彦四郎の中国生活

中国滞在記

三年ぶりに見る―日本の桜、日本の春―

2016-04-16 06:11:06 | 滞在記

 4月6日(水)の夕方、週末にとりおこなわれる「娘の結婚式」への参加のため日本に帰国した。中国「福州」は気温が25度前後あったため、下着は半袖で帰国したのだが、日本はけっこう寒かった。翌日7日(木)は、爆弾低気圧の日本列島縦断通過のため、本降りの風雨の一日。「春の嵐」のため、楽しみにしていた満開の桜がかなり散っていった。福州と日本の気温差に順応できず、「風邪」をひいてしまった。
 8日(金)、天候が回復し始めた。自宅に近い、石清水八幡宮に行く。「日本の桜・日本の桜」を見るのは三年ぶり。心、落ち着き、楽しい。

 石清水八幡宮からほど近い「背割堤(せわりてい)」に行く。三重県から流れてきている「木津川」、京都府丹波地方から流れてきている「桂川」、滋賀県の琵琶湖から流れてきている「宇治川」の「三川(さんせん)合流」の地に位置する「背割堤」。1.4km以上の桜の大木の並木が続く桜の名所の一つだ。昨夜来の大雨で かなり桜は散り始めている。

 8日(金)午後、立命館大学に行くため、市内公共バスに乗る。海外からのお客さんの乗客も多い。女性の運転手だったが、ものすごく丁寧なアナウンスに感動する。中国のバス運転手とは真逆というか、天と地の違いというか、職業倫理に関する違いが際立つ。
 立命館大学の桜もかなり散っていたが、新緑とのコントラストが美しい。「日本の春」のすばらしさは、中国という外国で生活をしてみて実感することも多い。事務室に行き「2016年度立命館大学大学院研修員証」を受け取る。新たな図書館が開館していた。

 10日(日)と11日(月)にかけて、鴨川べりを散策する。三条大橋・四条大橋の周辺、植物園近くの「半木の道」周辺の桜を見る。

 「春爛漫」というか「百花繚乱」というか、「シャガ」「木瓜(ぼけ)」「ミツマタ」「シャクナゲ」「山吹」の花々も咲くこの季節、5日間ほどの短い日本滞在だったが、日本の「春」をすごすことができた。四条大橋付近の夜の鴨川も風情がある。この季節の京都市は、特に欧米からの観光客が非常に多いと思った。

 短い日本滞在中に、テレビや新聞で、「南米ウルグァイ前大統領:ホセ・ムヒカ氏来日」と報道されていた。ホセ・ムヒカ氏のことを初めて知った。「世界でいちばん貧しい大統領」「職業、大統領。農場に住み、月10万円で暮らす。」「世界に衝撃を与えたスピーチで一躍時の人となったウルグアイ前大統領」。
 書店で「文庫本」を買って読んでみた。「絵本」は売り切れだった。世界が抱える諸問題の根源は、我々の生き方そのものにあると説いた伝説的スピーチ(2012年)。一国の長でありながら、大統領官邸には住まず、自宅の農園に住みながら政務を実行。(※警察官2人が常駐) 庶民生活を貫き、国民の目線に立ち続ける柔和で読書好きの老人の生涯は、貧困、ゲリラ活動、投獄など衝撃の過去に満ちていた。

 特に1990年以降、日本の政治家たちも「志(こころざし)」を感じる人が少なくなった。「自分のためだけに政治家になる」人がほとんどかなじることの多いこの頃。