〇正夢 夢には現実性を見出す夢がある。心身共に壮健で、心にわだかまりが無いときに正夢を見るのだという。正夢は「天機が漏れて兆しが現れる」のだそうだ。
〇アーナンダーの夢 アーナンダー(阿難)の夢にブッダがその妄念を諭した『阿難七夢経』がある。
・ 「池の火災」
・ 「日月星が辰(朝)に没する」。
・ 「出家者が穴におちる」
・ 「イノシシが栴檀の林に突入する」
・ 「須弥山(ヒマラヤ)を頭に載せて重くない」
・ 「大きな象が小さな象を捨てる」
・ 「死んだ獅子から虫が出てこれを食う」
アーナンダーの夢に似た夢を見ることがある。そのときは妄念による夢であると自ら反省をしなければならない。
〇明恵上人の夢 華厳宗の僧、明恵上人(1173~1232)は19歳のころから40年にわたって自分の夢を書きつづった。3000片あったとされる「夢記」は現在そのうちの半数、1500片が京都栂尾の高山寺に残されている。東京大学文学部言語学教室がこれを調査して二冊の研究資料(東京大学出版会)にまとめられた。これは深層心理学の研究にとってたいへん貴重な資料だという。明恵の後にも先にも40年の長期にわたって自分の夢を書きつづった記録は世界のどこにもないそうだ。
・ 釈尊大師の御前に於いて無想観を修す。空中に文殊大聖現形す
・ 御坊(叔父の上覚?)が亡くなってお祀りしているお堂の壁が干割れして いるので、明恵は修理をした。そのとき鍬に付いた赤土が壇に散らばった。その色がきれいに見えたので諸人が讃美してくれた
・ 塔に上りつめて流星の際までいって手をかけようと思ったら目が覚めた