生命哲学/生物哲学/生活哲学ブログ

《生命/生物、生活》を、システム的かつ体系的に、分析し総合し統合する。射程域:哲学、美術音楽詩、政治経済社会、秘教

エンテレキーは情報か?

2012年08月30日 22時45分47秒 | 生物哲学
2012年8月30日-3
エンテレキーは情報か?

 エンテレキーは情報か?
 そう主張するまたは解釈する根拠と文脈は?

ドリーシュ『生気論の歴史と理論』訳書
 230頁。ontology 本体論→存在論。
 235頁。機械論と生気論についての記述。生気論のなし得ることが述べられている。
 236頁。カンメラーについて。
 238頁。マシン理論。
 238頁。ルーは当初は、展開論者 evolutionist。「情報」はどの細胞にも分配される。「全体性」=個体性を、片方の細胞だけでも持っていた。
  カエルでは、分化= DNA活性化。
  ウニでは、1/4でも、全体性=個体性。8細胞期になるとダメ。
 241頁。だだし→ただし[誤植]。
 243頁。胞胚が等能(個体発生)系であるのは、細胞分割において、核やミトコンドリアのがどれにも、したがって1組のゲノムが存在するからである。[この言い方は変?]

 
 システム主義では、情報は、どのように扱うか?
 Bunge 1999では、
  system =〈composition、structure、environment、mechanism〉
  システム=〈構成、構造、環境、機構〉
   (註。〈〉は順序n組であることを表わす。)
だが、
  システム=[(構成、構造、機構)、環境]
と書き直すことにする。ここで()は、或るシステムとそれを取り巻く環境との関係を示すためのものである。さらに、統御的階層または制御的階層を導入するために、
  システム=[機構(諸機構)、環境]
と、メカニズムに統御という観点から見た階層を考える。ここで、()の内外は或る下位システムとその直近の上位システムとの関係を表わすためのものである。ここでは、或る作用または生物体全体での機能的過程をもたらす機構 mechanism を問題としている。当然、或る機構は環境諸条件との関係で作用する。
 Bunge (1999)は、機構を無視すれば、システム=〈構成、構造、環境〉となると言っているが、システムの作動を問題とする場合には、そのシステムが備えている機構 mechanismの解明が重要である。とりわけ、生命、生物体、あるいは種(または種的存在様式)について知りたい場合は、そうである。

 一元的に機構を解明して、作動様式を解明するのがよい。制御においては、様々な情報の伝達と加工または変換が行なわれる。その際の(物質的および、あるとして非物質的)経路と作動機構が解明されるべきである。

 情報と同定するためには、何が必要か?
 発信システムと経路と解読システム。
  1. 発信者ー媒体ー受信者。渡辺慧の指摘を参照せよ。
  2. 物質に担われる。
  3. 物質の配列状態の読み取り。
  4. 情報のシステム的使用。
    [DNA対応表の場合]

 [当時の「誤同定」→同定カテゴリー体系の間違い。]



戦略的言明

2012年08月30日 14時50分15秒 | 放射能
2012年8月30日-2
戦略的言明

 偉大な偽書(「偉大な」も「偽書」も、様々な解釈が可能)と言われるのが、『シオンの議定書』である。

  「力と偽善がわれわれの標語である。」(永淵一郎 1987『ユダヤ人とクレムリン??二つの議定書』18頁)。

 Impeiが国際的に通じるようになったのはだいぶ前のことである。耐震偽装や食品の生成分偽装や産地偽装など、業界の一部では嘘が社会に通用した(通用している)。

 では、どのような種類の力なのか、と問おう。
 ところでしかし、善意は、全体での作用または影響の結果を考えずにいると、悪の勢力(金儲け主義者たち、新自由主義者たち、グローバリズム者たち、の一部)に利用される。とりわけ、政治経済的側面において、注意が必要である。(例:地球温暖化の脅威を「善意的に」危惧する人たち。)
 
  「目的達成のためなら賄賂も、詐欺も裏切りさえもためらってはならない。〔略〕遠慮会釈無く他人の財産だって収奪すべきである。」(19頁)。

 現今の野田政権(権力の意思決定者たちとそれを操る者たち)のやった原発再稼働や増税法案可決(とその舞台回し)は、ピッタリこのことである。

 
[C]
コーン,N.1981.(内田樹 訳,1986)シオン賢者の議定書-ユダヤ人世界征服陰謀の神話.470+31pp.KKダイナミックセラーズ.[B870423, y2500, Warrant for genocide.Brown University.][この本、記憶に無い]

