生命哲学/生物哲学/生活哲学ブログ

《生命/生物、生活》を、システム的かつ体系的に、分析し総合し統合する。射程域:哲学、美術音楽詩、政治経済社会、秘教

美術修行2014年3月31日(日)

2014年03月31日 23時58分57秒 | 美術/絵画
2014年3月31日-1
美術修行2014年3月31日(日)

 東京都美術館の情報館にて、いくつかの本を見た。
 石本正の画集。胡粉による透明感。
 Cy Twombly サイ・トゥオンブリのカタログレゾネの第V巻。
 
 フランク・ロイド・ライト(三輪直美 訳 2009/12/25)『有機的建築』の133頁からは、「有機的建築のキーワード(一九五三年)」という一文がある。
  「世にはびこるご都合主義の波にあらがって、私と仲間たちが心のなかで灯しつづける大きな希望の明かりを、教義や主義を信奉する者たちが吹き消そうとしています。付け焼き刃的な知識は。アメリカの若い建築家の作品を貧弱にし、教育機関を使って偉大な芸術である建築に害を与えているのです。しかし、これはおそらく商業化された科学には有利な状況でしょう。もし、有機的な(すなわち内発的な)建築がアメリカ社会から抹殺されるなら、この国の人々が本物の文化を手にすることは決してありません。」(ライト(三輪直美 訳)『有機的建築』141頁)。
  
























美術修行2014年3月30日(日)

2014年03月30日 20時50分54秒 | 美術/絵画
2014年3月30日-1
美術修行2014年3月30日(日)

FACE展2014 損保ジャパン美術賞展/損保ジャパン東郷青児美術館/無料観覧券
 現代美術的または当代美術的なものは無かった。

 中村一美展の窓口で、三つのうちどれから見ると割引が大きいかを聞くと、日本アンデパンダン展は無料だから一番目に、と。

日本アンデパンダン展/国立新美術館/入場無料
 ミシン目つきの六枚の投票用紙が配布される。各作品のそばに糊がついていて貼付けられる紙面がある。
 抽象は少ない。

中村一美展/国立新美術館/割引で800円
 すでにセゾン現代美術館や国立新美術館(だった?)や宇都宮美術館(だった?)などの数か所で数点は見ていた。
 狭い変異範囲での様々な単位形態があったが、特段の魅力のものは無かった。配列にも突破したところは感じられなかった。銀的や蛍光塗料的な絵具は下品に感じた。
 絵画的思考をしたのだろうが、図録にどんな感性的受けとめや解読が書かれていたのか。

イメージの力??国立民族博物館のコレクションにさぐる/国立新美術館/割引で800円。
 「イメージ」の日本語訳も定義も述べられていなかった。鍵語が日本語で定義または説明されていないのは、どういうわけなのか。
 最初の部屋で、大きな顔の実物像が三体。眼や顔の縁取りが宝貝であったりする。

VOCA展2014 現代美術の展望─新しい平面の作家たち/上野の森美術館/ネット割引券で400円
 全体を三巡した。
 絵具のありきたりな使い方ではない作品の作者として、
  阿部未奈子、川北ゆう、金光男、染谷悠子、山本雄基、
が挙げられる。

 今回一番見応えのあった山本雄基作品は、このような製作法によるものを札幌や帯広で10点以上は見たが、このように大きなものは初めて。側面を見ると1cm近い層になっている。かなり良い。三枚のパネルを隣り合わせていることによる二本の縦線、が無ければもっと良い。図録での推薦者の文章によると、単位体を円だけにしたとのこと。重ね合わさった透明的複合色があちこちで、また全体的にもたとえば4mくらいのところから見ると見栄えが良い。それぞれの色が映えていて調和がある。またたとえば20cmくらいから見ても楽しめる。もう一工夫か二工夫で大傑作が産まれるかもしれない。
 良い効果となった場合について、
 アクリル絵具の或る色彩の0.01mm当たりの透明度(数値)を(目測ででも)測定する。
 奥面に配置した或る色彩とその上に別の色彩を配置した結果を測定する。
 いくつかの数値またはカテゴリー式を立てる。
 個体面積の大きさと配置を計算またはパソコンで画面模擬する。
 (あるとして)絵画的思考って、何だろう?

