すがわらの工房日記

東北は岩手県一関市の呉服屋。こつこつと友禅染めをしています。

振り袖の友禅つづき

2010-11-03 17:53:43 | 友禅

こんにちは

こちら岩手県は一関市、京呉服すがわらでございます

工房名は 「工房らくぜん」ですよ

  

さてさて、超特急で進めている今回ご注文頂いた振り袖でございますが、

ようやく友禅が一段落したので ご報告いたします

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前回は袖の友禅が終わった辺りまで書きましたね

裾の進め方もだいたい同じです

やっぱり黒をなるべく早い段階で挿してしまいます

バランスを計るためなんですが、恐ろしい…

黒は、いつだって最後に挿したい色ナンバーワンです

間違えたり、泣き出したりしたら取り返しがつかないので

細心の注意をはらいます

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黒が入ってしまえば他の色も挿しやすくなりますね

これより強い色は有りませんから、まあケースにもよりますが

色のバランスを確かめながら一つ一つ染料を挿し入れていきますよ

  

うりゃ

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黒さえ入ってしまえばもう怖くない

うりゃ うりゃ!

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最初に何処にどの色を挿すかだいたい決めてメモっていましたが、

あくまで目安です。なので挿してみてバランスを見つつ、一々変更していきます

  

次々行きますよ

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挿し色をボカシたりもしてみます

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まず薄めの色を挿して、

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色をうまくボカシながら濃い色を挿します

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際に近づいてきたら染料の走りを加減して

糸目でうまく止まるようにしてやります。

染料が生地に染み入って広がっていく様子を職人は「染料が走る」と表現します

この染料の走りを上手に利用して色をぼかすのです。

また、糸目の外に滲み出すことは「泣く」って言います

そうなったら私の方が泣きたくなります

  

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ほら、こんな感じ。

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もうね、次々行きますよ

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バンバン行きます。こういうのは勢いも大事なのです

  

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ほら、こうやってちょっとずつ際まで染料を走らせて…

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糸目で止める、、泣くな、止まれ!

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最後は念力とかです、多分

  

胸の蝶々もひらひら ひら

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よし、出来ました

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全ての模様に色を挿し終えて、蒸し器で蒸します

蒸す事によって友禅の染料が生地に定着して水で洗っても落ちなくなるのです。不思議

Dsc_0180

ここまでくればあと半分。

次回は糊伏せですよ~ お楽しみに

  

   

コメント
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