川塵録

『インテグリティ ーコンプライアンスを超える組織論』重版出来!

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林智浩さんの「被害者文化」

2024年08月08日 | 社会・時事など
林智浩さんの論じる「被害者文化」 こちら が素晴らしい。

枢要部分を引用して深堀りします。

「被害者文化」は、個人の「繊細な」感情と直感が持つ価値を過度に正当化し、それらへの無条件かつ献身的な配慮と服従を他者へ求めるエゴイスティック(利己的)でナルシシスティック(自己愛的)な傾向がある。

(中略)

自分たちの「繊細な」感情こそが最も重要な関心事であるため、個人的な「快・不快」と公共の「善悪」がそのまま同一視されやすい。

(中略)

「問題」の解決は直接的な自助自力に依らず、極めて他力本願かつ他責的である。社会など他者の力に依存して、「罪深き加害者」への強力な制裁を求め、「問題」を放置してきた

(中略)

「被害者文化」に通底するのは、端的に言えば「お客様根性」とダブルスタンダード(二重規範)である。徹底して自分に「やさしく」、他人には厳しい。

(中略)

自分たちが必ず「正しい側」「被害者」であり、「不正義」や「被害」には必ず是正と補償がなされ、自分たちの「傷付けられた」心情も「無償で」「やさしく」ケアされて当然と確信している。

(中略)

文字通り不都合な事実や批判には、一切の無視を決め込んで反応せず、ほとぼりが冷めるのを待つ。その間、何事もなかったかのように変わらぬ言動を繰り返したり、何ら責任を取らないまま他の「問題」に移行して、「非難追及される立場」をリセットしようとする。

その際、自分たちの非は一切棚に上げたダブルスタンダード(二重規範)的な「問題提起」や、他者への強烈な糾弾を繰り返す。それによって、自身が「説明責任を求められる側」ではなく、常に「説明責任を要求する側」、すなわち「正しい側」の立場であるかのように、周囲により強く印象付けようとする。

(中略)

いかに自分たちが不当に弾圧を受け搾取されている「被害者」「弱者」であるかをアピールし、「支援者」の共感を集める

(中略)

「傷付けられることに過敏で攻撃的」
「客観性やエビデンスよりも、感情と直感を重視する」
「二項対立的で加減を知らないゼロサム思考」

「侮辱」は大きなリスクになる一方で、何が「侮辱」になるかは「お気持ち」次第で決まるため、言論の自由は萎縮する。

客観ではなく主観や情動が優勢となることで、現代社会で重んじられてきたエビデンスや法治の影響力は相対的に弱まり、魔女狩りを彷彿とさせる冤罪でっち上げと私刑、表現規制の頻発や言論弾圧が正当化されかねないリスクが高まる。

いかがでしょうか。ズバズバ刺さってきます!
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