 阿部未奈子作品は、風景画。パソコンで左右に揺らめかしたらしい。マスキングしてローラーで着色したとのこと。異なる色の境目にはカッターで切り込んだような跡のように見えるものがある。側面を見ると絵具の厚みは2mmぐらいである。具体物の像的力を用いず、抽象だと面白くなるかもしれない。

 川北ゆう作品は線による構成。もう一工夫か二工夫すると大化けするかもしれない。

 金光男作品はワックスを溶かすことによる、形態の崩れまたはぶれまたは溶解。網とか間隔が同一の平行線といった規則的模様でなければ面白くなったかも。

 染谷悠子作品は、遠くから見ると普通の描き方にも見えるが、明るくい輝きがあるのは、和紙を彩色して貼ったりしているからだろう。手で千切れば縁で和紙の繊維が毛羽立つが、その効果が生かされた一部もあった。これも要素の数を減らして抽象にするとどうなるのだろうか。

 概念芸術的要素の大きい作品としては、たとえば「080-1234-9876」といった携帯電話の番号と解釈してしまうだろう数字の並びを紙に印刷したのがあった。ちゃんと素材として「壁」も含めた記述をしていた。ところで、たとえば数十分後に二回見ようとする人はいるのだろうか。
 
 さて、大坂秩加の左側作品は、婚姻届用紙に印刷されている文字や罫線を、無色で凸的に(凹的だったかな?)刻印した紙に手書きの文章が書いてある。それと右側に縦長の作品を配置。

髙柳恵理「油断」/上野の森美術館ギャラリー/無料
 概念芸術的かつ最小主義的。









形態の進化

2014年03月29日 12時48分59秒 | 秘教/オカルト科学
2014年3月29日-2
形態の進化

 アリス べイリーの講演録である『原子の意識 The Consciousness of Atom』の
  LECTURE III. The Evolution of Form, or Group Evolution.
  講義3 形態の進化、または集団進化
では、プルターク Plutarch(日本語訳 54頁では「プラトン」となっている)の考え方に言及している。

  「To my mind, Plutarch conveys the idea of the manifestation
of the subjective through the medium of the objective form
in a much more illuminating way than does the dictionary.
He says : ?

  "An idea is a being incorporeal, which has no sub-
  sistence by itself, but gives figure and form unto shape-
  less matter, and becomes the cause of manifestation." 」
(Alice A. Bailey "": )

  「わたしには、プルタークは、客観的形態という媒体による主観の顕現という考えを、辞書よりも極めて啓発的に伝えていると思います。彼が言うには:

   「考えは無形であり、それ自体はいかなる生活〔生存〕も持たない。しかし、形状の無い質料に形象と形態を与え、顕現の原因となる。」
」[20140329試訳](アリス ベイリー(AABライブラリー訳 2002/5/20)『意識の進化』54頁を参照した)。


風間虹樹の絵画作品展示のご案内/第64回モダンアート展(東京、京都)

2014年03月29日 10時56分32秒 | 美術/絵画
2014年3月29日-1
風間虹樹の絵画作品展示のご案内/第64回モダンアート展(東京、京都)


 風間虹樹の作品が、下記の第64回モダンアート展にて展示されます。
 ご楽覧いただければ幸いです。

 
◇ 第64回モダンアート展 ◇
会期:2014年4月1日(火)~16日(水)
    ただし、4月7日(月)は休館です。
時間: 9:30~17:30  [入場は17:00まで]
    最終日入場は 12:00まで、閉会は 13:00。
会場:東京都美術館(上野)
   ロビー階 第1展示室~第4展示室
   ギャラリーA、ギャラリーB
観覧料:一般800円(400円)、大学生400円(200円)、高校生200円(100円)
      ※( )内は団体料金(10名以上)  
     中学生以下・70歳以上・障害者手帳をお持ちの方と付添(1名) 無料。
内容:油彩画、デザイン、スペースアート、版画、彫塑・立体、写真。

