敏腕Pの日々のつぶやき

テアトルシアター代表。担当舞台作品について他、演劇やスポーツ等々の雑感を気の向くままに。

乃木坂倶楽部

2007年08月30日 | 鑑賞
 演劇ユニット「Rlung・風(ルン)」第五回公演『乃木坂倶楽部』(作・演出/古澤徹)は、出演者に『子宝善哉』(東演自主公演 作/門肇 05年7月)で演出をお願いした篠本賢一さんが、役者として出演していたことに加え、萩原朔太郎ら文士の登場する芝居と言うことで、興味深く観た。

 昭和4年、稲子と離婚した朔太郎は葉子と明子の二人の子を連れ、一度前橋に帰郷するが、同年11月、単身上京し、麻布の高級アパート乃木坂倶楽部に入居する。

 そこから舞台は始まり、その部屋に、親友の室生犀星、弟子の三好達治、憧れの人・宇野千代らが登場し、彼の幻影の中では、自殺した芥川龍之介が朔太郎を死に誘う・・・そんな風に物語は進んで行く。

ここからは「芝居」の前段になるのだが、大正14年に朔太郎は妻子とともに上京し、大井町、田端を経て、大正15年「馬込文士村」に居を定める。
 大正から昭和初期に多くの作家や芸術家たちが住んだことから、そう呼ばれているが、顔触れを列挙すると、尾崎士郎、川端康成、北原白秋、室生犀星、小林古径等々、なかなかの顔触れ。
さて。
 我等が東演の拠点「世田谷区代田」周辺にも、多くの文士が集っていて、それを「北沢川文化遺産保存の会」が整理する活動を行っている。

 東演の真ん前にある喫茶店「邪宗門」のマスターも、そのメンバーの一人で、その会議もしばしば「邪宗門」で行われる。僕らが店の奧の席で芝居の打ち合わせをしている、その手前の席で「保存の会」の面々が集まっていることも多々ある。

 で、同会から発行された小冊子を開くと、まず朔太郎自身、昭和8年~北沢に、8年~17年には代田2丁目(パラータから直線で300mほどの所)に住んでおり、彼を師と仰いだ三好達治は昭和24年から終生、代田1丁目に暮らした。ここはパラータから、僅か3ブロックの地だ。

             

 そんな聞き囓りもあって『乃木坂倶楽部』は面白く観た。
 
 舞台の中に登場する宇野は「今は淡島で東郷と暮らしている」と言う。

 確かに、宇野は画家・東郷青児と恋に落ち、馬込の尾崎の家には帰らずに同棲を始めていた・・・。
 おっと
 こー書いてくると、何だか《文学史》の授業みたいだなぁ。
 (いくら僕が国語科の教員免許を持っているからって)。

 でも『乃木坂~』の舞台そのものは、偉大な(?)作家達を大いにデフォルメして、コントを思わせる作りで笑わせながら「人間が生きていく」ということ、それと背中合わせの「死」や、「家族」の存在、家族と「芸術活動」ののっぴきならない関係などを描いていく。
 当然「貧しさ」も大きなテーマであり、それを“舞台俳優”が演じると二重の意味でリアルになって、笑いながらも泣けてきたりする。

 いや、決して篠さんが演じる三好達治が片恋する、朔太郎の妹に交際を断られるのが、彼の病気でも、文学に身を投じていることでもなく、ただ「貧乏だから」というシーンを指して言ってるわけじゃないッスよ。

        公演は既に終わっていて…。
        8月23日(木)~26日(日)までtheater iwato。
        観たのは25日のソワレでした。

 何はともあれ、このあたりの時代はそそられますヨね。
 是非、東演でも手掛けたいです。何しろ、素材はすぐ近くに豊富に転がっているのですから・・・。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

リクジョーとセーリと演劇と

2007年08月29日 | スポーツ

 昨夜はすごい雷雨でした
 8月も終わりに近づき、やっぱ、秋はちゃ~んと来るのだな…と、
とにかく絶え間なく光る稲妻に多少ビビりながらも、ホッとした。

 で、そんな中久しぶりにのんびりテレビを見た

 世陸の、女子棒高跳びを中心に。。。
 注目は、やっぱ、エレーナ・イシンバエワ。
 パスを繰り返しながらの、余裕のゲーム運び。
 女王の貫禄で、タオルを顔にかけて寝ている姿すら美しい

