昨日、西国分寺の個人の民家で(といっても、古民家ですごく素敵な空間)、古楽コンサートを聴いてきました。夫が生きていたら、一番喜んだでしょう。聴きながら、夫と知り合った頃、古楽を初めて知って夢中になって二人であちこちコンサートを聴いて回った時代を思い出しました。30年以上前の話です。
聴衆の方々はその古民家コンサートが始まってからの常連さんが多いので、ほぼ高齢者。だから、かつて参加していた清里音楽祭のコンサートそっくりだったのです。夫の亡霊が出てきそうでした。
あの頃は、有田正弘さんたちが古楽器での演奏をはじめて、日本ではとても珍しい存在でした。そして、1990年代初めに私が親友とパリに行った頃、フランスでは「めぐり逢う朝」というマラン・マレを主人公にした映画が大ヒットして、古楽ブームが起こっていました。
夫は高校時代からカール・リヒターを聴き、バッハの音楽にのめりこんでいました。大学でリコーダーも習ったようでしたが、たいしてうまくならなかったみたいです。
そんなリコーダーとリュート、ガンバの3人の演奏は、とても響きが素敵で、涙が出てきました。解説者が、古民家だからこそ、いい響きと言っていましたが、その通りですね。
かつては、古楽専用と言ってもいいくらいの素晴らしいホールがありました。お茶の水のカザルスホールです。私の幸せな時代そのものでした。
あまりに演奏に感激したので、リコーダー奏者のCDを購入し、本人にサインまでしてもらっちゃいました。相変わらず、ミーハーな私です。
リコーダー奏者は辺保陽一さん、リュート奏者は水戸茂雄さん、ガンバ奏者は鬼澤悠歌さんでした。
オトテールの曲もよかった・・。昔、有田正弘さんや本間正史さんのオトテールアンサンブル、生で聴いたことがありましたっけ。遠い昔のことです。
追記です。
検索したたら、オーボエ奏者の本間正史さん、去年亡くなっていたんです。東京都交響楽団でも長く首席を務めていました。悲しい・・・。