待機児童がいなくなればそれでいいのか

2014年12月09日 | 日記

待機児童というのは、認可保育園に入りたくても入れない子どものことをいいます。と書くと、あたかも「保育所行きたいよ~でも行けないよ~」という子どもが存在するかのようですが、違います。不登校児童とはちょっとニュアンスが違うんですよ…おわかりかと思いますが、親が何らかの理由で(たいていは就労ですが)子どもを保育園に預けたいのに、空きがなくて預けられないため、その子どもたちが「待機児童」といわれ「問題」とされているのです。

少子化なのにね…子どもが少ないのに保育所が足りないってどういうことよ?保育所作ればいいだけの話やないの?と思いませんか。簡単な話じゃ~ん、って私は思っていたのですが、なんかことを複雑にしたい人たちがいるみたいなんです。

待機児童は日本全国津々浦々に生息しているのかっていったら、そうでもなくて北陸3県にはいないし、過疎地帯にもいないんですって!!じゃあどこにいるのよって?あなた!あの横浜市のことを知らないんですか!?3年前まで待機児童が全国で最多だったのに、今年の春にゼロを達成したあの横浜市ですよ!市長は優秀な市長賞を受賞したんですよ!(ウソです…たぶん)営利企業の参入を促して、中には鉄道の高架の下に保育所を作った会社もあるんだって!よく考えたね~人が住まないところに保育所を作る!社会福祉法人には考えられない豊かな発想!安倍政権は横浜市の取り組みを「横浜方式」と高く評価して、全国に広げる考えだそうです。全国の目からウロコ、コロンブスの卵的な場所に営利企業の保育所ができるってことでしょうか!?中央分離帯とか地下道とかランドマークタワーの上とか…

つまり、待機児童は都会で大多数発生しているってことですね。でも…ボウフラじゃあるまいし、なんで急に待機児童ちゃんたちが発生したのかしら?子どもが近年急激に増えたんじゃないですよね!いくら世の中のことに疎い私でも、ずーっと相変わらず少子化が続いてることは知ってるもんね!!待機児童は3歳未満児が圧倒的に多いってことは、都会に住んでいる小さな乳幼児のいるお母さんたちが働きにでなきゃいけなくなったってことですよね。なんでかっていったら、だんなの稼ぎじゃ生活できなくなってきたからでしょうかね。日本には3歳児神話ってのがあるくらいだから、日本人は「3歳ごろまでは母親が子どもを(1人で!!)育てるもの」と考えられていたわけだな。そいでもって、3歳にもならないのに保育所に預けられている子どもは、「可哀想な子ども」なわけですね。お母さんまでお勤めにでなきゃいけない可哀想なおうちの子ども…

そんな可哀想な子が増えてるんだね…さらに可哀想なのは「お母さんまでお勤めにでなきゃならないのに、行くべき保育所のない待機児童たち」ということでしょうか。いや、かわいそうなのはお母さんたちか…

田舎の方では待機児童どころか、定員割れで困っている保育所も多いそうだし、田舎に戻ってくるってわけにはいかないのか?それとですね、足りてないなら作ればいいんじゃないの?ってどうしても思うのですが…

横浜市の取り組みについては、なるほどと思う部分はありますよ。働きたいというお母さんの要望をこまかくヒアリングして、数時間だけの預かりや週2~3回だけの通園にするなど。考えてみれば認可保育園って、短い保育時間だから保育料が安いとかフツーにできそうなことができないですよね。そこを柔軟に対応したという部分では評価したいと思います。

面積や保育士の数などの基準を下げることに対して大きな懸念はあると思います。でも、子どもを抱えて就労できない母親たちが、「質を下げてでも待機児童問題を解決してほしい」と思っているとしたら、こういった現状を直視すべきですよ。

ずいぶん前ですが、友人たちと関西方面に旅行に行ったとき、沿道沿いに掘立小屋のような保育園があったんです。友人たちは「あんなとこにだけは子どもを入れたくないね」と笑って言っていましたが、私は笑えなかったです。なぜって、「あんな保育園」にしか入れない子どもたちが現実にいるのに、なんでそれを笑うことができますか。日の当たらない騒音のする高架下の保育園に通わなければならない子どもたちを「可哀想だね~」と言っていられますか。質が確保された公的に保障された認可保育園が増えてほしいのは親なら当然です。それなのに、質は置き去りにされて、量さえ確保すればとにかくよし、となっているのはなぜなのか。どこでもいいからとにかく、子どもを預けることができれば女性は輝くとでもいうのでしょうか。

 

 

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