男が育休を取ってなにするの?

2014年12月26日 | 日記

今年の4月より雇用保険の育児休業給付金が、従来の50%から最初の半年に限り、67%にアップしている。支給率が上がるのは、育休を取る人にとってありがたいことだろうけど、なんで半年だけなんだろ…なんか半端な扱いだな、早く休みを切り上げて仕事に戻れってことか?とか、訝しく思ってはいたのだが、今のところ自分には関係ないしと、関心も薄れていた。

これって、男性の育児休業取得を促すためなんですね。

今さら何言うとるんじゃ、顔洗って出直してこいってかんじですか。

でも正直なことを言うと、私は男性が育休を取ってなにするん?それほど男の育休が必要か?と思うのです。北欧あたりの男性をみると、こりゃ日本のイクメンも負けてはおれん、女性が輝くにはぜひとも男の育休を激増させねば、と思うのも無理はないですが、まてまていっつも早まってばかりじゃないか、少し落ち着いて熟考したほうがいいんじゃね?とも思うのです。

女性の育休取得率8~9割と聞くと、おおーっ!ずいぶん活用されているじゃないか、男もせめて1割(現状は1~2%)を目指さないと!と思うかもしれませんが、そもそもこの女性の8~9割ってのは、現在働いている女性の8~9割ではなく、「育休を希望する人」の8~9割ってことですよね。私はさいしょ働く女性の8~9割と思っていたので、首を思いっきりかしげていたんです。じゃなんでМ字カーブの問題が起きるんだ?待機児童の数が多いと言いながら、この割合からいくと少ないんじゃないか?とか。

働く女性の育休取得率は1~2%。25万人だそうです。ほとんどの女性が出産を機に退職したり、育休を取ってそのまま退職したりしているのです。

そんななかで男性の育休取得率をあげるってことは、女性の家での負担が増えるんじゃないか?いくら給付率をあげても、妻が仕事に復帰せず(あるいはパートやアルバイトでも)夫までが休んだら経済的にも不安だし、女性でさえ1年休んだ後の復帰には仕事への不安があるのに、男ならなおのこと1年休業後の復帰にはおおいなる不安があるのではないのか?など、いろいろ心配事が次々と出てくるのです。

男性の8割が育休の取得を希望しているそうですが、妻はどうなんでしょうか。正直なところ、夫に育休を取ってもらいたいのでしょうか。自分の職場復帰とのチェンジならまだしも、そうでないなら…(経済的な理由以外で1年を待たずに復帰しなきゃならない人って、どれくらいいるのでしょうか?それにパパ・ママ育休プラスってややこしくないですか?)

私だったら夫に、育休よりも残業を少なくして早めに帰ってくるとか、休みはきちんと取るとか、子どもの発熱などに柔軟に対応できるとか、仕事を理由に家事・育児を放棄しないということを望みますが。

それに、いくら推進したって、多くの女性が出産・育児で退職しているなかで、男性が育休を取るってのはなんか無理があります。

プラチナくるみんマークっていっても、ただのPRに終わるんじゃないでしょか。

東レ研究所:ダイバーシティーライフバランス研究部長の渥美由喜さんは、元祖イクメンですが、その著書『イクメンで行こう!』のなかに、大企業がくるみんマークを取れないのは世間体が悪いので、実績を作るため無理やり一人に取らせる話がでてきます。主人公のイクメンが育休を取りたいと申し出たところ、もうすでに一人取ってるから大丈夫だ、と部長に言われます。「本当に」取りたいんですと伝えると、この忙しい時期になに言ってるんだ!!ワークライフバランスなんて建前に決まっているだろう!本音と建前を使い分けるのがビジネスマンだ!と叱られます。

おそらく多くの会社にとってこれが本音じゃないかと思います。

ただ目指せ13%!とか言っても、女性の管理職といっしょで悲劇なのか喜劇なのかわからないようなことが起きてしまうと思います。

まずは、子どもが熱出したとき、早く帰らせてもらったり、休みを取ったりするとこから始めようよ。

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