横アリ、さっそく抽選に応募しました。
今回は、迷う余地は全くなく、
12日(土)は仕事のため行けないので13日(日)一択。
中学3年生の娘(TheOne会員ではない)と一緒に行くつもりので、スタンド席一択。
第二希望なしに、いざぎよく一択のみです。
なぜか、当選する気満々なのですが、すごい倍率なのでしょうね。
幕張も同じ心理状態でしたが、2連続落選のすえ、結局、ローソンで何とか端席のすべりこみ当選を果たしたのでした。
(でも、ほんと、粘ってよかったです。あの幕張参戦があったからこそ、黒ミサⅡへの応募の勇気がわきましたし、今回も、当然応募、絶対当選という強い意志・勇気が湧いているのですから。
今回も、たとえTheOne枠が落選になったとしても、最後までチケット狙い続けます。)
にしても、中3の娘とBABYMETALのライヴに一緒に行ける可能性がある、というだけでも幸せですよね。
今回は、同世代のお父さん方の参考になれば、と、
どうやって吾が愚娘がBABYMETALを好きになったのか、
その経緯を簡単に記しておこうと思います。
結論的に言えば、初回限定盤の映像盤から、3つの映像を次の順に見せたのです。
① 「メギツネ」MV
↓
② 「メギツネ」ライヴ (2013サマソニ)
↓
③ 「ギミチョコ!!」PV
これで、BABYMETALファン中学生女子の、ひとり誕生。
わずか、15分ほどですよね。あっという間でした。
娘は、もともと、洋楽とかも好きで(伊坂幸太郎のファンで、彼のエッセイとかに出てくる、ビートルズをはじめとする様々なバンドのCDを、ただで借りられる市の図書館でコツコツ予約しては借りてダビングしたりして)聴いていますし、小学生の時から(アミューズの先輩であるだけでなく、広島出身の先輩でもある)ポルノグラフィティのファンだ、という、音楽的嗜好の精神年齢はけっこう高めではあったのです。
訊いてみると、クラスでは、「エグザイル」とか「三代目」とか「Eガールズ」とか「関ジャニ」とかが人気だとか。
でも、本人は、Ipodでビートルズとかボブ・ディランとかディープパープルとか(これらも伊坂幸太郎のエッセイに出てくるようです)、ポルノグラフィティとか、山口百恵とか中森明菜とかを聴いている、テレビでは(今はなき)「ライヴモンスター」とかを録画して観ている、そんな娘だったのです。
(と、こうして書いていくうちに、あまり皆さんの参考にはならないかな、という気もしてきました…変わり者なのかな、親同様、吾が娘も)。
去年の晩秋(娘は中2)に、二人で映画を見に行ったときの途中の喫茶店で、
「BABYMETALって知ってる?音楽グループなんだけど」と話をふったのです。
(この時は、僕もまだファン初心者でしたので、中学生にファンはそれほど多くなくても、BABYMETALの存在くらいは認知されているだろうと、何となく思い込んでいたのです。)
「?…何か、名前は聴いたことがあるかなあ…。」
「さくら学院は?…アイドルグループなんだけど」
「?…うーん。それも、名前は何か聴いたことがあるような…?」
「その派生ユニットなんだって。なかなかいいんだ。ちょっと観てみる?」
と、パソコンを取り出し(隙間時間にも仕事ができるように、休日でもパソコンは持ち歩いていて、映画の待ち時間とかにも、喫茶店で、僕は仕事、娘は持ってきた宿題をやる、というのが我が父娘の通常の姿なのです)、DVDを再生しはじめたのでした。
強制的ではないにせよ、休日の街中の喫茶店にいる、その非日常の勢いで押し込んだ、という感じでした。
イヤフォンを嵌めて聴きながら、①を観終わった娘。
「へえ、何か不思議な感じやな」と、興味を惹かれたようです。
【解説①】
僕がBABYMETALに嵌まったのが①だったので、①の魅力(魔力)には全幅の信頼を置いているのです。音楽だけでなく、小説なども好きな娘には、それこそ「不思議な感じ」のする「メギツネ」のMVこそが、<最適な入口>だと考えました。
それは、少なくとも失敗ではなかったようです。
このMVは、数あるBABYMETALの映像の中でも、老若男女、誰でもが入りやすい「世界」観を楽しく・美しく表現している作品ではないでしょうか。
YUI・MOAの幼さも、「奇矯」さを感じさせることのない、この映像世界のなかでは極めて「自然」「必然」なものになっている、と思うのです。比べてのSU-METALのお姉さんぶりのカッコよさ!
