html
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独裁的暴走を続ける、安倍内閣と取り巻く輩を、如何にして止めることが、
大切な国会である。
大手メディアが、現内閣を後押しするかのような報道のなかで、
しっかり、国会論戦に注目し、政への関心が求められている時、
無関心時代へ別れを告げ、全ての国民が、生き抜くための未来を取り戻す
時代となった。
日本の国政史上、もっとも大切な2013年の臨時国会となる。
下記の原稿は、東京新聞(TOKYO WEB)から全文転載となる。
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【社説】
週のはじめに考える 緊張感のある国会に
2013年10月13日
臨時国会が十五日から始まります。
衆参両院の「ねじれ状態」が解消して初めての国会です。
はたして、実りある論議が繰り広げられるでしょうか。
多数を占める与野党が衆参両院で入れ替わり、ねじれ国会に陥ったのは、
近年では二〇〇七年参院選後と一〇年参院選後でした。
前者では自民党が、後者では民主党がそれぞれ惨敗しました。
国会がねじれてしまうと、政府が提出した予算案や法律案が野党の反対で通りにくくなる。
そこから「決められない政治」という批判も湧き起こりました。
◆政府与党の思うまま?
たしかに与野党が対決するばかりで、何も決まらないのは困った事態です。
しかし一方で、だからこそ徹底的に議論を尽くし、熟慮を重ねるというメリットがなかったわけでもありません。
逆に、今回はねじれ解消で「決められる政治」が復活するから、いいことなのでしょうか。
政府が提出する法律案に野党が反対しても、結局は与党多数ですいすいと可決成立していく。
これでは、こう着状態に陥りがちだった政治の機能が復活したように見えて、
肝心の「議論する国会」という使命が損なわれてしまう懸念があります。
政府・与党の思い通りに政治を動かしていいのか、という問題です。
今度の国会には、それでなくても重要法案が山積みです。
たとえば産業競争力強化と国家戦略特区。アベノミクス第三の矢の成長戦略を具体化する法案です。
それに社会保障制度や国家公務員制度の改革法案、国家安全保障会議(NSC)設置法案。
こうした法案の中には当然、野党が反対する内容も含まれているでしょう。
報道の自由に密接に関係している特定秘密保護法案については、私たち新聞としても強い懸念を抱かざるをえません。
◆問われる野党の議論力
国会で議論されても、最終的には政府案が成立する見通しがあるために、
政治の動きに敏感な官僚の中には早くも「勝負は閣議決定まで」とみる向きもあります。
政策の概要を閣議決定してしまえば、後は法案にまとめて国会に提出すれば自動的に成立する、
と踏んでいるのです。
すると何が起きるか。問題点が本当に議論される舞台は国会ではなく、
政府の内部という話になってしまう。
国会の形骸化です。
すでに兆候は表れています。特定秘密保護法案の扱いについて慎重姿勢だった公明党が軟化した結果、
法案が成立する見通しになったと一部で報じられました。
具体的にどう軟化したのか判然としませんが、まだ国会が始まってもいないのに、
連立政権の与党である公明党の出方次第で法案の成否が決まってしまう。そういう展開なのです。
政府内の議論というのは、新聞記者でも完全に把握するのは至難の業です。
密室の協議であって公開されているわけではありませんから、政策を実際に手掛けている官僚とか
事情に通じた政治家を情報源にもたなければ、真の問題点がなかなか分かりづらい。
それどころか、ようやく「発掘」した官僚から話を聞いて、法案の中身を事前報道すること自体が、
結果的に政府案の既成事実化にもなりかねません。
与党内で法案の命運を握る公明党の役割は、これまでにも増して重要です。
それ以上に、もちろん野党の責任も大きい。少数派とはいえ、ここは野党の議論力に期待したい局面です。
ところが野党の様子をみると、どうも心配になります。民主党や日本維新の会、みんなの党の議員たちが
集まって野党再編を視野に話し合ったかと思えば、みんなの党は内紛騒ぎが報じられています。
国会開会を直前に控えて、足並みがそろっていません。
野党議員たちのエネルギーが野党再編話に吸い取られているのだとしたら、
政府・与党と核心に迫る政策議論はどうなるのか。期待できなくなってしまいます。
法案以外でも、消費税引き上げや福島第一原発の汚染水、東京電力の経営問題、
環太平洋連携協定(TPP)交渉の行方など、国民が国会論議を通じて知りたい問題はたくさんあります。
消費税については、来年四月に増税しても本当に景気は大丈夫なのか。汚染水について安倍晋三首相は
「コントロールされている」と言いましたが、その後も事態は悪化するばかりではないのか。
TPPもコメをはじめとする重要五項目の扱いはどうなるのか。
◆先に結論ありきでなく
ねじれが解消したからといって、先に決着点ありきで、与野党が形ばかりの対決を演じるようでは困ります。
ここはぜひ、国民の代理人にふさわしい緊張感あふれた真剣な議論を望みます。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013101302000132.html
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