生命哲学/生物哲学/生活哲学ブログ

《生命/生物、生活》を、システム的かつ体系的に、分析し総合し統合する。射程域:哲学、美術音楽詩、政治経済社会、秘教

福島原発と東北地方太平洋沖地震91

2011年04月19日 01時35分36秒 | 生命生物生活哲学
2011年4月19日-1
福島原発と東北地方太平洋沖地震91

 池田清彦氏が、『週刊朝日』2011年4月22日号123頁に書いている。

  「百年後にほんの2℃ほど気温が上昇する_かもしれない_のは予防原則にのっとり予防しなければならないが、M9以上の大地震は想定外だから、予防する必要がないというのもふざけた話ではないか。資金と努力には限りがあるから、すべてを予防することはできない。ならば、一番危険な所から予防する他はない。温暖化と原発とどちらが危険かは火を見るより明らかであろう。」

 まったくその通りである。

 ところで、日本環境学会というのが、「日本環境学会緊急提言:震災復興と脱原発温暖化対策の両立を可能にするために」
http://jaes.sakura.ne.jp/archives/1252

という、ねぼけた内容の提言をしている。日本の環境を守るには、原発廃止が最優先だと主張するべきではなかったのか?

 ところで、

  「こうして、わたしたちが安全に、原子力発電の恩恵をうけているのも、こうした、地道な研究をされていることのおかげですね!!!

さらに、現職ではありませんが、明日香壽川さんは、電中研の社会経済研究所で、頑張っておられました。
その後、明日香壽川さんは、「地球温暖化懐疑論へのコメント」というページをつくられ、最終的には、冊子にまでなりました。

電中研では、温暖化対策として、原発の推進を行〔な〕っています!!

たとえば、「電力中央研究所報告 発電システムのライフサイクル分析 研究報告:Y94009」によると、原発が一番、CO2の排出が少ないという結果が出ています!!!

やはり、人類滅亡を回避するには、原発しかないのです!!!」
http://webblog.makusta.jp/e114616.html

という文言のある網頁があった。


風間虹樹:いのち。乱舞、、、[A案、壁面4+3]

2011年04月18日 23時08分41秒 | 美術/絵画
2011年4月18日-3
風間虹樹:いのち。乱舞、、、
[A案、壁面4+3]

                       
                       [F100縦]
 

             
            [S100菱形、右に45度回転。未完]


         
         [S100]


     
      [S100菱形、右に45度回転。未完]



[F100縦]



福島原発と東北地方太平洋沖地震90

2011年04月17日 00時33分50秒 | 生命生物生活哲学
2011年4月17日-1
福島原発と東北地方太平洋沖地震90

 2011年4月15日の琉球新報によれば、
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-176078-storytopic-232.html

 「3月25~31日の日程で、福島市、いわき市、会津若松市、喜多方市、南相馬市、郡山市、飯館村、北塩原村の8カ所を回り、福島第1原発から半径20キロの外側で放射線量計測器を使って汚染度合いを調べた」矢ヶ崎琉大名誉教授は、

  「現時点でチェルノブイリと同程度の状況にある。さらに深刻化する可能性がある」などと被害の大きさを語った。
   〔略〕
   その上で原子力発電そのものの危険性に触れ「今は放射能を安定させる技術がなく、封じ込めるしかない。そういう未熟な状態で原子力を使い始めたのがそもそも間違いだ」と話した。」
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-176078-storytopic-232.html