◇ 第64回モダンアート展 京都展◇
会期:2014年5月13日(火)~18日(日)
会場:京都市美術館(岡崎)
観覧料:大人700円、高校大学生350円、小中学生無料。
内容:絵画・彫刻・写真・版画・デザイン・スペースアート。



Geoffrey Hodsonによる胚発生の透視研究

2014年03月28日 22時59分11秒 | 秘教/オカルト科学
2014年3月28日-5
Geoffrey Hodsonによる胚発生の透視研究

 1929年出版の『The Miracle of Birth: A Clairvoyant Study of Prenatal Life』には付録が無いようだが、Quest edition(1981)の『The Miracle of Birth: A Clairvoyant Study of a Human Embryo』には、Appendixがa、b、cと三つある。

a. The World Mother    ......................... 75
 (Chart?Part of the embryo and their
  corresponding principles and colors).... 78
b. Descent into Incarnation ........................ 81
c. Development of the Embryo?
 New Attitude ............................................ 91


Hodson, Geoffrey. 1929[First Quest edition, 1981]. The Miracle of Birth: A Clairvoyant Study of a Human Embryo. 98pp. [B19850817] [Rh19850820]
[My Citation:
「The consciousness of the ego wa beginning to touch the emotional level and to influence directly the building of the emotional body. (...). / The line of communication between the ego and the fetus has gradually become broader. (Hodson 1929: 42)」
「The shape of hte physical body is decided by that of the etheric mold into which it is built by the nature-spirits. This mold is produced partly by the formative power of the "sound" vibration emitted by the zygote and permanent atom, *[= see Chapter 5] and partly by the Lords fo Karma, who model it according to the karma of the individual. (Hodson 1929: 43)」
「The end of the shaft ...
 At the moment of fertilization a flash of light descends from the highest spiritual level of the ego into the spermatozoan, gives it its creative impulse and energy...(Hodson 1929: 45)」
「Appendix b. Descent into Incanation pp.81-90」
「Appendix c. Development of the Embryo pp.91-95」

Hodson, Geoffrey. 1955[Fourth printing1977]. Occult Powers in Nature andin Man: Lectures Delivered in 1953 at the Summer Sessions at Olcott, Wheaton, Illinois, Headquaters of the Theosophical Society in America. xxviii+145pp. The Theosophical Publishing House, Adyar. [B19850817]

Hodson, Geoffrey. 1980[1952]. The Kingdom of the Gods. xxiii+272pp+3 charts+29 illustrations (color plates). The Theosophical Publishing House, Adyar. [B19850817] [at Cover page: 'As to the proof of the existence of these beings the author points out that, while there can be no demonstrable proof of the fruits of mystical experience, test by personal research is possible and he says, 'That test I have attempted to apply, and this book is in part a record of my own findings.' '.]

Hodson, Geoffrey. 1982[First Quest edition]. Fairies at Work and at Play observed by Geoffrey Hodson. 126pp. [B19850817]




Hodson, Geoffrey. The Miracle of Birth: A
http://hpb.narod.ru/MiracleBirthGH.htm

 Clairvoyant Investigations  Science
http://www.geoffreyhodson.com/Clairvoyant-Investigations-2.html


機構の定義と線図的図解 definition of mechanism and denotation of mechanism by diagram etc

2014年03月28日 14時17分23秒 | 生命論
2014年3月28日-4
機構の定義と線図的図解 definition of mechanism and denotation of mechanism by diagram etc

1. 機構的説明 mechanis_m_ic explanation

 物体産出や機能をもたらすもの、それを(さしあたって)機構または仕組み mechanism と呼ぼう。

 線図 diagramなどで図解すると、そのシステムの本質が見て取れるように表示できる。
  1. 構成要素の枚挙
   その図で示される作用者または反作用者たち actors or reactors〔agents〕または諸関係だけが、或るシステムの或る機構に関与する(と推定されると主張している)。
  2.

 
□ 文献 □
Bechtel, W. 2006. Discovering Cell Mechanisms: the Creation of Modern Cell Biology. xii+323pp. Cambridge University Press. [B20081105]

Bechtel, William. 2011/10. Mechanism and biological explanation. Philosophy of Science 78: 533?557.

