夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

高田郁〈たかだ かおる〉著「幾世の鈴」 〈ハルキ文庫〉

2024-03-15 19:21:59 | 本と雑誌

 

 

BSNHKでドラマ化もされた小説です

 

あきない世傳シリーズ 特別巻の下

学者だった父 そして兄の死後 大坂の商家「五鈴屋」で働くこととなった少女・幸〈さち〉が その聡明さを見込まれ

五鈴屋の三兄弟の嫁に次から次へとなることになった

相思相愛でもあった三人目の夫の死後 大坂では女は店主にはなれないことから

江戸へ出ることを決意

艱難辛苦の末に・・・江戸店も大きくすることができて

店を支え続けてくれた賢輔〈けんすけ〉と夫婦になり 大坂へ戻ることとなった

などというのが本筋

 

第一話「暖簾」

大坂で長く「五鈴屋」の為に尽くしてくれた周助

しかし彼には 最初の店の「桔梗屋」の暖簾を再びかかげたいという宿願があった

もとの桔梗屋の主人 親旦那の孫六が生きている間にぜひとも

ただ店の商いの方法は・・・己の裁量でやってみたいこともあったのだ

そしてどうカタをつけるべくか

ある難問にも頭を悩ませる

 

 

第二話「菊日和」

五鈴屋の店主の妻でいる間から幸を可愛がってくれていた菊栄

五鈴屋の店主と離縁しても 幸のことは何かと心にかけていてくれた

菊栄自身もなみなみならぬ商才があり 常に新しい商品を心がけている

本両替商の主人となった かつての五鈴屋三兄弟の次男だった男は 五鈴屋につながる者をそれとなく気にかけている

 

第三話「行合〈ゆきあい〉の空」

その犯した罪ゆえに夫と共に江戸を追われた結〈ゆい〉

姉の幸と自分を比べ 妬み羨み どういう手段を使っても姉に勝とう

陥れようとした結果・・・・・

どうにか夫と旅籠を切り盛りし 二人の娘を育て

なのに姉の幸を思わせる姉娘の言動が・・・気に障る

夫への不満 かつての栄耀栄華が忘れられず

二人の娘が病気で死にかけて初めて 自分がしようとしていたこと

そのあさましさ みにくさに気づく

母や姉が自分へむけてくれた真心・愛にも・・・ようやくようやく遅ればせながら

それなのにただ迷惑ばかりかけてきた自分

それでも気づかないよりはまし なのかもしれない

 

 

第四話「幾世の鈴」

江戸から大坂へ戻ってからの幸と夫の暮しが描かれる

五鈴屋に幸の人生に関わってきた人々 彼らの様子も

 

次の百年に向けて 五鈴屋が続いていくようにと

書かれ始めるものがある

それこそが「あきない世傳」

 

 

コメント欄は閉じております

ごめんなさい

 



最新の画像もっと見る