新紙幣の顔・渋沢栄一『論語と算盤』にインスピレーションを受けて、「論語と経営・コンプライアンス」ってセミナーを開始します。
9月20日から。こちら
セミナー資料はPPTで200頁を超えました。
『論語と算盤』刊行は大正初期。その時代背景を伝えるべく、「明治はこんな時代だった」ってエピソードを紹介します。
- 明治のころ、お侍が零落して英国人の庭師(のようなアシスタント)に。
- そのお侍はいつも微笑みを讃えていた。
- 手元不如意で、刀を担保に、雇い主の英国人にお金を借りた。すぐ返した。
- 英国人がなんか精神不安定になり、お侍を叱責。
- するとお侍は、紳士的に微笑みで対応。
- 英国人はその「微笑み」に対して「ニタニタ笑ってんじゃねえ」って思ってブチ切れて、お侍を打擲。
- お侍は、(おそらく腰に差した)長刀を翻して英国人の頭上をシャッと斬る。空気だけ。
- 英国人はさすがに肝を冷やしたのだろう、後日、お侍に謝ろうとした。
- しかし、その謝罪の機会は、二度と訪れなかった。
- お侍が、切腹していたから。
- なぜ切腹したか。
- 無体な打擲という不名誉を受けた。その報復に、刀で英国人を斬り殺すのは容易。
- でも、「刀を担保に金を借りた」つまりお世話になったから、その刀で世話になった人間を斬ることは許されない。
- とはいえ、打擲という侮辱には堪えられない。
- だから切腹、、、
なんとも「サムライ」的なエピソード。小泉八雲が書いているんだから、デマではないだろう。
明治というのはこういう時代でした。
こういう人間がいる時代が、明治でした。
※ お侍が、腰に刀を差していたなら、廃刀令が出る明治3年以前のエピソードですかね。
以上、「日本人の微笑」、以下の本の840頁。