と。

福島原発と東北地方太平洋沖地震89

2011年04月16日 01時06分33秒 | 生命生物生活哲学
2011年4月16日-2
福島原発と東北地方太平洋沖地震89


 「2011年4月1日、京大原子炉実験所の小出裕章助教に、原発事故の危険性についてインタビュー」したものが、

http://iwakamiyasumi.com/archives/8030

に出ている。

  「小出: 100万キロワットとは何かというと、電気になっているのが100万キロワットという意味。炉心では300万キロワット分の熱が出ている。残りの3分の2はどうするかというと、海に捨てている。〔略〕蒸気機関の原理をいまだに使っている。効率はあがっているが熱効率はいまだに33%しかない。残りの66%は捨てるしかないという馬鹿な装置。
   〔略〕
   一秒間に70トンの海水を引きこんで、その温度を7度上げるということをやっている。
   〔略〕
  日本近海は世界平均の海洋の温度上昇の何倍も高いスピードで温度が上昇している。」
http://iwakamiyasumi.com/archives/8030

 地球温暖化に関連して。

  「岩上: 原子力発電所の設置、それによる温排水と日本近海海洋温度上昇の実証的な関係の研究はあるのか。

小出: 厳密には立証されていない。ただし、日本にある54機の原子力発電所が1年間にどれだけの温排水を出しているかというと1千億トンになる。日本という国にはたくさんの川があるが、全河川でどれだけの流量があるかというと4千億トン。つまり、日本全体の川の四分の一にもなる水量を「熱い川」として海に流している。私の感覚で言えば、それで海が熱くならないのはおかしい。

岩上:地球温暖化の原因は二酸化炭素だとしきりに言われているがどうか。

小出:その主張がかなり有力だが、私は信じていない。二酸化炭素は確かに原因の一つではあるが、それだけでなく原発の温排水も一因だと思う。

岩上:CO2の排出規制のためには原子力だと、この何年間、かなり喧伝されてきたが間違いなのか。

小出:もともとから間違い。原子力発電所が生む核分裂生成物の始末まで考えれば、あまりにもばかばかしい。原子力発電をすればCO2の排出量が減るなどということは決してない。」
http://iwakamiyasumi.com/archives/8030


福島原発と東北地方太平洋沖地震88

2011年04月16日 00時18分12秒 | 生命生物生活哲学
2011年4月16日-1
福島原発と東北地方太平洋沖地震88

http://news.livedoor.com/article/detail/5493439/
に、「武田邦彦氏の過去の発言を検証してみる」(2011年04月15日00時00分)という記事がある。

  「武田氏を信用するべきでないと考える理由はいくつかあるが、たとえば、疫学に関する知識の欠如、知識の乏しい分野における慎重さの欠如、批判相手の主張を正確に引用しない/引用元を明示しない議論の方法、リスクを比較するという概念の欠如などである。」

と結論している。

 武田邦彦氏は、「原発深層流001 信用できる人、できない人 その1」
http://takedanet.com/2011/04/post_0a1f.html
で、政府がついた嘘として、8つ列挙している。たとえば、

  「魚に蓄積するもっとも危険なストロンチウムを測定せずに、「魚は安全だ」と言った。」
http://takedanet.com/2011/04/post_0a1f.html

である。



福島原発と東北地方太平洋沖地震87

2011年04月15日 23時41分28秒 | 生命生物生活哲学
2011年4月15日-5
福島原発と東北地方太平洋沖地震87

 2011年4月3日に開催された第8回縮小社会研究会の講演資料が提供されている。

http://vibration.jp/shrink/

の左窓の下のほうの、
16. 第8回縮小社会研究会概要(PDF)
 資料1,資料2,資料3,資料4,資料5(全てPDF)

でpdfが入手できる。

 講演者の一人であった末田一秀氏の網場所「環境と原子力の話」は、
http://homepage3.nifty.com/ksueda/

 今回の大地震の予知には失敗した。論文が14日付の英科学誌ネイチャー電子版に掲載されたロバート・ゲラー氏は、テレビでも批判していたが、

  「「(常に)日本全土が地震の危険にさらされており、特定の地域のリスクを評価できない」とし、国民や政府に「想定外」に備えるよう求めた。

   「今こそ(政府は)地震を予知できないことを国民に率直に伝えるとき」」
http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011041301001002.html