Bechtel, William. 2007. Biological mechanisms: organized to maintain autonomy. F.C. Boogerd, F.J. Bruggeman, J.-H.S. Hofmeyr and H.V. Westerhoff (Eds.), "Systems Biology": 269-302. Elsevier.
[http://mechanism.ucsd.edu/research/bechtel.biologicalmechanismsorganization.pdf[受信:2014年3月28日]]

Bechtel, W. and Abrahamsen, A. 2005. Explanation: A mechanist alternative. Studies in History and Philosophy of Biological and Biomedical Sciences 36: 421?441.

Fagan, Melinda Bonnie. 2012/12. The joint account of mechanistic explanation. Philosophy of Science 79(4): 448-472.

Fagan, Melinda Bonnie. 2013/12. The stem cell uncertainty principle. Philosophy of Science 80(5): 945-957.

Gebharter, Alexander. 2014/1. A formal framework for representing mechanisms? Philosophy of Science 81(1): 138-153.

Machamer, P., Darden, L., and Craver, C. 2000. Thinking about mechanisms. Philosophy of Science 67: 1?25.

Nicholson, Daniel. 2012. The concept of mechanism in biology. Studies in History and Philosophy of Biological and Biomedical Sciences, 43: 152-163.

Rosenberg, A. 1978. The supervenience of biological concepts. Philosophy of Science 45: 368?386.

Rosenberg, A. 1985. The Structure of Biological Science. xi+281pp. Cambridge University Press. [B19870804, 3580円/紀伊國屋書店-新宿]

Rosenberg, A. 1994. Instrumental Biology or the Disunity of Science. x+193pp. University of Chicago Press. [B19990803, $38.00+59.75/5]

Rosenberg, A. 1997. Reductionism redux: computing the embryo”, Biology and Philosophy 12:445?470.

Rosenberg, A. 2006. Darwinian Reductionism: or, How to Stop Worrying and Love Molecular Biology. University of Chicago Press. [B20??????]

Rosenberg, A. & McShea, D.W. 2008. Philosophy of Biology: A Contemporary Introduction. xii+241pp. Routledge. [B20080424, y4023]

 Stanford Encyclopedia of Philosophy:Reductionism in Biology
http://plato.stanford.edu/entries/reduction-biology/
[受信:2014年3月28日]

 2013年8月21日-2 生命論資料 2013-002
http://pub.ne.jp/1trinity7/?entry_id=5014847 

 2012年8月11日-1 創発と還元主義
http://pub.ne.jp/1trinity7/?entry_id=4471491

 2012年7月17日-14 生物学における還元主義
http://pub.ne.jp/1trinity7/?entry_id=4432764

 2013年4月10日-5 タクソン学の基礎:本質主義と進化的思考

---
Akins, Kathleen A. and Hahn, Martin. 2014. More than mere colouring: the role of spectral information in human vision. Brit. J. Phil. Sci. 65: 125?171.

 
=== Encyclopædia Britannica
reductionism, in philosophy, a view that asserts that entities of a given kind are collections or combinations of entities of a simpler or more basic kind or that expressions denoting such entities are definable in terms of expressions denoting the more basic entities. Thus, the ideas that physical bodies are collections of atoms or that thoughts are combinations of sense impressions are forms of reductionism.

Two very general forms of reductionism have been held by philosophers in the 20th century: (1) Logical positivists have maintained that expressions referring to existing things or to states of affairs are definable in terms ... (100 of 288 words)


エルンスト ヘッケル Ernst Haeckel の日本語文献一覧

2014年03月28日 12時55分21秒 | 生命論
2014年3月28日-3
エルンスト ヘッケル Ernst Haeckel の日本語文献一覧

ヘッケル,E.1892(石井友幸訳 1944).自然創造史 上.360+7pp.晴南社.[5.80円][Haeckel, E.][B19??]

ヘッケル,E.1904(後藤格次 訳 1928).生命の不可思議 上.228pp.岩波文庫.[450円][Haeckel, E.][B19??]


ヘッケル,E.1904(後藤格次 訳 1928).生命の不可思議 下.548pp.岩波文庫.[500円][Haeckel, E.][B19??]