 と、陸上の特性で、競技がコロコロ変わるのだ。
 フィールドからトラック、予選を挟んで別の決勝と・・・。
 なかなか、このあたりに慣れない日本人も多いのじゃないのかしら? 落ち着かない、みたいな。

 僕も陸上には詳しくないが、真面目な僕は小学校の給食で「三角食べ」をしっかり体に刻みつけたので。。。要は、パン-牛乳-おかず-パン。次はおかずいっといて、パン、またおかず、ここで久しぶりに牛乳みたいな。。。美しい三角食べを、大人になっても続けていて、だから劇場で、或いは旅公演の移動の電車で、折詰弁当を食べることがあっても、最後には、ご飯とお肉とタケノコとお新香が、それぞれ一口ずつ残るような食べ方が出来るのだ。
 
 なので、この陸上のTV中継は生理的には苦にならない。

 でも、男子200Mの準決勝で“日本スプリントのカリスマ”末續慎吾が、まさかの敗退!と、アナウンサーが絶叫したあとのCMで、その彼が、柔らかく仕上がったタオルに顔を埋めて呆けた顔になっているのを見るのは、少々辛いかも・・・
 「直後」ではなかったし、理屈ではCMが大事なことは解ってもいるが…。

 思えば。
 演劇でも、話があっち行ったりこっち行ったり、何とも整理されていない生理的にイライラする作品は少なくない。逆に、イッタリキタリが、むしろ作品の面白さにつながる場合もあるのだけれど……。

 TVは再び棒高跳びを映し出した。
 イシンバエワは僅か3回の跳躍で金メダルを獲得し、その後、ワールドレコードに挑戦したが惜しくも失敗。(つまり6回のジャンプでした)
 ほいでもって、女子走り幅跳びは金銀銅をロシアが独占
 すご

 ありゃりゃ。
 言ってる僕自身のブログが、フラフラしてるじゃんか 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

163位

2007年08月28日 | 東演
 6月29日(金)、638ipでアクセス数が281位になった
ってことを、7月6日の弊ブログに書いたのだが、8月7日759ipで201位(831630 BLOG中)と記録を更新し、いよいよ100位台が見えたと思ったら、さる土曜日に、1044pv/781ipで164位(842753 BLOG中)、翌日曜は1077pv/814ipで163位(843369 BLOG中)と連日の好アクセスとなった
これまた、大きかったのは絹川愛(きぬがわめぐみ)効果
 何度かブログで取り上げさせていただいたので・・・。

 彼女は、ただいま開催中の世界陸上に、日本代表唯一の高校生。種目は女子一万メートル

 キュートな22歳エチオピアのティルネシュ・ディババの2連覇となったレースの、日本選手の最高位は、靴が脱げながらも10位に入った福士加代子。
 その国内第一人者「みちのくの爆走娘」に次ぐ14位

 TBSのキャッチコピーが“平成生まれのプリンセス”となっている絹川は、仙台育英高校3年生。今年の夏、球速の甲子園最速記録を塗り替えた佐藤由規と同じ学年だ

 で。昨夜の女子走り幅跳びで、夢の7Mには遠く及ばず予選敗退となった“東洋の真珠”こと、池田久美子の後輩にも当たる。

 同校のHPのトップに、二人が握手する写真入りで。。。

    「第11回IAAF世界陸上競技選手権大阪大会」
     本校OGの池田久美子選手、
     陸上競技部3年絹川愛選手を
     みんなで応援しましょう!!

。。。と堂々のPRをアップしていたが、なんと、今日は早くも「オープンスクール」の募集にかわっていた

「暑い夏も過ぎようとしています。夏の甲子園大会、世界陸上の応援、ありがとうございました。」・・・というコメントもしっかり添えて。
 さすがだ
 閑話休題

 普段は5時半に起床し、午後10時に就寝するプリンセスは、大会前「お子ちゃまな私が起きていられるか。それが最大の課題です」と報道陣を笑わせた絹川の、世界デビューは32分45秒19。

 小林祐梨子とともに、将来の陸上長距離を牽引するスターをチェケラだ

 と、これでさらにアクセス数UPか?