相手が長年のメタルヘッズだとか、バンド経験者だとか、でなければ、「布教」には、まずこれがおススメ、だと一般的には言えるのではないでしょうか?
「で、これが、ライヴになると…どうなるか?観てみる?」と訊くと、娘がうなずくので、こんどは②を選択、再生ボタンを押しました。
観終わった娘は、
「へえ、アイドルやけどカッコいいなあ。…何か、気に入ったわ。…初めて、アイドルでカッコいいと思ったわ」
と、まるで僕たちおっさんメタルヘッズが漏らすような感想を漏らしました。気づかれないようにしていますが、胸の中でガッツポーズ!です。泣きはしませんが、ニヤニヤが止まりません。
【解説②】
小学生の時には、AKB48の選挙の結果とか、クラスでも話題になったりしていたらしく、メンバーの名前とかその年の順位とかを、娘との会話のなかで僕も教えてもらったりもしました。
でも、中学生になって、自分が聴くべき音楽、聴いて楽しい音楽は、そうしたアイドルではない、と認識したのでしょう。さらに、クラスの多くが熱をあげている「エグザイル」「三代目」「Eガールズ」「関ジャニ」とか、「セカオワ」とかも、本人には「う~ん(苦笑)」と感じられるようです。
そんな娘に、①→②は、「アイドルやけどカッコいいなあ」と思わせる力があったのです。
BABYMETALのどのライヴ映像もそうだといえばそうなのですが、この初回限定盤のサマソニ2013の「メギツネ」のライヴも、ひたむきで高品質な歌や舞踊の魅力にあふれています。
暗いステージで赤を基調としたライティングに照らされながら、「ソレ、ソレ」と踊りまくる3姫。すぐ背後には、神バンドの面々が熱い演奏を繰り広げていて、バンドとしての一体感もうねりをあげています(青山神が出ずっぱりですね)。
ブレイクダウンでのSU-METALのキツネのお面のくだり等、MVの幻想的な「和」の世界観を継承しながらも、全体としては、ナマのライヴの生き生きとした熱さ・躍動感を味わわせる、優れたライヴ映像です。
①→②と同じ曲を続けた累積作用も大きかったのでしょう。
我ながら、このチョイスに関しては、ドヤ顔です。
「メギツネ」の楽曲としてのよさの普遍性の高さ。それが、異なるヴァージョンの2曲を続けて聴くことで、よりいっそう印象に残る。演出され創られたクリップも、シンプルなライヴ映像も、どちらにも(角度は異なるものの)BABYMETALという素材のよさがふんだんに発揮されています。
BABYMETALのコンセプト<アイドルとメタルの融合>が、単なるお題目ではなく、音楽的・映像的にとんでもなく豊かな意味を持つこと。それが、①→②の連チャンによって、鮮やかに証明されます。同じ楽曲なのに、3姫が発する魅力が、①と②では全然違う(それも、どちらも最高レヴェルにある)。
同じ曲だからこそ、そうしたBABYMETALの魅力の多面性が顕わになる、と言えるのではないでしょうか。
また、①→②の順序も効いたのでしょう。モノクロではじまる幻想性に満ちたスタイリッシュな映像の①の後に、汗のほとばしりまで感じられる躍動的なライヴの②。
この映像盤自体がそういう構成(MV→ライヴ)になっているのですが、そちらの方が、圧倒的に「本物」感を感じさせます。
順序が逆では(少なくとも、吾が愚娘には)これほどうまくはいかなかったはずです。
「アイドルだけど、…パンク?みたいで。」
「メタル」
「ああ、メタルか。…すごいなあ」
で、ダメ押しに、「こんなのも、あるんだ」
と、③ギミチョコ!!を再生しはじめました。
娘にイヤフォンをさせている(喫茶店の中なので)ので、音は聴こえないのですが、画面では、ラウドなイントロの轟音にのって、3姫が、観ているこちらが目を剥くしかない”あの”動きをし始めた後に、いつもの
「あたたたたーた、たーたたた、ずっきゅん」
「わたたたたーた、たーたたた、どっきゅん」
をはじめます。