[N]
永淵一郎.1987.2.ユダヤ人とクレムリン??二つの議定書.325pp.新人物往来社.[1800円][B19870319][RH19870418]


ドリーシュのエンテレヒー Hans Driesch's entelechy 走書き

2012年08月30日 13時56分09秒 | 生物哲学
2012年8月30日-3
ドリーシュのエンテレヒー Hans Driesch's entelechy 走書き

 ハンス ドリーシュのエンテレヒーは、

  「心の概念と同様に、それは物質的な物体にたいしてなんらかのはたらきかけをする非物質的ななにものかである。ドリーシュはそれをなんがあるかをいうのに、ほとんど、それが何でないかということでいいあらわそうとしている。〔略〕「それ自身が現実性からはばんでいたもの、つまりそれがこれまで押さえていたものを、解放して、現実化できるものである。〔23=『Science and Philosophy of Organism 有機体〔生物体〕の科学と哲学』、vol.2, p.180〕」
 〔略〕
 「二つの系が物理学的-数学的にあらゆる点で絶対的に同一であっても、それら二つの系が生きた系であるならば、それらは絶対的に同一の条件のもとでちがった行動をとることができます。なぜなら、生体〔organism、だろう〕の特質ぜんたいのなかにはあるきまったエンテレヒーの特殊性というものが含まれており、そしてこのエンテレヒーにかんしては、物理化学的にものや関係についての知識はまったく何も教えないからです。」〔略〕
 ドリーシュは自分のたてたエンテレヒーの概念が、物理学者たちの公理的概念と??質料、エネルギー、力など??が有意味のものになったと同様に、知用されて有意味のものになることを願った〔略〕」
   (スミス『生命観の歴史 下 現代への展開』: 467頁)。

 質料やエネルギーが有意味のものになったとは、どういう事態を言うのか? 或る理論体系内での科学的営為として、なんらかの有用な概念として交信できるということか? 質料にしろ、エネルギーにしろ、それらは門外者にわかる言葉で定義されているか? →概念操作による実在性。
 エンテレヒーは、静的なパターン(種パラメータ)[ただし動的に、つまりエネルギー(または方向性を持つエネルギー、つまり力)が使われて、維持されているのかもしれない]なのか、あるいは作用する力(構築力)なのか?
 システム的には、システムが作動して、その種の持つ、たとえば(おそらく常に起動待機状態にあって、個々の生物体に働きかける)(幾多のしかし上位観点からは統一されている)発生メカニズムが起動して、したがって(制御水準というメタ的)力(諸エネルギーの活動)が働いて、パターン(種パラメータ)を参照し、具体的な構造物体(たとえば蛋白分子)を合成する。
 蛋白分子から細胞は、いかにして? 細胞は細胞から、である。
 問題は、三次元的分子形態を指示していても、細胞かに構成される器官や組織は、どのように作られるのか、である。
 たとえば、損傷した皮膚の再生、水晶体の再生、たとえば爬虫類での四肢の再生。どのような信号とその信号が関わるメカニズムが推定されるのか。

 生物体の発生において、種システムは一定の環境的諸条件を前提としている。整わなければ、また欠如実験下で、発生途中で死亡したり、『不具合』な生物体が産出されるかもしれない。それはしかし、いわば事故である。生物体発生は、質料(物質的材料)も揃わなければならない。母体の栄養不足の場合には、小さな生物体とかが生まれるかもしれないが、それはその種に属するとわれわれは(おおよその場合、訓練を積めば(パターン認識))同定できる。
 種システムは、頑健なのである[このメカニズム的意味は後述]。たとえば体長を比率尺度で測れば、正規分布的になる。この平均値は、種システムの作動結果の(統計的)要約値である。システム的には、観測される個体変異の分布から(近似的には頻度分布など)、理想的分布を推定する。

 「ドリーシュは核を分割したことがなかったが、もしそれをやってみたらエンテレヒーも二分されることを発見したにちがいないと、かれ〔テオドール・ボベリ〕はいう。」(スミス『生命観の歴史 下 現代への展開』: 468頁)。

 可能だとして、どう分割するかによって異なるかもしれない。問題は発生制御のメカニズムまたは(そのメカニズムを持つ)システムの推定である。理論構築!。細胞分裂時のどの段階で分割するか? 『物理的』に物体を分割するには、たとえばDNA分子のどこかでの結合力を無化すること(切断)になろう。
 どういう考え方(の筋道)で、エンテレヒーも二分されると言ったのか?
 