と述べている。



福島原発と東北地方太平洋沖地震86

2011年04月15日 01時26分05秒 | 生命生物生活哲学
2011年4月15日-3
福島原発と東北地方太平洋沖地震86

 反原発を訴えるデモ行進が行なわれたことを、共同通信が報道している。

  「原発事故を受け、東京のJR高円寺駅周辺で10日、反原発を訴えるデモ行進が行われた。〔略〕ツイッターなどで情報が広がり、約1万5千人(主催者発表)が参加。思い思いのスタイルで「原発はもういらない」と訴えた。」
http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011041001000587.html


福島原発と東北地方太平洋沖地震85

2011年04月15日 00時34分00秒 | 生命生物生活哲学
2011年4月15日-2
福島原発と東北地方太平洋沖地震85


http://www.aec.go.jp/jicst/NC/
の画面の右方最上段に、「原子力白書」がクリックできるようになっているが、
さきほどクリックすると、
  「Not Found
   The requested URL /jicst/NC/jicst/NC/about/hakusho/index.htm was not found on this server.」
と出た。
 しかし、
http://www.aec.go.jp/
からは、「原子力白書」があり、クリックできた。

 
  「原子力発電の分野においては、54 基の原子力発電所がエネルギー安全保障と温室効果ガス排出抑制に貢献しており、新潟県中越沖地震を踏まえた各原子力施設の耐震安全性の再確認、諸外国と比較して低水準にある原子力発電所の設備利用率の改善、使用済燃料の貯蔵能力の増強、プルサーマルの推進、原子力発電所の新増設、六ヶ所再処理施設の本格稼働、高速増殖原型炉「もんじゅ」の再稼働、高レベル放射性廃棄物の処分施設建設地の選定等、その役割の一層の充実と拡大に向けて重要な取組が進められています。
 〔略〕
   原子力委員会は、これまで、我が国の原子力政策を、企画、審議、決定するにあたっては、透明性を確保し、広く国民の声を聴き、対話を重ねて参りました。
 〔略〕

平成22年3月
                 原子力委員会委員長 近藤駿介

http://www.aec.go.jp/jicst/NC/about/hakusho/hakusho2009/index.htm

とある。

 本文の「第2章 2?1 安全の確保 1.原子力安全対策」では、
  「原子力の研究開発利用においては、
  ・人の被ばくと放射性物質の環境への放出を管理すること(被ばく管理)
  ・この管理ができなくなる事象が発生する確率を制限すること(事故の防止)
  ・そのような事象が発生した際に、その影響を緩和すること(事故影響緩和)
を目的に必要な措置を講じ、安全を確保することとしています。
 特に、原子力発電所等においては、以下の安全確保に関する基本方針に従って対策を講じることとしています。
①平常運転時の放出放射性物質量の低減
 環境に放出される放射性物質による公衆被ばく線量を、法令に定める線量限度以下にすることはもちろんのこと、これを合理的に達成出来る限り低減させるとの考え方の下に、その低減対策を講じることとしています。
②多重防護
 「人は誤り、機械は故障する」ことを前提とし、「多重防護」の考え方に基づき、原子力施設においては、1)異常の発生を防止するための対策、2)事故への発展を防止するための対策、3)放射性物質の異常な放出を防止する対策、を講じています。
③防災対策の充実
 万一事故が発生し、大量の放射性物質が環境に放出される可能性があるときには、地域住民の健康と安全を守り災害の復旧を図るための一連の対策や防災活動を行〔な〕うため、体制や資機材の整備を行〔な〕うこととしています。」

とある。

 空中に陸地に海に大量の放射性物質をばらまいたことから、多重防護には失敗したのは明らかである。また、防災対策の充実というのも、体をなしていないと言えよう。大量の放射性物質を放出する前に避難を指示すべきだったし、相対的には低い濃度であれ、意図的に海に流すとは、どういうことなのだろうか。海に放出しない手だてはなかったのだろうか。