そこで、娘が、
「あはははは!」と声をあげて笑ったのです。
この時の、娘のそのリアクションは、忘れられません。
まあ、どちらかと言えば、もともと感激屋で、映画を観ながらでもクライマックスのところで(それが「ドラえもん」でも「ガメラ」でも)涙をぬぐっているのが横目に見えて、こちらも映画の感動と、泣いている娘の可憐さとで、涙がじわっと湧いてくる、というのがいつものことなのですが、それでも、喫茶店でBABYMETALのビデオクリップを観て、声をあげて笑うなんて反応は、予想もしないリアクションでした。
その後も、「ギミチョコ!!!」を楽しそうに観つづけ、曲が終るとイヤフォンを外しながら
「はまったわー、お父さん、これいいなあ」
とニコニコしながら言うのです。
【解説③】
やはり「ギミチョコ!!」の破壊力は凄い。
ただし、(ここも、自画自賛なのですが)いきなりこれを見せたとして娘がはまったかどうかはかなり疑問です。
「何見せてんねん、このオヤジ、キモっ!」という最悪の逆効果になってしまった、という結果も十分考えられます。
BABYMETALのどの楽曲も、それぞれにかなり癖があります。相手に合わせて、どれを見せて、どれを(はじめには)見せないのか、どういう順序で並べて、相手が「消化」しやすくするのか、そこが「布教」する側の「腕の見せどころ」なのではないでしょうか。
今なら、オフィシャルの『INTRODUCING BABYMETAL』があるので、その映像盤ならば、ほぼ万人向けとして間違いはない映像群なのでしょうが、
「赤い夜」からの1.メギツネ、2.紅月
はいい(最高!)としても、
次の「黒い夜」からの3.4の歌、4.ヘドバンギャー!!
は、やや敷居が高いというか、慎重に扱うべき、なのかもしれません。
「4の歌」はやはり劇薬でしょうし、その後に並ぶと「ヘドバンギャー!!」も、よりいっそう「なんじゃこりゃ」度が高まるでしょうし。毒にも薬にもなる、そんな二曲でしょう。
「Forum」からの、5.BABYMETAL DEATH、6.ド・キ・ド・キ☆モーニング
そして、「Brixton」からの、7.ギミチョコ!!、8.イジメ、ダメ、ゼッタイ
も、いいのだけれど、もしも僕が「イジメ」の映像を自由に選んで見せるならば、やはり「赤い夜」ヴァージョンを見せたいですね。
(アクシデントの結果とはいえ)冒頭のYUI・MOAがほんとうに全力でステージまで駆け上がる、その迫力・絵としての美しさは、これが飛びぬけていちばんだと思うからです。
あのイントロの30秒ほどに(も)BABYMETALの全てがぎゅっと詰まっている、そんな”命を削った”「名演」ですから。
観るたびに、ここで、毎回必ず涙ぐんでしまいます。
でも、その日は、①→②→③まで、でした。(「赤い夜」なんてまだ発売されてもいませんし)。
それ以上推すことはしません。
例えば同じ映像盤に収録されていた「イジメ、ダメ、ゼッタイ」のMVもライヴ映像も見せることはしませんでした。
①→②→③で引き出したリアクションで、十分(以上)でしたので。
で、
「CDあるけど、また、ダビングして聴いたりする?」
「うん。」
と、アルバム『BABYMETAL』が、娘のヘビ・ロテの一枚に加わりました。
その後、年末の『BABYMETAL現象』や、僕が貸した『ヘドバン』誌やらを読んだりもして、娘は、自分よりも1歳だけ年上のYUI・MOAにとりわけ親近感と尊敬を持っているようです。
「「ドキドキ☆モーニング」のときなんて、2人ともあんなにちっちゃかったのに、凄いなあ」
「武道館、って、中2だよね。すげえ」
とよく言っています。
そんな娘と、一緒にBABYMETALのライヴ、観に行けるとしたら、こんな幸せなことはありません。
FOXGODさま
ぜひぜひ、ご加護を、お願いします!
同じように、子連れの方、一緒に2015年の締めくくりを楽しみましょう!