八杉竜一.進化論の歴史.

 「The Secret Doctrine. Index and Bibliography」(The Theosophical Publishing House 1979)のpp.143-144に、「HAECKEL, Ernst (1834-1919)」の索引がある。


八杉龍一『生命論と進化思想』より

2014年03月28日 12時53分55秒 | 生命論
2014年3月28日-2
八杉龍一『生命論と進化思想』より


 丘英通『生物学概論』を三十数年前に読んだとき、「概論」とは何かが定義してあって、感心した。

  「第三章 二〇世紀の生物学と生命論

 戸坂潤「生物学論」、丘英通「生物学概論」がそれぞれ、岩波講座『生物学』の一冊としてでたの
は、一九三〇?三一年であった。〔略〕戸坂の著作〔略〕では、生命論にかんして
ドリーシュから問題が引きだされており、そしてカントによる合目的性の吟味が議論の一支柱として重要な役割をしている。〔略〕
丘においてもドリーシュ、カント(目的論にかんし)の見解が紹介
されており、それらが当時の生命論における重要な重大なポイントであったことを示している。丘ではまた、
二〇世紀前半の生命観の一特質である全体論的観念、ならびに生体論(有機体論)の立場が説かれている。
 現在では、生命論の議論をドリーシュから出発することは、あったとしても僅かであろう。実験発
生学の研究ははるかに進んで、ドリーシュの立論の根拠とされた実験的結果は、それにとくに哲学的
解釈を与えねばならない、あるいはそれに価するとは、考えられなくなった。(2)
    〔64頁〕(2)〔略〕かれによればエンテレヒーという超自然的な
          原理が生物を全体的な調和した系として成り立たせる。
          ドリーシュのこの観念は新生気論とよばれる。
生命現象の合目的性に
しても、一般に生物学者は、自然選択説にもとづいて科学的に説明すればそれで足りるという考え
であり、モノーの『偶然と必然』(一九七一年)はその観念を代表すると見ることができるであろう。
生命現象の全体性ということも、生体論(ベルタランフィ)の諸観念と同様、現象の記述としては存続
可能であり、実際に存続してもいるが、特殊な哲学原理でそれを説明する企ては、少なくとも生物学
者の間では有力ではない。
 生命現象の根底となる分子的機構が基本的に解明され、生命の起源にかんする科学的研究がいちじ
るしく前進してその問題を神秘から引きだすようになったこんにちでは、生命観の哲学的議論は以前
ほど興味をもたれなくなったし、それがなされる場合にもその形態は以前とは異なるものになった。
生物学が基本的な急速な発展をつづけている現在、わが国で生物学の各種の「講座」が相ついで刊行されてい
るが、それらにはいまいった傾向が認められる。生命観的および方法論的議論はまったく扱われてい
ないか、あるいはそれらがかつてまとった古典的な哲学の衣装を脱ぎすてているか、いずれかである。」
(八杉龍一 1984/8/10『生命論と進化思想』57-58頁)。

 上記の「生命現象の根底となる分子的機構が基本的に解明され」とは、いわゆる中心教義 central dogma と呼ばれるデオキシリボ核酸から蛋白質合成の過程をもたらす機構を指すのだと思うが、いまでもその機構は解明されてはいないと思う。生成物質と触媒物質と生成順序がわかっても、機構の解明ではない。作用または力を同定しなければならないし、そして作用の仕組みを説明しなければならない。

 
  「E・ダーウィンの「偉大な第一原因(Great First Cause)を取
りあげてみよう。柳*[さんずい偏に弘]を含め日本の多くの思想家たちにおける陰陽の説や気一元論は、それ自体とし
ても個々の思想家においてもいろいろな含みがあるにちがいないが、「偉大な第一原因」と基盤にお
いて対比はされないであろうか。再び『理学秘訣』に戻ると、そこには「天地ノ間ハ、唯一気
アツテ陰トナリ陽とナルノミ。是ヨリシテ万物ヲ生生ス」という言葉が発見される。」
(八杉龍一 1984/8『生命論と進化思想』105頁)。

