検証・電力システムに関する改革方針

「自然エネルギーですべての電力をまかなう町」の第2部です。

京香の作戦 連載小説55

2012年07月21日 | 第2部-小説
  京香は松本や公平が高校生のとき、マドンナだった。だから男たちが集まると最後は、京香はだれと付き合っているかに話になるのが常だった。だれもが京香に惹かれていたがアタックする者はいなかった。ながめ、噂するだけだった。
 京香は結構、活発だったからだれとでも言葉を交わしていたし、親しげであった。松本も公平も何度か京香と教師の噂や試験の予想占いなどをして時間を過ごしたことがあるが京香からバレンタインチョコをもらったことはなかった。

 高校3年生のバイレンタインデーは、だれがもらうか。もらったものが本命。その時はもらった奴にゆずることを悪餓鬼の約束にした。そしてその当日、松本と公平が2人でいるとき、京香がやってきて2人に、チョコを「ハイ、義理チョコ」というと、1つずつ、手のひらに乗せると「だれかからももらった」と聞いた。
 2人はほとんど同時に「だれからも」も首をふり、松本が「1個じゃしょうがない。全部よこせ」といった。
「だめよ、まだまだやらないといけない奴がいるんだから」というや「じゃね」といって去った。
「気の多い奴だな」と松本は悪態をつくと、もらったチョコをポイッと口に放り込んだ。

 その後、公平から勉強を教わる京香がいた。
「あれは京香ちゃんの作戦だった。そして公平を射止めた」と松本。
「お前は本当に話をつくるのがうまい」と公平は感心していう。
 2人の話を聞きながら、将太はひょっとすると占部の乙女伝説は松本が掘り起こして、今によみがえらせ、町おこしの1つにしょうとしているのではないかと思った。
なんでもいい、町に伝わる物、歴史を掘り起こし、今につなぐのはすべての取り組みの基本だと思う。将太は松本は町おこしに懸命なのだ。その気持ちが徐々にわかってきたような気がした。
 すると松本は「冨田さんはアスナロという木をご存知ですか」といった。

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