今回は、迷う余地は全くなく、
12日(土)は仕事のため行けないので13日(日)一択。
中学3年生の娘(TheOne会員ではない)と一緒に行くつもりので、スタンド席一択。
第二希望なしに、いざぎよく一択のみです。
なぜか、当選する気満々なのですが、すごい倍率なのでしょうね。
幕張も同じ心理状態でしたが、2連続落選のすえ、結局、ローソンで何とか端席のすべりこみ当選を果たしたのでした。
(でも、ほんと、粘ってよかったです。あの幕張参戦があったからこそ、黒ミサⅡへの応募の勇気がわきましたし、今回も、当然応募、絶対当選という強い意志・勇気が湧いているのですから。
今回も、たとえTheOne枠が落選になったとしても、最後までチケット狙い続けます。)
にしても、中3の娘とBABYMETALのライヴに一緒に行ける可能性がある、というだけでも幸せですよね。
今回は、同世代のお父さん方の参考になれば、と、
どうやって吾が愚娘がBABYMETALを好きになったのか、
その経緯を簡単に記しておこうと思います。
結論的に言えば、初回限定盤の映像盤から、3つの映像を次の順に見せたのです。
① 「メギツネ」MV
↓
② 「メギツネ」ライヴ (2013サマソニ)
↓
③ 「ギミチョコ!!」PV
これで、BABYMETALファン中学生女子の、ひとり誕生。
わずか、15分ほどですよね。あっという間でした。
娘は、もともと、洋楽とかも好きで(伊坂幸太郎のファンで、彼のエッセイとかに出てくる、ビートルズをはじめとする様々なバンドのCDを、ただで借りられる市の図書館でコツコツ予約しては借りてダビングしたりして)聴いていますし、小学生の時から(アミューズの先輩であるだけでなく、広島出身の先輩でもある)ポルノグラフィティのファンだ、という、音楽的嗜好の精神年齢はけっこう高めではあったのです。
訊いてみると、クラスでは、「エグザイル」とか「三代目」とか「Eガールズ」とか「関ジャニ」とかが人気だとか。
でも、本人は、Ipodでビートルズとかボブ・ディランとかディープパープルとか(これらも伊坂幸太郎のエッセイに出てくるようです)、ポルノグラフィティとか、山口百恵とか中森明菜とかを聴いている、テレビでは(今はなき)「ライヴモンスター」とかを録画して観ている、そんな娘だったのです。
(と、こうして書いていくうちに、あまり皆さんの参考にはならないかな、という気もしてきました…変わり者なのかな、親同様、吾が娘も)。
去年の晩秋(娘は中2)に、二人で映画を見に行ったときの途中の喫茶店で、
「BABYMETALって知ってる?音楽グループなんだけど」と話をふったのです。
(この時は、僕もまだファン初心者でしたので、中学生にファンはそれほど多くなくても、BABYMETALの存在くらいは認知されているだろうと、何となく思い込んでいたのです。)
「?…何か、名前は聴いたことがあるかなあ…。」
「さくら学院は?…アイドルグループなんだけど」
「?…うーん。それも、名前は何か聴いたことがあるような…?」
「その派生ユニットなんだって。なかなかいいんだ。ちょっと観てみる?」
と、パソコンを取り出し(隙間時間にも仕事ができるように、休日でもパソコンは持ち歩いていて、映画の待ち時間とかにも、喫茶店で、僕は仕事、娘は持ってきた宿題をやる、というのが我が父娘の通常の姿なのです)、DVDを再生しはじめたのでした。
強制的ではないにせよ、休日の街中の喫茶店にいる、その非日常の勢いで押し込んだ、という感じでした。
イヤフォンを嵌めて聴きながら、①を観終わった娘。
「へえ、何か不思議な感じやな」と、興味を惹かれたようです。
【解説①】
僕がBABYMETALに嵌まったのが①だったので、①の魅力(魔力)には全幅の信頼を置いているのです。音楽だけでなく、小説なども好きな娘には、それこそ「不思議な感じ」のする「メギツネ」のMVこそが、<最適な入口>だと考えました。
それは、少なくとも失敗ではなかったようです。
このMVは、数あるBABYMETALの映像の中でも、老若男女、誰でもが入りやすい「世界」観を楽しく・美しく表現している作品ではないでしょうか。
YUI・MOAの幼さも、「奇矯」さを感じさせることのない、この映像世界のなかでは極めて「自然」「必然」なものになっている、と思うのです。比べてのSU-METALのお姉さんぶりのカッコよさ!
