山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

着生ランを再訪する 南部町へ  平成30年5月28日

2018年05月29日 | 花・花・花
 2週間ほど前に訪れた際はまだ蕾だったマメヅタランの花がそろそろ咲いている頃だと思う。高い木の上でしかも距離のある場所に着生しているこのランは風が吹いていると木が揺れてブレた写真しか撮れない。かつ、天候が悪いと光が入らずシャッタースピードが遅くなってこれまた良い画像が得られず、撮影技術が難しいだけでなく気象条件にも左右される。この日の天候は曇だが風は少なく穏やかな天候である。良い日を待ってなどと言っていると花期を逃してしまううえに行ける日も限られてしまう。午後から出かけてみる。


    マメヅタランが咲いている。200㎜望遠レンズでこの程度しか追えない。しかも、木の葉が視野の邪魔をするようになってきた。


    570㎜望遠に変える。ちょうど満開のマメヅタラン。山梨県で見ることが出来るのが嬉しい。


    さらに1140㎜。


    トリーミング。唇弁があって確かにランの形をしている。


    別の木


    トリーミング。びっしりと咲いている。


    こちらはムギラン。


    570㎜望遠。花ははっきり分からない。


    1140mmで覗いてみるとそれらしきものが付いている。


    真ん中上の黄緑色の飛び出ているもの、さらにその下にも花らしきものが何個か付いている。


    別の場所。蕾らしきものが4つか5つ見える。


    周辺の木を探してみるが、あったのは別の花。


    テイカカズラ(キョウチクトウ科 テイカカズラ属)

 お目当てだったマメヅタランはちょうど満開の良い時期に訪問出来たが、ムギランはあと2週間くらい先になりそうだ。1140㎜望遠にするとレンズのF値が11くらいの暗いレンズになってしまうため、Iso640に上げてもシャッタースピードが10秒よりも遅くなってしまい、再三撮影した画像でも使い物になるのは10枚に1枚程度しか無かった。やはり木の上の高い場所に居る植物の撮影は難しい。

 もう1ヶ所、沢沿いに咲く別のランの様子を見に行く。


    ユキノシタが咲いていた。


    ユキノシタ


    イワタバコはもう少しで咲きそうである。


    様子を見に行ったのはこの筋の入った美しい葉を持つラン。今年は花付きが良さそうである。


    あと1ヶ月くらいだろうか。開花が楽しみである。

 ムギランとマメヅタランは周辺の木を探して歩いてみたが、新たに着生している木は見つからなかった。沢まで下りてみれば見つかるかも知れないが、現在沢に下りる道は崩落のため通行禁止になっている。もうひとつの美しい葉のランも含めて、この3種は今年発刊された山梨県レッドデータブック2018年版で新たに絶滅危惧種ⅠB類に登録された貴重な植物である。
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レンゲツツジ咲く甘利山へ(後編)  平成30年5月27日

2018年05月29日 | 花・花・花
 椹池から南甘利山と思われるピークを越えてその先の祠のある小ピークにまで行き、池に立ち寄ってクリンソウの群落を楽しんで来た。これから甘利山に登り上げるのだが、道標は付いていないものの尾根に行き着けそうな笹の中の細い道があったのでそれを登ってみることにする。途中で道が無くなってしまうのではないかと心配したが、上に行くほど笹が刈り払われて道は明瞭になっていた。


    池のほとりのクリンソウとヤマツツジ


    笹原の中の道を登る。GPSにこのルートは載っていない。


    40分ほど登って稜線に抜け出た。向こうは奥甘利山。


    甘利山山頂に向かう。


    レンゲツツジは5分から7分咲き。あと1週間もすれば満開になりそうだ。


    山頂付近にはサクラスミレが散在していた。

 甘利山山頂に到着したのは午後3時になってしまった。11時に椹池を出発して1時に到着の予定だったのだが、寄り道をして写真もたくさん撮ったので大幅に時間がかかってしまったが、それに見合うだけの良い風景は見てきた。満足である。富士山は霞んでしまっているがなんとか見えているだけましだろう。三脚を担いで写真を撮りながらゆっくりとグリーンロッジの駐車場に下りる。


    山頂から見下ろすレンゲツツジの群生地。下側はあまり花付きが良いとは言えない。


    霞んでいるが富士山が見えている。


    レンゲツツジと富士山


    大きなヤマツツジと富士山

 グリーンロッジの駐車場には午後4時15分ごろに到着した。あとは道路に沿って付いている登山道をひたすら下山するだけである。途中に広大な植林地を保護柵で囲っている場所があり、その中にはたくさんのラショウモンカズラが囲われて咲いていた。食害で数が減っている花だけに、目的が違うにしろ囲われて保護されていることは良いことである。5時45分に椹池に下山した。

 今回見たかった花はレンゲツツジの他に以下の2種類である。情報をいただいていたのでそれほど難無く探し出すことが出来た。


    ヤマブキソウ。山梨県で自生のこの花に出会うのはなかなか難しい。訪問時期が遅く咲いていたのはこの1株だけだったが、個体数も少ない。


    ほとんどが結実していた。


    もうひとつがこのヒトツボクロ。少し薄暗い森を好むうえに保護色の黒っぽい葉なので見つけにくい。


    花が咲くにはまだ2週間くらい先になりそうだ。個体数もあまり多いとは言えない。

 クリンソウとレンゲツツジの他に探していた絶滅危惧種の2種類の花を見て歩いてきた有意義な山歩きだった。ヒトツボクロは今まで富士山麓でしか見たことが無かったが他にもあちらこちらで見つかってきており、茅ヶ岳にも数は少ないながらあるという情報もいただいている。
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