 なお、平成10年版の原子力白書では、

  「第2章 国内外の原子力開発利用の状況
   2.地球温暖化問題と原子力

   地球温暖化問題は最大の環境問題の一つであり、京都で気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3*)が開かれるなど、今まさに全世界で活発な議論がなされています。二酸化炭素の排出削減を図るためには、省エネの推進による化石燃料の総使用量の削減等と併せて、発電過程において二酸化炭素を排出しない原子力発電の導入促進が重要であり、こうした地球温暖化対策を進めることは、人類社会が地球環境と調和しながら今後とも持続的な発展を遂げるための我が国の国際的責務と言えます。」
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/about/hakusho/hakusho10/siryo202.htm



福島原発と東北地方太平洋沖地震84

2011年04月15日 00時27分53秒 | 生命生物生活哲学
2011年4月15日-1
福島原発と東北地方太平洋沖地震84


 ウィキペディアによると、

  「実効線量 13 - 60(mSv) 1日1.5箱のタバコを吸う喫煙者の年間の線量(タバコの葉に含まれるラジウム226、鉛210、ポロニウム210等からの放射線」
  「実効線量 1.2(mSv) 1日1.5箱のタバコを吸う喫煙者と同居する人が、副流煙から受ける年間の線量」
  「実効線量 1.0(mSv) 一般公衆が1年間にさらされてよい人工放射線の限度(ICRPの勧告)」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88

と、タバコの煙で肺をけぶすと、ガンになりやすいのは、ひょっとして放射線作用でDNAが変化するためというのが大きかったりして……。んなわけないか?

 どうであれ、様々な発癌物質を直接に肺胞に送り込むわけで、食べ物として口にして、唾液で発癌物質を分解したりして胃に送り込むよりは、影響は大きいだろう。
 多量にタバコを吸う人が長寿であることもある。平均値での話であり、個々人の健康は大きく異なるしだろうし、当然である。ただし、昔のタバコと今日のタバコの成分は同様なのだろうか? 香料なども入れて、悪い方向へと変化していることはないのだろうか。

 米ソの核実験が多かった頃は、日本に放射性物質がけっこう降り注いで、そのころは今の1万倍だったとかいう話がある。それでも死んだ人はいないから、現在の状況をどうってことないと、或る週刊誌に掲載していた。疫学調査が根拠なのだろうか? 癌だけが引き起こすわけでもないだろう。思わぬ影響として出ているかもしれない。
 ましてや、被害予防行動は「風評」もまた考慮すべきのように思われる。東京電力や政府の言うことは、おいそれとは信用できないからである。また、食品業界では、つい最近でも産地偽装がわかったことがある。

 魚は遠洋で取った場合でも、どこでとっても、陸揚げした港で、産地表示するのだったかな?

 近隣の寿司屋では、ネタの魚介の産地を**県などと一つ一つ表示したところがあるらしい(テレビ)。結局、それらの物を介した人たちの信用の問題である。

 福島第一原発2号機でのトレンチの汚染水の水位が、660トンを復水器に移したことで13日に最大で8cm下がったところが、14日午前11時の時点では、2cm程度の低下と水位が上昇したらしい。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110414/t10015318501000.html

 東京電力では、吸着剤やフィルターで放射性物質を取り除き、汚染水を浄化処理することを検討しているらしい。
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819595E3E6E2E2E08DE3E6E2E6E0E2E3E39F9FE2E2E2E2


 2011年4月14日の北海道新聞によれば、「FoE Japan」などが主催して国会内で開かれた13日の報告会で、

  「〔今中哲二氏らは、〕原発から北西に25~45キロに位置する飯館村の一部について「人が住むのに適したレベルではない」と指摘、汚染の深刻な状況を訴えた。
   〔略〕
   同村曲田地区の土壌からはセシウム137を1平方メートル当たり2200キロベクレル検出し、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故による強制移住基準1480キロベクレルを超えた。
   〔略〕
  専門家の多くが「直ちに健康に影響はない」と安全性を強調していることについて「直ちに影響がないのは急性障害で、問題なのは(障害が後年に出る)晩発性のがん、白血病、遺伝的影響だ」と批判した。」
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/dogai/285811.html

