生命哲学/生物哲学/生活哲学ブログ

《生命/生物、生活》を、システム的かつ体系的に、分析し総合し統合する。射程域:哲学、美術音楽詩、政治経済社会、秘教

逢坂を展ずる、ずるっ

2010年10月31日 18時46分17秒 | 美術/絵画
2010年10月31日-2
逢坂を展ずる、ずるっ



 
 某月某日、福田平八郎は写生をもとに「漣」を描いたはずだから、画面で視点を移動しての合成(たとえば、小磯良平の「斉唱」とか、いつかの名古屋での創画展での手前の坂から海へと続く或る不思議な絵とか)ではないはずだが、というところ(気分的場所)から、見下した大坂城。もとより、絵画は二重に、錯覚です。一重の錯覚で済ます(澄ます)のが、抽象絵画か。

美術修行2010年10月23日(土)/鈴木悠高 個展 -Evolution- vol.5

2010年10月26日 18時52分38秒 | 美術/絵画
2010年10月26日-2
美術修行2010年10月23日(土)/鈴木悠高 個展 -Evolution- vol.5

 JR札幌駅の昼。今回のお蕎麦は、北竜産。後で、大盛りにすることができた。冷たいお蕎麦のわさびは、網走産山わさびを使用。山わさびが野外で実際に植わっているのをまだ見たことが無い。

 第27回北海道女流工芸「一の会」展/大同ギャラリー(札幌)。

 書と彫刻・二人展 金久保天翠(書)佐藤一明(彫刻)/ギャラリーたぴお。立体は壁に木製の台をしつらえて、置いていた。根元から上へと二つ、あるいは三つに分かれる、そのことがもたらすことはなんだろう?

 佐々木けいし 展/STVエントランスホール。レールを6cm幅に切断したのではないかと思うものを、の、円形などに組み合わせ、など。錆びは、時間経過を示す? この作者の同様のものが、道展に展示されていた。
  ふと、思った。立体空間にいるのに、なぜ絵画などは平面なのか。利用できないものとことは? 絵画は何を追究しているのか? たとえば、紙の立体で、重く彩色する。

 藤野千鶴子展/札幌時計台ギャラリー2F A室。作者は美術文化協会会員。橙系の色を大きく使ったりして、明るいエネルギーを感じさせる。多くの作品は、要素数が多い。したがって、にぎやか。
 北海道美術ネット別館
http://blog.goo.ne.jp/h-art_2005/e/01afded9c2aeaf53779552334f0d9b16
に画像があるが、それらは画面が整理されている。このような傾向のものも、少しあった。

 
 鈴木悠高 個展 -Evolution- vol.5/札幌時計台ギャラリー 2階B室。


  部屋の長辺の北面いっぱいに、F60が、目測30cm間を空けて8枚並ぶ(各価格つき)。短辺の東西面は使わず。南面には小品がSM3点(額有り、各価格つき)とS0が3点(額無し、各価格つき)。大変ぜいたくな空間の使用で、照明がうまく調整されているので、主役となる北面の8枚は、実に素晴らしい。春では、黄色地にやや大きな黒っぽい一つの穴が画面に出現していた。今回は、かなり縁が明瞭な縦縞が出現し、色は橙系と緑系が加わった。縦縞部分は、一部漸進的に色が変化し、反転する場合もある。新しい展開であり、一段と高い境地が開けたように感じさせる作品と展示であった。このような作品を分類、記述または分析する術は、どう組み立てたらよいのだろうか。層別して、相互浸透度を測るか。会場内で、Bachの完全音楽、という声が聞こえた。次はどんな展開になるのか、予想がつかない。
  北面の8枚のなかでわたしの好みであえと選べば、ぼやっとしたほうの、色彩漸進的反転が面白い下記のもの。



 第85回記念道展/札幌市民ギャラリー。
 「鑑賞のしおり」の1~8が各室の(多く場合)入口付近に置いてあった(全室にではない)。新しい試みである。A5版大の表面に三人が自作解説。白黒画像もあり。
 抽象的作品は一階の第3室と二階の一室に集中。
 A4を二つに折って4頁にした、道展鑑賞カードというのがあった。「好きだと感じた作品を2つ選んでみましょう?〔ママ〕」とか、鑑賞のしおりを「この用紙に綴じ込みましょう」とあった。これは、アンケートとして提出するのではなく、持ち帰るのだろう。

 
 横山隆展/ギャラリー喫茶チャコ/最寄り駅は地下鉄北24条。最大20cmくらいにも突出する立体的壁掛け作品と、通常平面的壁掛け作品。立体的なものは、今回さらに前方へ突出しているように感じた。平面的絵画は、6mほど離れると良い見えとなる。縦と横の手書き的線が色彩を織りなして、画面全体が映えるような作りで、綺麗で独特の効果が出ている。縦と横の線による、その美的結果は味わいがある。

 喫茶チャコに、東出隆「大森英櫻「無双原理講義録」を読む」が掲載されている、書きたい人の書きたい冊子とする、『よりみち仲間』Vol.82、があった。100円カンパして、入手。最新はVol.89のようだったが、Vol.81はそこには無かった(翌々日訪ねた北都館でも、Vol.82以降が置いてあった)。


現代美術第2期 赤と黒/滋賀県立近代美術館

2010年10月26日 16時46分22秒 | 美術/絵画
2010年10月26日-1
現代美術第2期 赤と黒/滋賀県立近代美術館

 桑山忠明についての説明文。
  「桑山は自らの芸術を「ピュア・アート(純粋芸術)」と呼ぶ。作者の言葉を借りれば、そこには「観念も理想も意味も、画家の人間性さえも入っていない。ただアートがあるだけ」である。それは……画家の精神から独立した物体として存在しているのである。」

 コレクションについての掲示説明。
  「アメリカの戦後芸術は、たとえば画家自身が画布のうえを歩きながら絵具をたらしたり、広い色面そのものを呈示したりすることによって、伝統的にヨーロッパの美学から完全に解放されたのです。」

 村上友晴は、「日本のミニマリズム絵画の代表的存在」だとあった。
 リチャード・セラ1981「床に立つ横長の長方形」0.1☆。問題提起的? セラの説明。
  「作品が置かれる環境や状況などの「場」そのものを鋭く問いかけている。」
 アントニ・タピエス1960「黒い空間」0.05☆。x印(の構図)。ごく小さく木が見えるところは、破損とのことだった。
 アド・ラインハート1960「トリプティック」0.5☆。
 桑山忠明1965「無題」0.6☆。
 斎藤義重1961「作品 12」0.1☆。表面彫刻が少し面白い。
 横溝秀美1983「無題」0.2☆。
 ルチオ・フォンタナ1962「空間概念」1.2☆。 
  「1950年代にはいるとキヤンバスに小石を貼つけた作品を経て、穴をあけ*、切り込ん**作品に*到達する。」〔*は書き写し文字の解読不明部分〕
  動きが出ない? 左上から右下へ1, 2, 3と太くなる。地は赤。

    裂(=切り込み)の目測値
  裂  長さ   最大幅
  1: 40cm  0.3mm    1cmくらいのふくらみとなっている。
  2: 70cm  0.7-0.8mm  
  3: 70cm  1.3mm    縦の真ん中部分で凹む。

  (文中敬称略)

 「2010年9月5日-3 フォンタナ、タピエス(滋賀県立近代美術館)」
http://pub.ne.jp/1trinity7/?entry_id=3159215
と 「2010年9月24日-1 美術修行2010年9月18日(土)」
http://pub.ne.jp/1trinity7/?entry_id=3198424
への追加です。