とだ九条の会blog

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核兵器廃絶へ ノーベル平和賞受賞者17人が宣言

2009年10月31日 | 国際・政治

ちょっと前の情報ではありますが、ノーベル平和賞受賞者17人が、各国の政治指導者や市民に対し、核兵器廃絶へ積極的に取り組むよう訴える「ヒロシマ・ナガサキ宣言」を発表しました。宣言は、被爆地・広島に拠点を置く「中国新聞」の5月18日付け朝刊一面に掲載されました。「核軍縮、廃絶に向けて行動しないことによる差し迫った危険」に警鐘を鳴らすとともに、核廃絶は可能であるとして「私たちは結束して、この構想を現実のものとしなければなりません」と訴えています。
宣言の草案は、北アイルランドの平和運動家で、1976年にノーベル平和賞を受賞したメイリード・マグアイア女史らがイニシアチブを取って作成。存命中のノーベル平和賞受賞者30人を対象に賛同者を募ったといいます。宣言を世界へ発信するにあたっては、「原爆の惨禍を直接知る最もふさわしいメディア」として「中国新聞」を選んだといいいます。
そこで、ノーベル平和賞受賞者17人による「ヒロシマ・ナガサキ宣言」全文を「中国新聞ヒロシマ平和メディアセンター」特設ホームページより転載させていただきます。(サイト管理者)

<ノーベル平和賞受賞者ヒロシマ・ナガサキ宣言>

64年前に恐ろしい原子爆弾が日本に放たれ、世界は核兵器の破壊力を目の当たりにしました。
2010年春に国連で開催される核拡散防止条約(NPT)再検討会議を1年後に控え、下記に署名する私たちノーベル平和賞受賞者は、バラク・オバマ米大統領の核兵器のない世界への呼び掛けに賛同し、全人類の利益のために、すべての国の指導者が固い決意をもってこの目標を追求することを訴えます。
私たちは核拡散という新たな時代を迎えています。すでに世界のほぼすべての国が批准し、1970年に発効した核軍縮を義務付けるNPTがあるにもかかわらず、この条約を履行し、私たちの世界から核兵器を廃絶するという前進はほとんどみられません。それどころか核保有国が核兵器を威圧的に利用し続けることで、他の国々が核兵器の生産を求めるようになっています。
私たちは核兵器が非核国へ拡散する脅威を深く憂慮しています。同様に、これらの恐ろしい兵器をなくす義務を負っている、核保有国の薄弱な意志に対しても懸念を抱かざるを得ません。
人類がこれまで3度目の核兵器による悪夢を避けることができたのは、単なる歴史の幸運な気まぐれだけではありません。第二のヒロシマやナガサキを回避するために世界へ呼び掛け続けてきた被爆者たちの強い決意が、大惨事を防止することに確かに役立ってきたのです。さらに、平和を希求する被爆者たちを支持してきた何百万という人々がいることや、人類全体が核の使用を自制してきたという現実は、人間にはより健全で崇高な資質、つまり暴力を排し生命を守ろうとする本能が備わっていることを示唆しています。
NPT再検討会議へと至るこれからの期間、この崇高な資質が私たちの取り組みの指針となるよう高まらなければなりません。各国政府は今、条約で定められた履行状況を再検討し、これから進むべき方針について計画を立てています。長い年月の中で初めて、核軍縮、廃絶に向けた現実的な前進の機会が訪れているのです。
こうした過程が広がっていけば、世界の指導者たちは、核兵器の不拡散か、核兵器で優位に立とうとする政策に固執するかの明確な選択を迫られることになります。私たちは拡散を食い止め、廃絶への道を歩むか、さもなければヒロシマ・ナガサキの惨禍が繰り返されるのを待つかのどちらかです。
人類にとって、アルバート・アインシュタインが1946年に発した次のような警告を聞き入れるべき時期は、とうの昔にきていたと信じます。
「解き放たれた原始の力はすべてを変えてしまったが、唯一変わらないのはわれわれの考え方である。それゆえ、われわれは未曾有の破滅的状況へと流されていく。もし人類が生き残ろうとするならば、われわれはまったく新しい考え方を身につける必要がある」
私たちはそのような新しい考え方が可能であることを知っています。過去10年、各国政府は国際機関や非政府組織、生存者と連携して、地雷とクラスター爆弾という2つの無差別兵器を禁止する条約を成立させました。世界がようやく、これらの兵器が人類に惨事をもたらすことを理解し始めたことにより禁止されたのです。
世界はすでに核兵器がとてつもない規模の惨禍を人類にもたらすことを知っています。無差別で、不道徳で、違法な兵器です。広島・長崎への原爆投下と、その後の長期にわたる影響からも明白なように、核兵器は想像を絶する結果をもたらす軍事兵器です。
核兵器廃絶は可能です。いや、それ以上に、核兵器廃絶は、全人類にとってより安全な地球を築くために必要不可欠なものです。
ノーベル平和賞受賞者として私たちは、世界中の人々に、自国の指導者たちに強く働きかけることを呼び掛けます。核軍縮、廃絶に向けて行動しないことによる差し迫った危険を把握し、その前進のために政治的意思を喚起すべきであることを―。核兵器のない世界を実現し、人類により大きな平和が訪れるように、私たちは結束して、この構想を現実のものとしなければなりません。

署名者
ベティ・ウィリアムズ
メイリード・マグアイア
アドルフォ・ペレス・エスキベル
デズモンド・ツツ
オスカル・アリアス・サンチェス
ダライ・ラマ14世
リゴベルタ・メンチュ
フレデリク・デクラーク
カルロス・フィリペ・シメネス・ベロ
ジョゼ・ラモス・ホルタ
ジョディ・ウィリアムズ
ジョン・ヒューム
金大中
シリン・エバディ
ワンガリ・マータイ
ムハンマド・エルバラダイ
ムハマド・ユヌス

【出典】「中国新聞ヒロシマ平和メディアセンター」特設ホームページhttp://www.hiroshimapeacemedia.jp/mediacenter/

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