検証・電力システムに関する改革方針

「自然エネルギーですべての電力をまかなう町」の第2部です。

町の人口は2,012人―連載小説45

2012年07月07日 | 第2部-小説
  「ところで占部町の人口は何人ですか」
「22年の国勢調査で2012人です」
「本当ですか?」
「いや、本当です」と松本は笑いながら「たまたま今年の西暦と同じ数字になりましたがそれからさらに減って現在は1997人です」
  松本は友達の公平にしゃべる時と将太にしゃべる時とは使い分けをして、将太に対してはあくまで丁寧だった。役所の人間のそつのない対応を身につけていると思った。
「そんな人口で町になれるんですか」
  将太は自治体は人口によって市や町、村になるものと思っていたので占部町が2012人とかという人口は意外だった。「日本の町で人口が一番少ないのは1146人です」
「そうなんですか」
「だがその町は実は山梨県の町です」
「ほお」
「人口が1000人台の町は全国に9町あります。今度占部町が1997人になりましたから10町ですね」
「そうですか、それは知りませんでした。職員の方は何人ほど」
「人口千人当たり職員数は35.47人です」
「それは多い? 少ない?」
「総務省がまとめている類似団体からみると多いです。ですから減らすようと、そういう言い方はしませんが」
「でもそれはいろいろ事情があってのことでしょ」