ケルベロスの基地

三本脚で立つ~思考の経路

BABYMETAL探究(2015年がゆくよ・感)

2015-12-29 01:07:46 | babymetal
横アリ参戦記が、なかなかうまくまとまらない。苦労している。

書きたい細部がたくさんあり過ぎて、その取捨選択がうまくできないのだ。
新横浜駅地下の、娘と一緒に寄った昼食のうどん屋でのメニュー(温玉うどんとかきあげ)まで書こうとしてしまい、これはさすがに要らんだろ、と消すと、”あの日”のディティール・雰囲気が損なわれたパサパサのレポートになりさがり…と、行ったり来たりを繰り返している。

年末年始はネット環境のないところ(故郷の山国)に籠るので、今回で今年の更新は最後になるのに…。

仕方がないので、横アリ参戦記は、年明けに再開することにして、今回は、2015年の終わりにあたっての偶感を記しておくことにする。

今年の2月から、それなりに(…狂ったように?)一所懸命にこのブログを書き綴ってきた身としては、いちおう、それなりの「締め」はしておきたいのだ。

去年の今ごろのBABYMETAL環境を考えると、信じられない思いがつのる。だって、去年の今ごろは、音盤はまだスタジオ盤『BABYMETAL』1枚しかなかったのだから
日々、どうやって過ごしていたのか、今となってはほとんど想像もつかない。
1月にライヴ盤「RED NIHGT」がリリースされて以来、この1年間はほとんどライヴ盤を聴きこんできたことになる。
(12月13日の横アリでの”お告げ”以前には)「ニューシングル、ニューアルバムが出ないのか?」とか、「さすがに飽きるぞ」、という類の書き込みを、あちこちでちょこちょこ目にしたこともあったが、とんでもない。

音盤だけでも、実にたっぷりと楽しんだ1年だった。
まったく飽きるはずもない濃厚な1年だった。

2015年に入手した正式リリース(The One限定も含む)の音盤は、
・RED NIGHT
・BLACK NIGHT
・LONDON FORUM
・LONDON BRIXTON
・新春キツネ祭り
の5種類もある。
1年前を考えると、何と贅沢なことよ!

音像としていちばん好みなのは、(このブログでも何度も書いたが)「BRIXTON」盤なのだが(だから、通勤の際に、「よし!」と気合を入れるためには、これの「紅月」か「イジメ」かが圧倒的に多い)、しかし、最近最も愛聴し、しばしば鳥肌を立てているのは、「新春キツネ祭り」盤だ

音像は、ややシャリシャリしている感じで、最高!とは言うには少し抵抗があるのだが、何といっても観客席との一体感が素晴らしいのだ。泣ける!のだ。
今朝も、出勤途中に歩きながらウォークマンで聴いていて、「ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト」で涙が滲んできた。

そう、「ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト」で!

これも、1年前には考えられないことだ。
もちろんこの曲も最初から大好きな曲で、BABYMETALに遭遇した最初期に、この楽曲の歌詞と舞踊との所為(おかげ!)で、BABYMETAL魔宮に入りこんでゆくことになったのは確かなのだが、それにしても、この曲をウォークマンで聴きながら涙を滲ませる出勤途中の自分の姿、などというものは想像もできなかった。

この盤でのこの曲の、観客との一体感は、凄まじい

そして、これこそが(今の)BABYMETALなのだ!

そう心底思えるようになったのは、僕自身の、この1年でのBABYMETALの”THE ONE”メンバーとしての成長・成熟なのだろう。

THE ONE はファンクラブにあらず。
選ばれし者「THE ONE」となり、共にメタルレジスタンスを起こそうではないか!!


ライヴに3回参加して、今年(の後半)ようやくそのことの真の意味を体験・痛感したのだった。

初めから、ライヴでの聴衆を煽ることを前提として楽曲が練られ、振り付けがなされているBABYMETALにおいて、観客がYUI・MOAに合わせて合いの手を入れることで、曲が「完成する」
これはメンバー自身も、海外の観客の反応との違いということで語っていたことである。

いわば、ライヴ会場全体がステージライヴ会場全体が演者なのだ。
それが、”ファンクラブではない THE ONE”のいちばん鮮やかなかたち、だろう。 

その、ライヴの楽しさがいちばん堪能できる音盤が、(現段階では)「新春キツネ祭り」盤なのだ。ロンドンのライヴ盤(もちろんとんでもなく素晴らしい、ということは当然として)では、この観客との一体感による「完成」を味わうことはできない。武道館のライヴ盤(これも、それぞれ魅力的で今でも愛聴しているのだが)の時には、まだこの熱狂の圧・量が(今と比較して)上品だった(ように聴こえる)。
「巨大天下一メタル武道会」盤が出るまでは、やはり「新春キツネ祭り」盤が、最強のライヴ盤であり、今後も、いろいろなところで涙を滲ませながら”擦り切れるほど”聴きまくり続けることになるに違いない。

にしても、BABYMETALのライヴ・アルバムのサウンド・エンジニアは、これからもたいへんだろう(それが、プロフェッショナルとしての「やりがい」なのかもしれないが)。

楽器隊神バンドと、SU-METALの歌声と、だけでも、バランスの取り方が悩ましいのに(まあ、だからこそ僕たちは数多くのライヴ盤を「ヴァージョン違い」としてそれぞれ愛聴するのだが)、そこにYUI・MOAのスクリームが入り、さらには僕たち観客の合いの手をどう載せるのか、まで、考えなければならないのだから。

これまでの、他の多くのバンドのライヴアルバムでも、もちろん観客の歓声が重要な「ライヴ感」を構成する要素になっていたはずだが、BABYMETALのライヴアルバムほど、(ほとんど)すべての楽曲で観客の合いの手が(初めの想定から)楽曲「演」奏の有機的な一部になっている、なんてものはなかった、はずだ。
この意味でも、”BABYMETALという新しいジャンル”という文言は、ユニットの希少性を強調するための単なる謳い文句ではなく、音楽的な実質の謂いなのだ、ということ。