       
 可能態    →  実現態
 或るイデア  →(或る構造の)物体
 或る概念   →或る物体
 或る(類の)船  →或る(具体的な)船[特定のテセウス号]
 形相的同一性 → 質料構造的同一性  × 質料個体的同一性
 構造(関係体)→機能的過程の作動

 システムは生物体に具備されている参照項(ゲノム〔『遺伝子』総体〕物体など)にもとづいて、メカニズムを起動(作動開始などの時間的制御、というより、時間的ではなく環境『条件』的制御。
 『条件』としたのは、生物種によってどのような種類の環境入力に応答するかは異なるからである。なお、認識的には、Haefner 1970のエビに関する実験から、隠れた環境条件が存在する可能性がある。これは、実践的または経験的に解明するほかない。


[D]
Driesch, H. 1907 (1979). Science and Philosophy of the Organism Volume I. viii+329pp. AMS Press. [B991007, $103.95/2+30.80/5]

Driesch, H. 1908 (1979). Science and Philosophy of the Organism Volume II. xvi+381pp. AMS Press. [B991007, $103.95/2+30.80/5]

Driesch, H. 1922. Geschichte des Vitalismus. x+213pp. Johann Ambrosius Barth. [PT19860506]

ドリーシュ,ハンス.1914.(米本昌平訳,2007.1)生気論の歴史と理論.xviii+363pp.書籍工房早山.[ISBN:4-88611-504-7; y2,940][The History and Theory of Vitalisms]
[ 伊勢田哲治氏による言及がある。
 米本昌平先生および書籍工房早山さんへの手紙
http://tiseda.sakura.ne.jp/works/yonemoto.html


ドリーシュ,H.1928.(長島 壤,1931)人間と世界像.270+5pp.畝傍書房.[Der Mensch und die Welt.] [1円50銭, B910731]
 
[S]
スミス,C.U.M. 1976.(八杉龍一訳,1981)生命観の歴史 上:古代からデカルトへ.xx+306pp.岩波書店.[2300円][B19820812]

スミス,C.U.M. 1976.(八杉龍一訳,1981)生命観の歴史 下:現代への展開.x+307-532+9 pp.岩波書店.[2300円][B19820812]




タイプ、ボディープラン、イデア[走書き]

2012年08月30日 11時57分21秒 | タクソン学/走書き・草稿
2012年8月30日-2
タイプ、ボディープラン、イデア[走書き]

 しかし、では個体とは何か?
 ・ゲノムの表現体である。
  →種というイデアの表現体である。

 ・種システムがもとづいている形相(イデア)=形質群を推定すること。
  →生成の数学。
  パターン pattern 生成源の手順によって、表現されようとする元のもの=イデア。

代表、典型
20020104

 1. a1~anのどれもが全く同じならば、
  どれもが、他の残りを「代表している」と言える。
 2. 典型とは平均値か中央値かモード(階級)か?
  平均値→連続値(連続的離散値)
  典型は、端っこのものを代表してはいない。

 〔透明ボックス「タイプ、ボディープラン、イデア」内の走書きを廃棄した。20120830。〕


 個体群思考的には、個体変異の範囲があるのであって、或る個体が他または群 group または種を「代表する[他の者たちに代わって表わす] represent, stand for,behave as a representative」とか「典型である is a type、典型的である a typical individual (organism)」という述語は無意味である。あえて言えば、どの(或る種に属する)生物体も、その種の代表または典型である。
 しかし、個体群思考のもととなるのは、生物体である。われわれは通信することによって科学的営為ができるので、どのような対象について論議しているのか、たとえばどういう種類の物体について観測やら実験やらをしているのかを、指定しなければならない。
 自然界における生物体は、例外無く、種的存在である。それは、種的に生成されるからである。(無性でも有性でも)親が子を産む。種システムが、それに属する(またはわれわれがそのように同定できる)生物体を産出する。

 タクソン学の第一公理:
  親と子は、同一種に属する。

 しかしこれは、いわゆる進化的思考と相容れない。というのは、進化とはどれかの親子系列で、種的変化を観測しなければならないからである。
 昔(1980年代だったか、Systematic ZoologyやEvolution誌上で)、漸進主義 gradualismと区切り平衡 puctuated equiribriumがあるという説との論争があった。結局は、どちらも在る、あるいは進化速度(『種的には』どうやって測るのか?)は(『系統!によって』)様々だとなったのだろう。どう終息または途切れたのか、不知。
 で、或る親生物体とその子生物体とで、種所属が異なるとしてもよいし、形質観測では分割できないなら、数百世代のどこかに在るとしてもよい。幸いなことに化石では親子系列はわからないだろう。むしろ、われわれの観測時間では、新種形成を見た人はいない。新種形成過程をわたしは見たという人がいるとしても、全生物についてではあり得ない。したがって、全称命題的には、つまり、他の考え方と合わせて検索表をつくると、