相手が長年のメタルヘッズだとか、バンド経験者だとか、でなければ、「布教」には、まずこれがおススメ、だと一般的には言えるのではないでしょうか?
「で、これが、ライヴになると…どうなるか?観てみる?」と訊くと、娘がうなずくので、こんどは②を選択、再生ボタンを押しました。
観終わった娘は、
「へえ、アイドルやけどカッコいいなあ。…何か、気に入ったわ。…初めて、アイドルでカッコいいと思ったわ」
と、まるで僕たちおっさんメタルヘッズが漏らすような感想を漏らしました。気づかれないようにしていますが、胸の中でガッツポーズ!です。泣きはしませんが、ニヤニヤが止まりません。
【解説②】
小学生の時には、AKB48の選挙の結果とか、クラスでも話題になったりしていたらしく、メンバーの名前とかその年の順位とかを、娘との会話のなかで僕も教えてもらったりもしました。
でも、中学生になって、自分が聴くべき音楽、聴いて楽しい音楽は、そうしたアイドルではない、と認識したのでしょう。さらに、クラスの多くが熱をあげている「エグザイル」「三代目」「Eガールズ」「関ジャニ」とか、「セカオワ」とかも、本人には「う~ん(苦笑)」と感じられるようです。
そんな娘に、①→②は、「アイドルやけどカッコいいなあ」と思わせる力があったのです。
BABYMETALのどのライヴ映像もそうだといえばそうなのですが、この初回限定盤のサマソニ2013の「メギツネ」のライヴも、ひたむきで高品質な歌や舞踊の魅力にあふれています。
暗いステージで赤を基調としたライティングに照らされながら、「ソレ、ソレ」と踊りまくる3姫。すぐ背後には、神バンドの面々が熱い演奏を繰り広げていて、バンドとしての一体感もうねりをあげています(青山神が出ずっぱりですね)。
ブレイクダウンでのSU-METALのキツネのお面のくだり等、MVの幻想的な「和」の世界観を継承しながらも、全体としては、ナマのライヴの生き生きとした熱さ・躍動感を味わわせる、優れたライヴ映像です。
①→②と同じ曲を続けた累積作用も大きかったのでしょう。
我ながら、このチョイスに関しては、ドヤ顔です。
「メギツネ」の楽曲としてのよさの普遍性の高さ。それが、異なるヴァージョンの2曲を続けて聴くことで、よりいっそう印象に残る。演出され創られたクリップも、シンプルなライヴ映像も、どちらにも(角度は異なるものの)BABYMETALという素材のよさがふんだんに発揮されています。
BABYMETALのコンセプト<アイドルとメタルの融合>が、単なるお題目ではなく、音楽的・映像的にとんでもなく豊かな意味を持つこと。それが、①→②の連チャンによって、鮮やかに証明されます。同じ楽曲なのに、3姫が発する魅力が、①と②では全然違う(それも、どちらも最高レヴェルにある)。
同じ曲だからこそ、そうしたBABYMETALの魅力の多面性が顕わになる、と言えるのではないでしょうか。
また、①→②の順序も効いたのでしょう。モノクロではじまる幻想性に満ちたスタイリッシュな映像の①の後に、汗のほとばしりまで感じられる躍動的なライヴの②。
この映像盤自体がそういう構成(MV→ライヴ)になっているのですが、そちらの方が、圧倒的に「本物」感を感じさせます。
順序が逆では(少なくとも、吾が愚娘には)これほどうまくはいかなかったはずです。
「アイドルだけど、…パンク?みたいで。」
「メタル」
「ああ、メタルか。…すごいなあ」
で、ダメ押しに、「こんなのも、あるんだ」
と、③ギミチョコ!!を再生しはじめました。
娘にイヤフォンをさせている(喫茶店の中なので)ので、音は聴こえないのですが、画面では、ラウドなイントロの轟音にのって、3姫が、観ているこちらが目を剥くしかない”あの”動きをし始めた後に、いつもの
「あたたたたーた、たーたたた、ずっきゅん」
「わたたたたーた、たーたたた、どっきゅん」
をはじめます。
