アサヒGHD株価推移 3,938前日比-18(-0.46%)
1株利益173.43 配当53
アサヒグループホールディングスは飲料事業の生産・物流体制を効率化する。100億円超を投じて傘下のカルピスの工場で生産ラインを増やし、隣接地に飲料事業で最大級の物流拠点を新設する。飲料市場の拡大で割高となった外部委託比率を下げると同時に、運転手不足のトラック便数を削減し、収益力を高める。
3月にカルピス群馬工場(群馬県館林市)で新たな充填ラインを稼働させる。従来の2ラインから3ライン体制に増え、年間生産能力は現行の15%増の3000万ケースに高まる。生産増強の投資額は約50億円の見通し。
カルピス群馬工場では昨年にカルピスブランドだけでなく、アサヒ飲料の果汁飲料「バヤリース」の生産も始めた。新設ラインでも両社の製品を手掛け、生産量の増加に対応する。内製化で外部委託よりも利益の改善も期待できる。
物流拠点は総面積約4.7万平方メートルの2階建て倉庫と事務所棟を2018年1月に稼働させる予定だ。商品の保管能力は約130万ケースで、グループの飲料事業では最大級となる。拠点整備には約55億円を投じる計画だ。
これまでは近隣に拠点を借りて、群馬工場だけでなく他工場で生産した商品も保管・出荷するなどしてきたが、自社拠点を設けることで北関東地域での出荷効率が高まる。年間1万1千台程度のトラック輸送が削減できる見込みだ。
アサヒが12年に買収したカルピスとアサヒ飲料は16年に完全統合し、買収後3年間で60億円超の相乗効果を生んでいる。今回の投資で自社製造比率をさらに高めて効率化をはかる。飲料事業の販売数量は16年は前年比3%増と好調で、供給体制を整えて利益率を改善させる。*日経
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