 ……余所様の力でなく、多くの方に遊びに来て貰えるように、劇団力をアップすべく、昨日「劇団委員会」を開き、未来についての討議を持ちました。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

世陸はじまる、そして区民Aも

2007年08月27日 | 東演
 一昨日は、海外を訪ねる話でたが・・・
 その25日(土)、世界から日本にトップアスリートがやってくる大会が開幕しました。
随分前から、織田裕二&中井美穂らで番宣を盛んにやってたから、気分は「始まっちゃってる!」って方も多いと思いますが、とにもかくにも大阪で、まずは男子マラソン
 予想通り、団体は金ながら、個人は入賞(5,6,7位を独占?)のみでした。
 一方、男子100Mは、予選ながら朝原宣治が、今季世界最高の9秒84を出しているタイソン・ゲイ(米国)を抑えて堂々の1位通過は見事! だってスプリントだヨ、しかも35歳っすよ。
(落ち着いて見えるのでもっと上にも見えるけど
 まあ、昨日の準決で敗退し、悲願のファイナリストは逃しましたが、本当に大健闘

 とにかく、日本選手はじめ世界のアスリートの活躍に大注目だ
 
 それに対して「世界競泳」がイマイチ盛り上がってなかったのは、3月に「世界水泳」を終えたばかりで、結果、オリンピック前年の夏に国際大会がないという状況を憂慮した日本水泳連盟が主催で立ち上げた“微妙な大会”だったからかしら?

 でも、100Mと200M平泳ぎ、400Mメドレーの金3つで復調を印象づけた北島康介や、17歳の新鋭で、初めての国際大会で金メダル(200M背泳)を奪取した入江陵介! 番組は“バランス王子”などと呼んで煽っていたが・・・

 金6銀6銅6の結果は、やや不吉な数とも言えますが、拍手でしょ
 と、久しぶりのスポーツネタ

 そんな夏の終わりの日曜日(8/26)、僕は「下北沢演劇祭」の区民上演グループの説明会及びオーデションの為、つい先日まで公演してたタウンホールの、同じ建物の9階の会議室へ。

 今回は、リピーターから初参加の方まで…40名ほどが集まりました。
 Bグループを担当する本多劇場の大岩氏の発案で、今年は3人(女性2男性1)の任意のグループでの読みで審査させていただきました。

 東演が担当するAグループは10月アタマから稽古開始。
 作品は、劇団東演第126回公演『大地のカケラ』を書き下ろしていただいた、はせひろいちさんの代表作『非常怪談』に決めました。演出は、東演でも『浄瑠璃の庭』などで御世話になっている青年座の新鋭磯村純さん。

 本番は2月2日(土)7時、3日(日)2時。タウンホールにて。
 無料です。
 東演とは一味違う「演劇」を愉しんでいただけると思います。
 
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

海外ツアー花盛り

2007年08月25日 | 東演
 昨日のブログで触れた東京芸術座の当日配布のリーフレットに、『母は枯葉剤を浴びた』の作者・中村悟郎さんが同行される「ベトナム旅行」のチラシが挟んであった。
“ホーチミン市平和村とメコン河・カンザーを訪ねる旅”と題され「東京芸術座協賛企画」となっている。6日間の行程で観劇はなく、5目の自由行動以外は、枯葉剤の被害を克服したマングローブ自然公園と解放戦線の基地跡の見学、ベトナム戦争を闘った人々との交流など、かなりハードな内容である。

 8/22に紹介した『はだしのゲン』も会場で“モスクワ・ヤロスラーブリ「平和・友好・連帯」の旅”のカラーリーフを配布。
 こちらは「平和原爆展と世界に9条を広める(準備会)」の
第1回企画とあり、基本的に木山事務所の関与は見当たらない。
 こちらも6日間の行程で、その2日目に、ヤロスラーブリ国際演劇祭に参加する『ゲン』を観劇。その前には市役所表敬訪問や「平和原爆展」を実施するボランティアの方々との交流などもセットされ、4日目には「チェルノブイリ被爆者の会」の表敬訪問があるまど、ツアータイトルに偽りなしの《平和・友好・連帯の旅》となっている。

