９条俳句訴訟「証人尋問」――「公民館の中立性」から判断

「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」と詠んだ俳句について、さいたま市三橋公民館が月報へ掲載を拒否した問題で、作者の女性が市に俳句の掲載などを求めた訴訟の第１０回口頭弁論が３月１０日、さいたま地裁でありました。

当時の公民館館長ら３人の証人尋問があり、掲載拒否の判断をした館長は「公民館の中立性から判断して好ましくないと思った」と語りました。

訴状などによると、公民館では地元の俳句会が会員の俳句から選んだ一句を月報に掲載していました。同俳句は２０１４年７月号に掲載する句として同年６月２４日に選ばれましたが、公民館は翌日に「世論を二分するテーマの俳句は載せられない」などと俳句会に伝え、俳句コーナーを削除して月報を発行したというものです。

証人尋問で、三橋公民館の決裁権を持つ桜木公民館の館長は「公民館が発行する広報紙に政治的なものを載せるのは中立的ではない」と述べました。原告側に「今でも適切だったと思っているか」と問われると「はい」と答えました。

最初に俳句を見た当時の三橋公民館職員は、裁判長の「載せないことが逆に中立性を欠くと批判されるとは思わなかったのか」という問いに「考えなかった」と回答。三橋公民館長は政治的と思った理由について「今の時代の動きに反対している俳句と受け止めた」と述べました。　

【出典参考】2017年3月11日付け「東京新聞」

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