夢見るババアの雑談室

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ほぼ身辺雑記です

柴田よしき著「ねこまち日々便り」上・下巻 〈祥伝社文庫〉

2024-04-06 07:52:40 | 本と雑誌

 

 

 

 

 

廃線近いと噂される柴山電鉄根古万知〈ねこまんち〉線

終着駅の根古万知駅

ここの駅長が不在になるという

駅前商店街も開いている店は数えるほど

ほぼシャッターが下りている

寂しい限りだ

それでも この町で育った想い出を胸に戻って来る人もいる

かつては賑やかな時代もあった町なのだ

炭鉱で暮らす人々もいた

時代によって栄える場所も移り変わるものだけれど

諦めたように生きている住人も多い

 

老人が若い頃に命を救われた猫だと連れ帰った猫

しかし 老人の妻は猫アレルギー とても飼えない

老人は猫を追い出すくらいなら お前が実家に帰れ

なんてね夫婦喧嘩

見かねた孫娘は猫の貰い手を捜す

離婚して実家に戻り 商店街の中の喫茶店で働く女性・・・愛美が引き受けることに

 

駅で働く愛猫家の恵子も 愛美が働いている間は その猫を駅に置いておくといいと言ってくれる

誰に触られても嫌がらず車も平気な猫

人をひきつける不思議な猫

 

招き猫のように 駅にいる猫は人を集める

もっと人が居続ける場所にしたい

何かできないだろうか 愛美をはじめとし幾人かがその「何か」を考えるようになる

人が来たい できれば住み続けたいと思えるような そういう場所にできないだろうか

生まれ育った町を かつてのように人が行きかう場所へと

こうして・・・挑戦が始まる

できることを 今できることは何なのか

商店街再生 町再生に向けて 事は動き出した

人々は思い出す

商売とは儲けるものなのだと

日々生きられればいいと過ごしてきたけれど

かつては夢があったのだ

客を呼ぶための工夫

そうした努力をいつしか捨ててしまっていたかもしれない

 

夢を見て それを実現するための努力

「何かすること」

何かやってみなければ始まらない

もしも失敗しても 誰かがその夢を引き継いで いつかは成功してくれるかもしれない

とにかく動きださなければ

 

・・・・・なんてね 思わせてくれる あったかい物語です

失敗しても 生きている限り 人はやりなおせる 生きなおせるものだから

 

 

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