子育ては「識者」「専門家」よりもおばあちゃんの知恵です

2015年02月25日 | 日記
 「識者」「専門家」と呼ばれる方々のアドバイスを唯一の正解と思い込んでしまうのは不幸の元です。

詩人・エッセイストの浜文子さんが、新聞紙上でNHKの子育て番組について書いていました。

ひな段に並ぶ子連れのパパ・ママが、子育てについて「識者」「専門家」と呼ばれる方々からのアドバイスを聞くという形式の番組です。

その日のテーマは「ママのイライラをどうする?」でした。ある一家にカメラが入り、ママが赤ちゃんを寝かしつけようとしているのに3歳のお姉ちゃんが床に寝転んで「ピアノが弾きたい」と駄々をこねている姿が映し出されていました。

浜さんはすぐに、この女の子はお母さんにかまってもらいたいのだな、とピンときたそうです。お姉ちゃんを上手におだてて赤ちゃんの寝かしつけに引き込んだらいいのだ。下の子にかかりっきりになるときは、かまってほしい上の子を手持無沙汰の失業状態にしてはいけない。たとえば「赤ちゃんがねんねできるように小さくやさしいお歌を弾いてね。さあ、どんなお歌がいいかな」というように、うまく誘わなければならないと言います。

なるほど、先輩ママ・おばあちゃんの知恵です。

ところが、「識者」「専門家」の先生方は、こんなときこそ託児を利用しましょう!とアドバイスをしており、浜さんはテレビの前でただただ驚愕したそうです。

子どもが3人になったらどうするのか?きょうだいのかかわりは?託児の送り迎えの時間の捻出は?寝かしつけのたびに託児を利用していたら日常が回らないわ…

と思ったそうです。

アドバイスを受けたお母さんが「(子どもを預けても)いいんですか?」と問うと、先生方は「いいですとも」と答え、上の子と下の子どちらを預けるかに話は移っていったとのこと…

浜さんの驚愕、釈然としない思いに同感です。

私は仕事が忙しいときや自分のことをしたいとき、つい娘に向かって「お母さん大事なお仕事あるの。邪魔しないで」みたいなことを言ってしまいますが、うまくいったためしはありません。怒ってグズって泣いて余計に時間を取られるばかりでした。あるとき、「いっしょにお仕事しようか。ノート持っておいで。」という作戦でいったら、娘はおとなしくお絵かきをしてくれました。

託児は当然必要なものです。知恵と工夫、根性で子育てを乗り切るべし、とも思いません。病児保育だって必要です。保育所だって当然。待機児童は放置されていいわけがありません。

けれども、子育て支援は子育て番組の先生方のアドバイスと同様の考え方で進められているように思います。

社会化という言葉のはきちがえでしかありません。

介護も同様。
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