 
  「ダーウィンの進化論が一八五〇年代末に公にされたのち、ヘッケルは生物学とくに形態学を進化
の観念にもとづいて新たに体系化したのだが、そのさい方法の面で強調されたおもなことの一つは、
「比較は綜合であり、それが真の哲学的比較である」ということであった。分析を軽視するにはな
いが、実証主義的生物学とくにキュヴィエの亜流への批判を含んでいるといわれている。ヘッケルにおいて
は。比較的すなわち科学的であり、たとえば人体解剖学のように比較にもとづかないものは応用的科
学であるにすぎない。いずれにしろ比較は綜合であって、そこに生物界の重大な原理がとらえられる
と考える。まさに進化論時代に歩みいったその情勢を映しだしているのだが、厳密な方法論的検討か
らすればかれのいう綜合にはあいまいさが感じられなくはない。もっとも、現在でも生物学の方法に
かんして綜合ということがいわれる場合、しばしば厳密な概念規定を欠くことが指摘されている。」
(八杉龍一 1984/8/『生命論と進化思想』190頁。)

 比較とは、或る同一性のもとで、或る範囲で対象とした物事の間の差異性を分析し記述するものである。記述空間を張ることであり、対象を位置づけるあるいは分布させることである。
 さらには一定の仮定のもとに、それらの生成機構が解明されるとよい。

 
  「自然哲学的生物学では、見たところはなはだ奇妙な考え方がなされている。全体のなかに部分が
反復されている、つまり部分どうしあるいは部分が全体と等価だという考えである。たとえば頭部に
胴の全体が反復されているという。上顎が両腕に、下顎が両脚に、歯が爪にあたるというのである。
〔略〕生物体は、その微細な単位部分から
はじまり、それらが順次に高次の組織体に構成されていく各段階において、全体的な自動制御系を形
成しており、個体という全体も同様にして成り立つのである。自動制御系であるということは、一定
の決定機構にもとづいて自律性をもつことを意味し、すなわち環境にたいして独立性をあらわすこと
になる。それは「自由」の基盤でもあり、「自由」そのものでもある。進化を一面から見れば、それ
はかかる決定機構と自由が相関しつつ発展してきた過程である。その発展の頂点として、人間、つま
り人間的自由をもつ存在が生じたのである。」
(八杉龍一 1984/8/10『生命論と進化思想』222-223頁)。




合成生物学

2014年03月28日 07時11分26秒 | 生命論
2014年3月28日-1
合成生物学

 ゲノムや染色体は、計算機との類似で言えば、細胞システムが参照する記憶データである。
 参照データ(「遺伝」子とそれらをメチル化などして読み取り箇所の制御に関係するシステム)にもとづいて蛋白体を産生する下位システムは、ではどのようにして作動しているのか?
 システムの作動を説明するとき、設計概念抜きの説明は可能か?
 →時計職人の存在を仮定しない説明は、「単なる」「偶然 chance」または「機会 chance」に任せる場合、その確証は、成立する場合の数をもたらす条件が揃う「確率」の問題となる。
 →機械論は、機械の存在成立を説明しない。



古川健太郎.酵母を用いた合成生物学.
https://www.sbj.or.jp/wp-content/uploads/file/sbj/8904/8904_biomedia_6.pdf

欲望または志向による形態進化

2014年03月27日 23時53分23秒 | 秘教/オカルト科学
2014年3月27日-6
欲望または志向による形態進化

  「勇気を培う方法とは、あらゆる状況において勇気を示していくことです。状況に立ち向かい、勇気の中で成長することです。何でもやり続けることによって、勇気が培われます。小さな事で勇気を培っていくうちにも、宇宙全体の中で独りであるというような大きな事においても勇気を持つことが容易になります。」(クレーム 2002: 192頁)。

 あらゆる物質に意識があり、魚を海から乾いた陸地に駆り立てたり、類人猿から人間へと進化させたりしたのは、原子の意識であり、それに内在する欲望の原理だという。これは、「ラマルクの〈内在的で必然的な〉発展法則を構成しているデアーニ チョーハンの衝撃」が駆り立てているということになるのか?

