夢見るババアの雑談室

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染井為人著「海神〈わたつみ〉」 〈光文社文庫〉

2024-03-22 06:44:02 | 本と雑誌

 

 

著者によるあとがきのタイトルは「3.11を死なせてはならない」だ

著者は東日本震災の被害者ではないが 震災後しばらく無気力状態が続いたという

そんな著者の耳に飛び込んできたのが 歌手の泉谷しげる氏が震災後の復興支援活動をしている際に 飛び交う揶揄に対して発した造語「一日一偽善」

著者はこれをいい言葉だなと思ったとか

当時イベンターだった著者は 〈この言葉に背中を押されたのかわからないけれど〉復興支援のビジネスに能動的に関わるようになったが

あくまでビジネスとしてであり ボランティアではないので 無償で復興に貢献していた方々とは一線を画すのだと

しかも震災時の現地の混乱に乗じて 詐欺横領 窃盗 性暴力など人ならざる行為を働く者たちも少なからずいたようだ

 

この小説「海神」を執筆しながら それらの悪をもれなくつめこんだが 書いていて自分の心に澱みのようなものがたまり書けなくなった

それを完成させるべく再起させてくれた一冊の本

それが読売新聞社・著「記者は何を見たのか」

記者たちが心血を注いで紡ぎあげたルポルタージュ

記者たちの矜持と覚悟

自分たちが見たものを 人々に後世の人々にも伝えるのだという

 

著者は「死」は二度訪れると記します

肉体が滅びた時

人々の記憶から忘れ去られた時

 

であるならば 3.11に二度目の死を与えてはなりません

この物語が3.11の生に貢献できることを願って

 

ー書かれた物語・・・なのだそうです

 

 

さて「海神」は 震災の被災地に「何かできることはないだろうか」と身一つで駆け付けた女子大生の椎名姫乃が 天ノ島で献身的に働いている様子

その彼女が島で金儲けを企む男を知らずに騙され やがてその悪事を知り

知ってしまったことで その肉体まで汚されてしまう

 

また島を大切に思う 震災で両親を失った記者

島の助産婦を長く続け孤児たちの世話もしている女性

震災の日に生まれた少女

島の救世主と信じた男が詐欺師に過ぎず 騙されたことに責任を感じ 切腹自殺した村長

島の人々をあくどく騙し 巨額を奪った男の行状 言動

この男により ぼろぼろの人でなしの人生を歩まされた青年

この青年に「何か」を取り戻させることができたような姫乃

 

救いは震災の日に生まれた少女の無邪気な言葉と笑顔

 

 

2024年 1月1日

石川県 能登

大きな地震がありました

多くの方が亡くなられ 家は壊れ 道路も・・・・・

もうどうしよう 明日からどうすればいい

これからどこで生きていけばいいんだ

うずくまりたくなるような もう動けない・・・

そういう方々をリフォーム詐欺とか早々に食い物にしようとする輩もそうそうに出現

ビニールシートを高額で売りつける

困っている方々をさらにカモにしようとする輩たち

親切ごかしに近づいて

こういう輩たちに 相応の天罰がありますように

 

 

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