  1a. 全生物体の(種的)共通祖先を仮定する。[進化についての存在(論)的全称命題]…… 2
  1b. 或る範囲内(結局、或るタクソンに属する生物体)での共通祖先を仮定する。
   [進化についての存在(論)的特称命題]
   [たとえば、属間や族 tribe 間での親子関係の否定。たとえば、イデアなるものが物質的存在者ではないが、どこかに実在する場合。イデアに沿って、各属さらには種の設計があり、それが『下降して!』つまり質料が構築されて、種システムが顕現する、という生成メカニズムの存在とその過程についての仮説。…… 3
  1c. いかなる共通祖先も仮定しない。[種間での親子関係の否定。種単位での進化第一仮説の否定。]…… 4

  2a.




相同、形相(走書き)

2012年08月30日 10時37分36秒 | タクソン学/走書き・草稿
2012年8月30日-1
相同、形相(走書き、草稿または覚書)
 日付が無いので、いつのメモだかわからん。1997年以降。

相同
 ・鯨の退化した前肢の骨と人の前腕の骨は同一か?
 ・DNA塩基配列の同一性
   長野の本。欠失とmatchingの根拠。相互参照? その根拠は進化仮説?
 ・身体の構成的見地からの情報と仕組み。
  情報『発現』システムと要素との関係。これらのシステム間の関係づけ→発展規則。そもそも情報発現システム、たとえば暗号システムの違いをどう評価するか?
 ・脊椎が脊椎動物の『系統的』形質であると考える根拠は何か? 発生的?

 1. 相同とは、構造的な対応関係を意味していた。科学にとって不幸なことに、進化論の影響によって、相同とは、起源を同じくするという意味になったしまった。(養老孟司『形を読む』: 86頁)。
 2. 体節の各々は、起源を同じくするか?
  →ポルトマン
 3. 前肢と後肢は、起源を同じくするか? どちらが『祖先』か?
  →同時。両方をもつ祖先。
  →祖先が存在する場合と存在しない場合の差異の検出は可能か? 理論に依存する。化石の解釈。
 〔透明ボックス「相同」内の走書きを廃棄した。20120830。〕


B2:形相
 前提。時間感覚は人の生理的な感覚であって(主観的知覚的時間。物理的時間と言われるものも、結局は物体の運動もしくは振動現象を観測するという主観的なものである)、実在しない。ただし、感覚的なものとしては感じられるまたは想像する(むしろ心理的に創造している)ので、それはそれで説明は必要(実は不要)である。

 『形相』とは何を指すのか?
 「転送! energize!〔作動せよ。エネルギーを入れよ。変換機械は入力 patternに『機械的に』従って、エネルギーを方向づけ、つまり力として作動し、または力となって作動し、うんぬん〕」と言えば、人体(とそれにくっついている心も?)の複製??が別の場所に出現するとする。
 1. 転送源(たとえば或る人体)の物質的構成(質料または材料の種類と量で記述)とそれらの構造(=質料間の結合関係→結合関係だけによる質料の空間的位置の分類)を『模様 pattern または様式 pattern(具体的模様の結合関係による一般化した記述。具体的模様の模様。)』として読み取り、他所で質料の種類と量を集合させて、それらを(なんらかの力または作用で)組み合わせる。つまり、材料を構造化して一つの関係体(人体)とする。
 2. 形質がたとえば10000個(どのような形質か?、どのようにして数えるのか?)あって、一つでも異なれば(1/10000)、異なる種か? 種間の形質数の違い(変異性)は、たまたまのものか? たとえば、気候的(などの)適合が(この継続するメカニズムは?)、一つの種が(いわば振動数の違いが、うなりとなり、さらには一つのシステムとしては維持できず、二つのシステム(あたかも物体[類推的思考])として)に分裂する(そのときの、維持と生成条件は? そもそもそれらを可能にするメカニズム、またはエネルギー作動システムは?)場合はあるだろう。或る属に属する種たち。では、属位階(または階級) generic rank 以上のカテゴリーは、なんらかの実在する物体であるのか? 存在するとして、それはどうやって検出するのか? 暗黒物質や暗黒エネルギーが同定または観測できていない現状では、それは無理というものだ。
 →種と形質(形質数)。
 3. 形態形成場的『情報の問題』。未検討。



 [↑:種システム species system の(概念的)生息場所維持を媒介とした環境的変化への適応(世代的適合による方向的変化)による分裂増加?〔19970521以降の図〕]

 〔透明ボックス「B2 形相」内の走書きを廃棄した。20120830。〕