 また、東洋経済によれば、

  「3月28、29日に京都大学原子炉実験所の今中哲司氏を中心とする飯舘村周辺放射能汚染調査チームが行った空間・土壌での調査結果によると、3月15日からの積算での被曝量は、同村内で最高95ミリシーベルト(曲田地区)に達した。
   〔略〕
   原子力安全委員会が『原子力施設等の防災対策について』で定める「屋内退避及び避難等に関する指標」では、10~50ミリシーベルトで「自宅等の屋内へ退避すること」、50ミリシーベルト以上の時は「コンクリート建屋の屋内に退避するか、または避難すること」とされている。これに照らし合わせると、飯舘村の放射能汚染状況がすでに深刻なものになっていることが示されている。
   〔略〕
   一方、土壌の汚染密度を分析した結果、最も高い曲田地区では、放射能のヨウ素131(半減期8日)が1平方メートル当たり約3260キロベクレルを記録。〔略〕今中氏は、1986年に発生したチェルノブイリ原発事故当時、原発から半径30キロメートル以内の住民が強制避難となった際の基準が、1平方メートル当たり1480キロベクレルだった、と指摘。「とにかく重大な汚染状況になっていることは確か」と言う。
 
   一方、福島県は4月5~7日にかけて、全県の小中学校などを対象に放射線モニタリングを実施した。その結果(→こちら)、調査対象の小中学校などの75.9%が、法令で定めるところの「放射線管理区域」基準を超えていることが観測されている。また、全体の20.4%が、管理区域よりもさらに厳しい管理が求められる「個別被曝管理」が必要となりうる放射線が観測された。」
http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/77b1f6c632e436b9bd3d14d5796877ee/


案内:第61回モダンアート展横浜展

2011年04月14日 23時31分56秒 | 美術/絵画
2011年4月14日-2
案内:第61回モダンアート展横浜展

 風間虹樹の製作による、
 「うごめき、いのち、、」
 [130.3x162.0cm(F100横)。麻カンヴァスに、アクリル]
が、下記にて開催される<第61回モダンアート展横浜展>にて、展示されます。

 第61回モダンアート展の仙台展は、この度の東日本大震災で中止となり、(そして横浜で予定されていた新人展は取り止めとなり)会期と会場を変更して横浜展となったようです。
 なお、「今展覧会の入場料はこの大震災の義援金とさせていただきます」とのこと。

 
◇ 記 ◇
名称:第61回モダンアート展横浜展
会期:2011年9月5日(月)~10日(土)
時間:10時~18時。
   ただし展覧会初日は飾付け終了後開館、
   最終日の10日は16時まで。
会場:横浜市民ギャラリー
   (横浜市教育文化センター3階)
   横浜市中区万代町1-1
   JR関内駅南口改札口を出て右側正面。
案内掲載頁:
http://modernart-kyokai.com/tenshokai01.html


絵画技法の分類から抽象絵画へ

2011年04月14日 22時40分37秒 | 美術/絵画
2011年4月14日-1
絵画技法の分類から抽象絵画へ

 西田(2001: 122)は、パウル・クレーの作画構成の技法(作画構成法)を分類した主要な結果として、
  1. 色面の段階的移行
  2. 平行線によるフィギュレーション
  3. 方形絵画と魔法の方陣[マジック・スクエア]による作画
  4. 構造が生む多様なリズムの表現
  5. 吹き付け(スパッタリング)による彩色法
  6. 「層の高低による」水平線作画法
  7. ダイナミックなポリフォニーと色彩のポリフォニー
  8. パステルによる作画
  9. さまざまな構成的コンポジションの道
を挙げている。

