検証・電力システムに関する改革方針

「自然エネルギーですべての電力をまかなう町」の第2部です。

毒ある記者の質問 連載小説263

2013年04月10日 | 第2部-小説
「ただいまのご質問、水力発電に関して最初にお答えしたいと思います。ご質問の通り、環境省のポテンシャル調査によるとこの占部町には水力発電に適した河川はないことになっています。そこで私どもは複数の小水力発電事業者からご意見をたまわりました。するとすべての小水力発電事業者から小水力、マイクロ水力を設置できる適地はいくつもあるとの判定を頂戴しました。水力発電を設置する場合、水利権者の承諾を必要とするなど課題が多くありますが占部町の河川は町が水利権を持っていますので設置に難しい問題はないと考えています。太陽光発電の設置について、ご心配の質問がございました。魁より始めよという言葉がございます。まずは町が設置をして、発電量と売電量、売電収入を公表して太陽光発電を設置するとどうなるかを知っていただく。太陽光発電は工事が簡単ですぐ取り付けることができ、すぐ発電するすぐれものです」

 大平町長が答弁を終えると別の記者が手をあげて質問をした。
「町長がめざしているのは電力自給でしょ。太陽光発電を1つ設置したところで電力自給にならないでしょ。町長の今のお話は電力自給についての答えになっていないですよ。太陽光発電で電力自給をするには相当の設置が必要でしょ。太陽光発電、住宅の平均は約4kWで、設置費用は約230万円と聞きます。仮に100倍の400kWとすると単純に計算で2億3000万円必要です。占部町は財源のない町でしょ。これだけの事業をするには何か埋蔵金が出てきたのですか」
  記者の毒がある質問に他の記者から笑いが起こった。