愛読書をコンパクトにまとめました。
1 『李陵』中島敦
「天は見ている」。「笑殺」(Grin and bear it)という言葉もこの本で知った。
正しい(right)と正義(righteous)の違いを最近はこの本から学んでいます。
2『峠』司馬遼太郎
20年前までに12回読んで,陽明学徒になりました。「陽明学徒になりたいから大学を退学したい」と大学の進路相談室に相談に行っちゃいました。だから危険な本ではあります。
20年前までに12回読んで,陽明学徒になりました。「陽明学徒になりたいから大学を退学したい」と大学の進路相談室に相談に行っちゃいました。だから危険な本ではあります。
3 『戦艦大和ノ最期』吉田満
「今ナオ埋没スル三千ノ骸 彼ラ終焉ノ胸中果シテ如何」
平和ボケした令和日本人は、たまには戦記物を読んで死生観を研ぎ澄ます必要がある。
4 『無私の日本人』磯田道史
「大きな人間というのは,世間的に偉くならずとも金を儲けずとも,ほんの少しでもいい,濁ったものを清らかな方に変える,浄化の力を宿らせた人である」
5 『 氷川清話』 勝海舟
「(前略)知己を千載の下に待つというのは,このことさ。
今の人間はどうだ。そんなやつは,一人もおるまいがのう。今のことは今知れて、今の人に誉められなくては,承知しないという「しり」の穴の小さいやつばかりだろう。」
今の人間はどうだ。そんなやつは,一人もおるまいがのう。今のことは今知れて、今の人に誉められなくては,承知しないという「しり」の穴の小さいやつばかりだろう。」
6 『爽やかなる熱情』水木楊
電力の鬼・松永安左エ門は,あまりにもバイタリティがあったので,周りから「突然変異(Mutant)」と渾名された。安左エ門の如くバイタリティある人生を送りたい。
7 『花のある人,花になる人』草柳大蔵
「与えることのできる人間としての段階を一歩一歩登ってゆくと,やがて大きく与えられる位置に到達するように思うんです」
草柳大蔵が野村克也を育て、野村が栗山英樹を育て、栗山が大谷翔平を育てた。だから草柳は大谷翔平の師の師の師みたいな人です。
8 『人間中野正剛』緒方竹虎
所収の『シッカリシロ・チチ』中野正剛
息子・克明が登山で遭難し,「シッカリシロ・チチ」と電文を打った天下の美文家・中野正剛の慟哭。私が触れた文章の中で最高の名文。
<人々は「父が子なれば」と言う。その子は猪突猛進、頸の骨を突き折って死んだ。おれも「克明が父なれば」同じ覚悟で残余の命数を戦い続けよう。
「シッカリシロ・チチ」と克明もし霊あらぽ、例のユーモアを交え、鸚鵡返しに叱呼するであろう。>