2015年の終わりになって、僕自身のなかでこうした認識がはっきりしてきた。
もちろん、今年の6月に初めてライヴに参加して…から来る認識の深まりだが、これは、BABYMETALというプロジェクトの人知を超えた高さ・奥深さ、から来るものだ。

畏敬
2015年の終わりに、改めて僕が感じている感情を簡潔に言うならば、これである。

年頭の『赤い夜・黒い夜』の映像盤にもすでにその片鱗を仄かに感じたのだが、この1年のさまざまなBABYMETAL体験を経て、その思いはどんどんどんどん強くなっている。

僕たちは、ある意味麻痺してしまっている(レディング・リーズの9万人って、とんでもなくとんでもないことのはずなのに「まあやっぱり英国で人気のベビメタだし」なんて思ってしまっている自分がここにいる…)が、本当に本当に、BABYMETALとはとんでもないスーパーバンド(ユニット)なのだ

Mステの”あれ”で、SU-METALの歌のうまさをたたえるツイートが飛び交ったようだが、それは、いわば、キャッチボールだけで「このピッチャー、とんでもない!」と素人にも衝撃を与える、というレベルの話だろう。いやもう、喩えようのないポテンシャルなのだ。

何て、書いていると、きりがないので、
最後の最後に、昨日・今日、出た雑誌2冊、の寸感。

『ヘドバン』9号
今まででいちばんBABYMETALの頁は少ない(その代わりに、次号はBABYMETAL大特集もあるようだ)。しかし、その中でも次の言葉には、感涙してしまった。

(2015年を振り返って、もっとも印象的だった出来事は?への答えの一部)
…また、メタリカさんのライヴをステージの横から観させていただくことが出来、ずっと鳥肌が立っていました。


メタリカに鳥肌を立てている3姫、という絵図は、何か、宗教画を思わせる。
(僕としては)口を噤んで(涙を溜めて)ただじっと見つめていたい、そんな「可憐」なとんでもなく「崇高」な絵、ではないか。

『日経ビジネス』<次代を創る100人>特集。
紹介されているのは、
「PIONEER 輝き出した開拓者」10人、
「MESSIAH 闇からの救世主」13人、
「CREATOR 静かなる創造主」13人、
「LEADER 逞しき指導者」21人、
「CHALLENGER 美しき挑戦者」21人、
「INNOVATOR 革新なる人々」10人、
「TOMORROW 明日を創る人」12人

BABYMETALは、どのカテゴリーに入ってもよさそうだが、この中の、「MESSIAH 闇からの救世主」の巻頭だ!やはり、このカテゴリーが、一番「らしい」!
しかも見開きぶち抜き(この扱いは、全部で9人だけ、他には、鎌田華乃子、横山祐果、ハヤカワ五味、柚希礼音、ヒラリー・クリントン、錦織圭、波留、シリア難民)という「破格」の扱いだ。

海外フェスの写真で、神バンド含めて7名が映っている(藤岡氏は半分切れているが)、ギターが藤岡氏とLEDA氏なので、これは昨年のものだ。
SONISPHEREだろうか?きちんと確認はできていない。。
日経ビジネスという雑誌では、おそらく異例の写真だろう(いつもは読んでいない雑誌なので憶測です)。
どの100人も、それぞれの「推薦者」が魅力・期待を熱く語る、という形式になっているが、BABYMETALは、加山雄三さんが、熱い熱い賞賛を語っている。
(ぜひお読みください)。

FUNKOのフィギュアも届いたが、そういえば今年はAERAの表紙にもなったのだった。
もう、何が何だかわからないが、これこそがBABYMETALだ。


そうそう。近所のツタヤに寄ったら、アルバム「BABYMETAL」3枚の在庫が3枚とも貸出中になっていた。
これって、何か、たいへんなことが起こりつつあるのか?
そんな気がする。


皆さま、よいお年を。
待ち遠しいですけど、すぐに、4月1日(実際には3月29日に皆さんフラゲするでしょうけれど)が来ます。

僕も、実家の大画面テレビで年末年始、BABYMETALを堪能してきます。

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ひすのしぷ)
2015-12-30 09:53:57
日経ビジネス購入しました。
探し回って買うのに半日かかりました。
本屋を何軒も巡りましたが、取り扱っていない・・・と。
こりゃ予期しなかった大捜索。
探し物は駅中の7-11にありました。

「次代を創る100人」のなかの一組。見開きどーん。推薦文は加山雄三若大将。
桑田圭祐や山下達郎、ポールマッカートニーと等しく並べて、
ライブに行って本当の「音」を体感したいとおっしゃる。

嗚呼良き哉。文化じゃ。
返信する
Unknown (ヤバいMETAL)
2015-12-30 10:01:20
2015年、楽しく、興味深い記事の数々ありがとうございました。
私自身、これ程音楽に夢中になった一年はなかったと思います。本当に刺激的な一年でした。
自分的なハイライトはロブ・ハルフォードとの写真でした。
Judas Priestのアルバム、Ram it Downの冒頭のロブのシャウトがメタルの入口だった自分にとって、メタルの道なき道を進み、ついにメタルゴッドとの邂逅を果たす……。あの写真は言葉に言い表せない涙が溢れる衝撃で忘れられない事件です。

2016年も記事の更新楽しみに待ってます。
娘さんとの横浜アリーナ参戦記、どれだけ膨大になろうとも大歓迎です!来年もともにメタルレジスタンスを楽しみましょう!ありがとうございました!
返信する

コメントを投稿