敏腕Pの日々のつぶやき

テアトルシアター代表。担当舞台作品について他、演劇やスポーツ等々の雑感を気の向くままに。

深説・空ゆく風のこいのぼり

2020年05月18日 | 制作公演関連


稀有な劇作家、藤井貴里彦さんは
宮崎在住の童話作家でもあり、
生業としては藍染職人でもあった。
写真のこいのぼりも、彼の作。

『空ゆく風のこいのぼり』の
戯曲とともに送られてきて、
今も僕が大切に保管している。
(写真は稽古初日に飾った時の一枚)

宮崎県に伝わる伝統芸能
「山之口麓文弥節人形浄瑠璃」
(因みに読み方は、やまのくち
ふもとぶんやぶし、である)を
話の中心に置いた『浄瑠璃の庭』。
藤井戯曲×磯村演出の第一弾を
作者の故郷・宮崎で!という
気運もあったが残念ながら頓挫した。

その実現を目指しつつ並行して進めた
第二弾は、ざっくりした筋と
だいたいの登場人数を決めると、次に
俳優の写真と、制作者による人物メモ、
さらには劇団としての方針を渡して、
シノプシスの段階へ。

例えば、甲という役者は二枚目だが、
今回はあえて三枚目を担わせたい。
乙は少ない場数で印象に残る
ワンポイントリリーフ。けれど
次回は少し長いイニングを投げさせたい。
……そんなことを藤井さんの書斎で。
この時の仮題は『チーサオの夢』。

あの頃ちいさかった「たまき」君は
もう成人したのだろうか……。

さて、つまりキャスティングは
本が出来る前からほぼ決まっていた。
スタッフも『浄瑠璃~』をベースに
大好きな信頼できる面々を召集。

題字は、大学の恩師・上田先生に依頼。
かなりの枚数を書いていただいた(汗)
改めて深謝



昨日も載せた『空ゆく~』のポスター。
下は、その稽古後の呑みの一場面。
右手前が藤井さんである。
奥中央に俳優の南保大樹さん、
左が演出の磯村純さん。
おお! 4/28付弊ブログ『ジュンナン』の
ナンとジュンではないか!!



思えば、このブログはそもそも
ナン氏が「劇団HPに載せるので書いて」
と言われてシブシブ始めたのです。
2005年4月20日。『浄瑠璃~』千秋楽から
ちょうど9ヶ月後のスタート。
で、ジュン氏が当時ふざけて僕を
「敏腕P」と呼んでいたこと「も」、
ブログの題名に由来する。

そうして始まった二稿目に『新進劇作家』と題し、
藤井さんにも触れていたことを今日まで忘れていた。

『空ゆく~』は架空の国・トトパイ共和国からの
交換職員チーサオと、宮崎県の山間地帯に暮らす
町民たちのおはなし。中でも岡野ひとえと仲が良い。
ひとえは鍛冶屋を営む老夫婦の元に身を寄せている。
そして、この家の庭先には、何故か季節はずれの
こいのぼりが泳いでいた……。

(さらに続くというか……)
コメント
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