 ちなみにヤロスラーブリとは都市の名前で、モスクワを囲む「黄金の環」と呼ばれるウラジミールやスズダリ、コストロマなどと同様、古き良きロシアの残る都市のひとつである。

その他、我々と前後して「日中国交正常化35周年記念訪中公演」を行う、青年座や文化座なども、同行観劇ツアーを企画しており、新劇界はにわかに旅づいている・・・。

 勿論、東演も負けじと“北京・大連(含む旅順)の旅”を催行する!
 餅は餅屋だから、旅行代理店まかせ、というか、プロ主導で企画が固まって行くのが普通なのだろうけれど、芝居創り同様《心を込めた手作り》がモットーの東演は、今回も出来ることは座内で出来るだけやって、結果、多くの時間をツアーに参加される方々と過ごせるようなプログラムになりました
 ツアー後半は、移動の関係もあって別行動となりますが、そこに二百三高地などを組み入れ、平和についても考えていただければ、と珍しく真面目な味付けも・・・。

 とっととHPでも、情報をアップしたいのですが・・・
 鋭意努力中です。気になる方は、どうぞお気軽に劇団まで
 電話でもメールでもお問い合わせくださいませ。
 
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

母は枯葉剤を浴びた

2007年08月24日 | 鑑賞
 東京芸術座第29回アトリエ公演『母は枯葉剤を浴びた』(原作/中村梧郎 構成/井上鉄夫 演出/稲垣純)は村山知義没後30年メモリアル公演として8月18日(土)から本日まで、同劇団アトリエにて。

 21日観劇の“ヒロシマの原爆”にかかわる芝居に続き、今回はベトナムの枯葉剤。平和について考える敏腕Pである。

 ベトナム戦争の終結は1975年。僕は9才で、遠い国のことなど知らずにただただ遊び呆けていた。
 その6年後、ベトちゃんドクちゃんが産まれ、それと前後して、彼らのような先天障害を持った子供が沢山さくさん誕生する。僕は中学3年。その存在をニュースで目にはしたが、受験勉強もせず白球を追い、あるいは交換日記をバレずに渡すことに気を配っていた・・・。

 そして2007年。原爆症と同様に、枯葉剤の被害に苦しむ人は本当に多くいて、またその連鎖が断ち切られる保障はまったくない。

 さて。『母は~』は、獲った魚をそのまんま食す猟師の料理とでもいうような芝居でした。『ゲン』が素材を生かしつつも趣向を凝らしたアレンジで盛りつけたところに、意外な食材をベースにしたソースで味付けしたフランス料理だとしたら、海の水でちょちょっと洗ってぶ厚く切って口に放り込む風情!
 フォトジャーナリスト中村梧郎さんの原作を構成した、ベテラン俳優井上鉄夫さんの人柄そのもののようだった。

 ただ、おそらく章立てで書かれた書物は、その章を終えてページを繰る時に次章のタイトルなどあって、こちらにも心の準備が出来るわけだが、その処理が甘く・・・まぁ、だから猟師に例えたのだが・・・例えば、白身の軽い魚から徐々に脂の乗った魚へ、ちょいと飽きたとこで貝類または頭足類を配して、いよいよ大トロの登場!みたいな組み立てはあっても良かった気がしました。

 勿論、ベトナムの被爆者だけでなく、空爆した米軍パイロットらにも被害は出ている点も描き、最後にドク氏の結婚で、人の命の強さや未来への希望も添えて幕を降ろす構成は良かったのだが、やや散漫な印象はありました。

 リーフレットに寄せて、原作者の中村氏は、写真と演劇の「前代未聞のユニークな取り組み」と書いているが、アトリエ公演ならではの、画期的でかつ有意義な舞台であったことは言うまでもないのだけれど!
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

はだしのゲン

2007年08月22日 | 鑑賞
 昨夜、ふなばし……もとい、7月4日をもって「NPO法人ふなばし演劇鑑賞会」になった特別例会、木山事務所『はだしのゲン』(原作/中沢啓治 脚本・作詞・演出/木島恭 作曲/林はじめ 音楽/高橋慶吉)にお邪魔した。

