山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

ISS撮影ならず 竜ヶ岳  平成30年5月20日

2018年05月22日 | 星空
 昨日の午後8時ごろ、および本日の午後7時ごろ南東の低空を国際宇宙ステーションISSが通り過ぎて行くはずだ。竜ヶ岳か高下あたりから見ると富士山の山頂を弧を描いて通り過ぎて行き、ちょうど明るい木星が富士山の上あたりで輝いている構図になる・・・はずだった。前日の夕方はスッキリとした空が広がってISS撮影には好条件となったのだが、止むごと無き用事のために撮影には行けず仕舞いになった。この日もお昼頃から綺麗な富士山が姿を現し、三ツ峠から下山した午後4時ごろでも若干の雲が出たものの富士山は見えていた。寝不足の疲れは残っているもののこの好機を逃すわけには行かない。相棒のうーさんと一緒に竜ヶ岳に登る。


    休憩ベンチのある展望台から見る富士山。これだけ青空が見えていれば今日のISSはいただき!と思ったが・・・。


    東屋に到着。この頃には空は灰色の雲に覆われてしまう。

 予定では東屋から登ったところの斜面あたりを撮影場所に予定していたのだが空模様が怪しくなってきたので東屋から狙うことにした。時刻は午後6時、ISSが富士山頂を飛んで行くのは7時15分ごろのはずだ。カメラ2台をセットして待つが、雲が晴れる様子は無く厳しそうな空模様になってしまう。


    到着した頃にはまだ少しは青空が見えていて、少しは期待が持てたのだが・・・


    午後7時ごろには富士山山頂の裏側に雲が出てしまう。


    そろそろ富士山の裾野にISSが現われている頃だがこれでは見えそうもない。明るい木星が見えていない。


    山頂をISSが越えて行く頃だが、全く見えず。


    期待して登って来たが残念。本日のISSは敗退。撤収して下山する。

 半月に近い月が雲を透かしてようやく見えたいたが、西の空でひときわ明るく輝いている金星も見えなかった。富士山頂に輝く木星とISSのコラボレーション撮影の絶好の機会だったのだが敗退となる。またの機会を待とう。
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ミツバツツジ咲く三ツ峠  平成30年5月20日

2018年05月22日 | 山梨百名山
 三ツ峠ネットワークで新たな保護柵設置のために人手が必要だという連絡が山岳連盟自然保護グループからのメールで届いた。6月の山岳連盟主催の三ツ峠清掃登山では講師を仰せつかっており、作成したスライドが三ツ峠山荘のパソコンで正常に動いてくれるのかどうかを確認しておかなければならないことや、中村さんに相談しておきたいこともあったりしていずれにせよ三ツ峠には近々行かねばならなかったため、この保護柵設置作業に参加させていただいた。

 朝7時に御坂の登山口に集合するが、当直疲れがまだ抜けずなんとか時間には間に合ったものの何となく船酔いしたような頭がクラクラした感じが抜けない。歩き始めるとあっという間に息が上がり心臓が煽る。メンバーには先に行ってもらい三ツ峠山荘前に8時半の集合時間から遅れること15分、やっと三ツ峠山荘に到着したが、既にメンバーは作業場のほうに移動した後だった。


    マムシグサだが、葉っぱが5枚、しかしユモトマムシグサとは仏炎苞の形が違う。


    後ろから見た姿は恵比寿さまの耳たぶのように大きな仏炎苞の横の部分が垂れ下がっている。


    これは間違いない。


    初めて見る(いや、以前にも見ていたが気付かなかっただけ)ミミガタテンナンショウ。


    少しピンク色がかったツルシロカネソウ。


    葉っぱが5枚、ゴヨウイチゴ(だと思う)。

 前日に三ツ峠ネットワークのメンバーにより大部分の作業が終えており、残った部分のネット張りとポール強化のためのワイヤー張りをお手伝いさせていただき、午前中で作業は完了した。さすがに個人でやっている茅ヶ岳や湯村山のネットとは次元が違う、頑丈な保護柵が完成した。手慣れた三ツ峠ネットワークの人たちの手際良さに感心したが、さらにネット張りのテクニックは大いに勉強になった。今後の保護柵設置にいろいろ活用出来そうである。


    出来上がった頑丈な保護柵。

 朝はガスっていた空もお昼が近付くにつれてガスが晴れ、青空と富士山が姿を現した。ミツバツツジが見ごろを迎えており、山頂界隈は登山客でごった返していた。満開のミツバツツジを前景に、三脚を担いで山頂界隈から富士山を撮り歩く。


    ミツバツツジが見ごろを迎えていた三ツ峠。


    山頂のミツバツツジと富士山


    ミツバツツジと富士山


    同上


    同上


    同上

 存分にミツバツツジを楽しんだ後に三ツ峠山荘に立ち寄らせていただき、コーヒーをご馳走になりながら昼食となる。小屋主の中村さんを交えて1時間ほど花談義し、パワーポイントの動作も確認させていただいて下山となった。保護柵の設置も勉強になって良かったが、これほどたくさん咲いた三ツ峠のミツバツツジを見るのは初めてで、かつこんな綺麗な富士山が眺められるとは全くの想定外だった。こんなことならもう少ししっかりした三脚を持って来るんだったと少しばかり後悔しながら下山となった。
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植物調査および鹿食害調査で南アルプスへ  平成30年5月19日

2018年05月22日 | 花・花・花
 山梨県山岳連盟自然保護グループの南アルプス植物調査および鹿食害調査があり同行させていただいた。今回訪れる場所は山岳レインジャー活動で毎年どこかの山岳会が調査に訪れている場所であり、他の山岳会に先がけて自然保護グループが訪れることとなった。この調査に同行させていただくのは2年ぶりである。


    今回は自然保護グループの活動における中心的な人物ばかりが集まった。


    メンバーの一人が大きなカツラの木に着生している植物を発見。望遠レンズで覗いてみるとヤシャビシャクだった。花は満開。


    この界隈に生えているテンナンショウ属はほとんどがユモトマムシグサだった。


    ユモトマムシグサ。鋸歯のある5枚の葉、葉よりも上に出る仏炎苞が特徴。


    白いサナギイチゴ


    ピンクのサナギイチゴ


    アオチドリ。葉がちぎれていて食害に遭っている。


    まだ花が開いていないアオチドリだが、こちらも葉がちぎれている。


    まだ開花していないヒメムヨウラン。1本は折れてしまっている。


    イチヨウラン。山梨県レッドデータブック2018年版ではⅡ類からⅠB類に格上げされた。


    イチヨウラン。この界隈のイチヨウランはウズラ葉だった。


    イワセントウソウ。風で揺れるうえに花が小さくてピントが合わせにくい。


    ホテイラン。今回の一番の調査対象種。


    白いホテイラン。アルビノでは無くて花がしおれかけて色が抜けたもの。背萼片(花の上に出ている3本の萼片)が倒れている。


    苔が減って斜面が乾燥化しつつあり、年々数を減らしつつあるこの場所のホテイラン。危険な状況にある。

 2ヶ所を巡り、ホテイランは開花している株だけで20株以上確認は出来たが、葉を含めた個体数でも50株程度しか確認できなかった。生存して行くうえでギリギリの個体数しか無いと推定される。鹿の直接の食害というわけでは無く、食害による二次的変化の山肌の乾燥化、温暖化による影響、登山者の増加による山肌の荒れと硬化など、複合的な要因がこの花の減少につながっていると推測される。保護柵の設置が良いのであろうが、確実な効果が得られるかどうかは疑問があり、実際の保護はかなり難しいのではないかと思われる。
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