 分類基準が錯綜しているように思う。

 まず、8の「パステルによる作画」は、パステルという絵具に着目した分類である。クレーは水彩絵具や油彩絵具を使ったり、一つの画面にその他の色々な絵具を使っている場合がある。一つの作品の絵具構成という観点から分析するならば、面積割合で測定して、糊絵の具は40%とかの記述をすべきである。
 層状に作られている場合にはたとえば、最下層は、兎膠に石膏とかカオリンだとか、その上の層はアクリルで、その上の層は油彩、その上の層はグロス・メディウム+雲母、最上層はアートグルーでの水干絵具と新岩彩、といったようになる。或る層で削る場合もあるだろう。
 
 「フィギュレーション」とは「模様を施すこと」だとすると、2は、平行線によって模様を形成すること、だろうか。
 平行線は輪郭線の一つだとすると、まず、輪郭線の有無または、画面のどの部分にあるか、という記述をすることになるだろう。
 これは要素形態的か連続的形態か、あるいは線描的か色面的かの分類が先立つだろう。

 離散的な記述を適用するならば、絵画とは或る一定の表面に色彩的物体(光でもよいが)を置くことである(定義)から、いくつかの正方形で区切って観測し、それぞれの面積についてどのような色(色相、明度、彩度)かを記載すればよい。
 しかしそれは適切な格子面積で、あるいはいくつかの格子面積の大きさでやらなければ何も明らかにはできないだろう。そこで、プログラムを作って画像を分析するとよい。
 実践的には時間節約的に、あるいは金銭節約的に、自らが生物測器となってやる手があるだろう。たとえば、要素を認識してその分布状態を記述するのである。要素形態が無い場合は、だんだら的だとか、色彩連続移行 gradation的である、とかと表現すればよい。

 人は、個体(物体)認識をすることが多い。そして、それが何であるかの同定をする。何であるかわからないと、落ち着かないかもしれない。或る観測空間内で、個体であるかどうかは、(形態の)輪郭によって検出する(したがって検出されないようにするには、たとえば輪郭を背景に合致させることである)。
 そしてこの輪郭は、線として表現されることが多い。輪郭線である(脳内認識システムでは、輪郭が際立つようになっているだろう。柱[コラム]構造)。

 輪郭をぼやかすと、存在物はぼやっとした存在状態として受け取ることができる。それを幽玄的に感じる人もいるかもしれない。
 
 以上から、暫定的結論として、絵画を物体として存在させるには、抽象的にするのがよいということである(なんという飛躍!)。

 [標語] 絵画性で勝負、存在感で勝負、精神性でも勝負。それには、抽象絵画。


 
[N]
西田秀穂.2001.6.パウル・クレーの芸術??その画法と技法と??.250pp.東北大学出版会.


案内:アートムーブ2011 絵画コンクール展

2011年04月13日 23時11分31秒 | 美術/絵画
2011年4月13日-5
案内:アートムーブ2011 絵画コンクール展

 風間虹樹の製作による、
 「生命火花、…… a flower devas……」
 [50.1x60.7cm。麻カンヴァスに、アクリル、墨、油彩、プラスチック紙(縁取り)]
が、下記にて開催される「アートムーブ2011 絵画コンクール展」にて、展示されます。

◇ 記 ◇
名称:アートムーブ2011 絵画コンクール展
日程:2011年5月13日(金)11時~18時
       5月14日(土)11時~20時
       5月15日(日)11時~17時
       5月16日(月)11時~19時
場所:大阪市立総合生涯学習センターギャラリー
   大阪市北区梅田1-2-2(大阪駅前第二ビル5階)
   電話:06-6345-5000(代)
   JR北新地駅・東改札口前より第2ビル直通
   JR大阪駅より徒歩8分
入場料:無料