そこで、娘が、
「あはははは!」と声をあげて笑ったのです。
この時の、娘のそのリアクションは、忘れられません。
まあ、どちらかと言えば、もともと感激屋で、映画を観ながらでもクライマックスのところで(それが「ドラえもん」でも「ガメラ」でも)涙をぬぐっているのが横目に見えて、こちらも映画の感動と、泣いている娘の可憐さとで、涙がじわっと湧いてくる、というのがいつものことなのですが、それでも、喫茶店でBABYMETALのビデオクリップを観て、声をあげて笑うなんて反応は、予想もしないリアクションでした。
その後も、「ギミチョコ!!!」を楽しそうに観つづけ、曲が終るとイヤフォンを外しながら
「はまったわー、お父さん、これいいなあ」
とニコニコしながら言うのです。
【解説③】
やはり「ギミチョコ!!」の破壊力は凄い。
ただし、(ここも、自画自賛なのですが)いきなりこれを見せたとして娘がはまったかどうかはかなり疑問です。
「何見せてんねん、このオヤジ、キモっ!」という最悪の逆効果になってしまった、という結果も十分考えられます。
BABYMETALのどの楽曲も、それぞれにかなり癖があります。相手に合わせて、どれを見せて、どれを(はじめには)見せないのか、どういう順序で並べて、相手が「消化」しやすくするのか、そこが「布教」する側の「腕の見せどころ」なのではないでしょうか。
今なら、オフィシャルの『INTRODUCING BABYMETAL』があるので、その映像盤ならば、ほぼ万人向けとして間違いはない映像群なのでしょうが、
「赤い夜」からの1.メギツネ、2.紅月
はいい(最高!)としても、
次の「黒い夜」からの3.4の歌、4.ヘドバンギャー!!
は、やや敷居が高いというか、慎重に扱うべき、なのかもしれません。
「4の歌」はやはり劇薬でしょうし、その後に並ぶと「ヘドバンギャー!!」も、よりいっそう「なんじゃこりゃ」度が高まるでしょうし。毒にも薬にもなる、そんな二曲でしょう。
「Forum」からの、5.BABYMETAL DEATH、6.ド・キ・ド・キ☆モーニング
そして、「Brixton」からの、7.ギミチョコ!!、8.イジメ、ダメ、ゼッタイ
も、いいのだけれど、もしも僕が「イジメ」の映像を自由に選んで見せるならば、やはり「赤い夜」ヴァージョンを見せたいですね。
(アクシデントの結果とはいえ)冒頭のYUI・MOAがほんとうに全力でステージまで駆け上がる、その迫力・絵としての美しさは、これが飛びぬけていちばんだと思うからです。
あのイントロの30秒ほどに(も)BABYMETALの全てがぎゅっと詰まっている、そんな”命を削った”「名演」ですから。
観るたびに、ここで、毎回必ず涙ぐんでしまいます。
でも、その日は、①→②→③まで、でした。(「赤い夜」なんてまだ発売されてもいませんし)。
それ以上推すことはしません。
例えば同じ映像盤に収録されていた「イジメ、ダメ、ゼッタイ」のMVもライヴ映像も見せることはしませんでした。
①→②→③で引き出したリアクションで、十分(以上)でしたので。
で、
「CDあるけど、また、ダビングして聴いたりする?」
「うん。」
と、アルバム『BABYMETAL』が、娘のヘビ・ロテの一枚に加わりました。
その後、年末の『BABYMETAL現象』や、僕が貸した『ヘドバン』誌やらを読んだりもして、娘は、自分よりも1歳だけ年上のYUI・MOAにとりわけ親近感と尊敬を持っているようです。
「「ドキドキ☆モーニング」のときなんて、2人ともあんなにちっちゃかったのに、凄いなあ」
「武道館、って、中2だよね。すげえ」
とよく言っています。
そんな娘と、一緒にBABYMETALのライヴ、観に行けるとしたら、こんな幸せなことはありません。
FOXGODさま
ぜひぜひ、ご加護を、お願いします!
同じように、子連れの方、一緒に2015年の締めくくりを楽しみましょう!