寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第2525話) 長所87個

2017年11月08日 | 活動

 “二十代の孫娘二人の連名で手紙が届きました。封筒の中には、五センチ四方に切った赤や青などの折り紙が四十枚以上クリップで留められて入っていました。折り紙の両面には「よく笑うところ」「話を聞いてくれるところ」「姿勢が良いところ」「毎朝新聞を読むところ」・・・。私の年齢と同じ八十七の私の長所が書いてあって驚きました。最後の紙には孫たち家族四人の笑顔の似顔絵が添えてありました。
 すぐにお礼の電話をすると、一人の孫娘は「友達の記念日に相手の良いところを年齢と同じ数だけ書いて渡すのが今、友達との間ではやっている。敬老の日だからおばあちゃんの良いところを皆で考えたんだよ」と。友達の何倍もある八十七も長所を探すのはさぞ天変だったことでしょう。家族でどのぐらいの時間をかけたのかを想像すると、涙がにじんできました。
 この折り紙を一枚ずつ画板に張って何度も読み返し、健康で過ごすことが皆のためだと思いました。”(10月14日付け中日新聞)

 愛知県豊橋市の絵手紙講師・塩田さん(女・87)の投稿文です。「人は褒めて育てよ」と言う。褒められて気分が良いのは何歳になっても同じである。ボクも現役時代こんな研修を受けたことがある。長所も数個はすぐに浮かぶが、それ以上は大変である。87個と言えば、良いと言われることをすべて挙げても足らないのではないか。それを家族揃って思い浮かべられたのである。素晴らしい、感激で潤まれるのも当然である。宝である。画板に張って読み返される気持ちが分かる。これからの良い励みになろう。
 お孫さんによれば、こんな行為が若い人の間ではやっているという。本当だとしたら嬉しいことである。若い人の交流がスマホなどですますことが多いと聞く最近において、紙とはまた良い。愛知県の話である。我が町でも広がってくれると嬉しいが。そして、我が孫から届いたらどんな気持ちになるだろうか。夢の一つとしておきたい。


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