 
  「いのちの本質とはまさに変化です。それは基本です。宇宙全体に変化以上にリアルな〔実在する〕ものはありません。変化が起こると、人は自分自身のマインドの中で、非常に取るに足らないやり方でしかそれをコントロール〔統御〕することができません。いのちが新たな形態、新たな表現方法を見いだすにつれて起こる変化は人間にはコントロールできません。
 最初に海から出て乾いた陸地に住み始めた魚は、それまで考えもしなかった変化を体験したのです。そこには私たちが志向と呼ぶメカニズムが働き、まさにその本性によって魚を海から陸に駆り立てたのです。魚は異なった環境を求めたのです。欲望の特性はグラマーですが、同時にそれはあらゆる岩や石、物質そのものの中にあります。死んだ物質というようなものはありません。あらゆる物質に意識があります。魚を海から乾いた陸地に駆り立て、類人猿から人間へと進化させたのは原子の意識であり、宇宙のすべての原子に内在している欲望の原理です。
 そのプロセスはロゴスによって思い描かれました。単なる物質的な可能性としてではなく、それは、すべてのものと同じように、エネルギー的な観点から心象化されたのです。エネルギーがそれを不可避なものにします。欲望そのものの原理、志向、いのちのまさに本質から、海の生き物から陸の生き物への変化が起こったのです。それを行うには勇気がいります。初めはすべての魚がそうしたのではありません。彼らは海の端まで来て、「いや、私はいやだ。あそこはそれほど濡れていないじゃないか。どうやって生き延びればいいんだ?」と言っていたのでしょう。するとある魚が通りかかって、おそらく第四光線タイプでしょうが、こう言った。「あそこは乾いている。よし、僕が行くから、みんなついておいで!」」
(『協力の術』p.192-193)[受信:2014年3月27日]
http://sharejapan.org/sinews/magazines/swl9d8/vep55f/57lqb5


クレーム,ベンジャミン.2002(石川道子 訳 2002/5/1).協力の術.356+x pp.シェア・ジャパン出版.[1,500円+税][B20020513][Rh20041016]



生命と物質

2014年03月27日 23時18分31秒 | 秘教/オカルト科学
2014年3月27日-5
生命と物質

  「物質はこの存在界での魂の顕現のための乗り物であり、
魂はそれより高位の界での霊の顕現のための乗り物であり、
これら三つ〔物質、魂、霊〕は生命によって総合される一つの三位一体である。
生命はそれらすべてに充満している。」
(『秘密教義』第一巻80頁)。[試訳20140327]

  「Matter is the Vehicle for the manifestation
of Soul on this plane of existence, and Soul is the
Vehicle on a higher plane for the manifestation of
Spirit, and these three are a Trinity synthesized
by Life, which pervades them all.
 “The Secret Doctrine” Vol. I. Page 80.」
Alice A. Bailey "Esoteric Psychology - Volume I",
SYNOPSIS OF A TREATISE ON THE SEVEN RAYS
[受信:2014年3月27日]
http://www.lucistrust.org:8081/obooks/?q=node/376






タクソンと家族的類似性

2014年03月27日 11時02分11秒 | タクソン学/走書き・草稿
2014年3月27日-4
タクソンと家族的類似性

 黒崎宏『科学と人間』の42~49頁は、「概念とコトバ」と題して、「ウィトゲンシュタインの言う「家族」と「家族的類似性」について述べ」ている。


□ 文献 □
小野山敬一.類似性と「みにくいアヒルの子の定理」.[http://www10.plala.or.jp/trinity7/taxon/duck.htm][受信:2014年3月27日。]]

黒崎宏.1977/10/25.科学と人間:ウィトゲンシュタイン的アプローチ.v+3+268+ii pp.勁草書房.[2,500円][B19980703]

黒崎宏.1997.言語ゲーム一元論:後期ウィトゲンシュタインの帰結.xii+220+3pp.頸草書房.[2,400円][B19990713]


関口浩喜.2009/6.家族的類似性についての予備的考察.福岡大学人文論叢 41(1): 1-34.[http://www.adm.fukuoka-u.ac.jp/fu844/home2/Ronso/Jinbun/L41-1/L4101_0001.pdf[受信:2014年3月27日。]

関口浩喜.2006/6.夢論.福岡大学人文論叢 38(1): 1-25.
[http://www.adm.fukuoka-u.ac.jp/fu844/home2/Ronso/Jinbun/L38-1/L3801-0001.pdf[受信:2014年3月27日。]]

横山信幸.2012年8月15日 (水) 家族的類似性の基準と徴候≪「探究」を探求する14≫
[http://sets.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/14-8280.html[受信:2014年3月27日。]]

渡辺慧.1978/?.認識とパタン.岩波新書.

渡辺慧.1986. 知るということ-認識学序説.vii+181pp.東京大学出版会, 東京.

田中勝.醜いアヒルの子の定理.
[http://www.sm.fukuoka-u.ac.jp/~sieger/Ugly_duckling_theorem.pdf
[受信:2014年3月27日。]]




秘教原論1:秘教における考え方と基本的前提

2014年03月27日 09時28分01秒 | 秘教/オカルト科学
2014年3月27日-3
秘教原論1:秘教における考え方と基本的前提



1. 仏陀 曰く……

 照応の法則 the law of correspondence

 
2. 知識と智慧

  「知識とは、〔略〕人間の発見したものと、経験したものとの綜合といってもよかろう。それは五感の感覚で認識し、人間の知性を用いて相互に関連づけ、診断し、定義し得るものであり、心の中で確かであると感ずるもの、或いは、実験によって確かめ得るものである。〔略〕要するに、事物の形態の面の成形と発達とを取扱うもののすべての謂である。故にそれは進化の物的面、及び太陽系と惑星(地球)と人間の進化の場である三つの世界と人間のもろもろの体とに於ける質料とに関心を寄せるのである。」[『人間と太陽との得度』、仲里誠桔 訳 1981: 14頁。]。
  「Knowledge ... might be termed the sumtotal of human discovery and experience, that which can be recognised by the five senses, and be correlated, diagnosed, and defined by the use of the human intellect. It is that about which we feel mental certitude, or that which we can ascertain by the use of experiment. (......) It concerns all that deals with the building and developing of the form side of things. Therefore it concerns the material side of evolution, matter in the solar systems, in the planet, in the three worlds of human evolution, and in the bodies of men.」(「Initiation: Human and Solar」[受信:2014年3月27日。]
http://www.bailey.it/images/testi-inglese/Initiation-Human-and-Solar.pdf

  「叡智は、〔略〕形態の内にある生命の発達、千変万化する乗り物を通じた霊の進歩、そして生命〔生涯〕から生命〔生涯〕へと互いに継いでいく意識の拡張と関係する。それは、進化の生命の面を扱う。それは物たち things の本質を扱うのであって、物そのものを扱うのではないから、推論能力からは離れて、真理を直観的に感知することであり、また偽と真の間、実在と非実在の間を区別する内的知覚である。〔略〕
 知識が質料の学〔科学? →秘教でのscienceの定義を探すこと〕であるように、叡智は霊の学である。知識が分離的で客観的にあるのに対して、叡智は総合的で主観的である。知識は分割し、叡智は統一する。知識は区別し、叡智は融合する〔組み合わせる〕。では、礎解〔x理解〕 understanding とはどういう意味であるのか?」[20140327試訳。仲里誠桔 訳 1981: 14頁を参照した。]
 「Wisdom ... has to do with the development of the life within the form, with the progress of the spirit through those ever-changing vehicles, and with the expansions of consciousness that succeed each other from life to life. It deals with the life side of evolution. Since it deals with the essence of things and not with the things themselves, it is the intuitive apprehension of truth apart from the reasoning faculty, and the innate perception that can distinguish between the false and the true, between the real and the unreal. (......)
  Wisdom is the science of the spirit, just as knowledge is the science of matter. Knowledge is separative and objective, whilst wisdom is synthetic and subjective. Knowledge divides; wisdom unites. Knowledge differentiates whilst wisdom blends. What, then, is meant by the understanding?

 
3. understanding 礎解

 understanding とは、下に立つことである。すなわち、なんらかの物事について、その元または基体を把握することである。