                              【文中敬称略】

 言わずと知れた、広島で被爆した少年・ゲンの成長譚を描いた名作マンガの舞台化だ。

 初演から12年、間もなく400ステージを迎える『ゲン』は日本はもとよりアメリカ、韓国、ポーランドでも公演し、今秋はロシアのモスクワとヤロスラーヴリへ…。

 歴代屈指と言われた前任のゲン=田中実幸から富岡香織となった今年、舞台美術等含め演出は変わらないものの“新しいゲン”と言って過言ではないだろう。大幅なキャスト変更は、ほかにゲンの母・君江が田中雅子から橋本千佳子に替わっただけだが、印象は大きく異なった。

 富岡ゲンの良かった点は「ヒロシマの少年」であったところ。
 暮らしたこともないから、あくまでイメージだが。。。映画の中の広島人や広島出身のプロ野球選手に見られる共通の匂いを、実幸ゲンより強く持っていた!

 彼女は客演で、また、弟・進次の小野文子、彼の死後生まれ変わりのように現れるみなしご・隆太の小川恵梨・・・中核となる役も外部から招きながら、決して「木山事務所の作品」としてブレることなく成立しているのも、このカンパニーの強さだ。

 小野、小川ともに既にかなりのステージをこなして、すっかりファミリーになっていることも大きい。。。今年の3/31付弊ブログで紹介した「おおぎみ」という六本木の店のオーナーでもある大宜見輝彦(ゲンの父・大吉)や、ケンちゃんシリーズのお父さん役から『機動戦士ガンダムF91』のカロッゾ・ロナの声まで幅広く活躍されている前田昌明(案内役)の、計12分の5が客演ながら、抜群のアンサンブルで、重いテーマの作品に、笑いを散りばめ、全15曲のナンバーとともに感動を呼ぶ。
 
 と、ここまで書いてきて、我ながら今日の文体は切れ味が悪いなぁと思う。
 要因は、決して『月光の夏』と競合するライバル作品だからではなく、このシリーズからゲンとともに参加した女優が、かみさんなので、何ともはや書きにくいのである。

 じゃあ、取り上げるなという話だが、それはそれとして、やはり大変素晴らしい舞台で、『月光』同様、これからも長く上演が繰り返される作品と思ってはいるのだ。

 正直、まだこなれない部分もある富岡ゲン。
 実幸ゲンの底抜けの明るさは、彼女の柄として成立しづらい。ステージを重ねながら自分なりの「ゲン」を見出して欲しい! 幸い、隆太と信次がその部分を担っていて、特に弟役の小野が、良い意味で、かなりバカに拍車がかかっていて面白い。

 それぞれの個性をぶつけて、より錬りに錬って、ますます円熟する『はだしのゲン』。まだご覧になっていない方は是非ご覧ください。
 特に、優しさの中に強さを持った母親役の橋本千佳子が絶品です。
・・・夫バカ
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

エクストリームアイロニング

2007年08月21日 | 東演
 「アイロニング」とは、アイロンをかけること。
 で、「エクストリーム・アイロニング」とは様々な環境でアイロンをかけること、らしい。
 先日、某NHKで初めて目にした。サーフィンしながらとか、水族館の水槽の中とか…、番組では、富士山頂で日の出とともに敢行してた!
世の中には、本当に色んな趣味趣向がある。

 さて。東演に限らず、劇団の旅公演は、ひとつの家族の大移動みたいなものなので、芝居に必要な大道具に小道具、照明や音響の器材や衣裳に加え、その衣裳及び私物を洗う洗濯機や、さらなる座の結束を強めつつ、気分転換も兼ねた(?)野球の道具、時代の趨勢からサッカーボール、はたまた根強い釣り具一式などレクレーショングッズも積み込まれる。
 
 実は、真面目な東演は、レクグッズを余り積まない方なのだが。。。特に『月光の夏』は、まず“平和への希求”が主旨としてあるので、道具を一切持たず体一つで公演地に向かうことも多い。
 その劇場にある照明、音響、道具の範囲で作品を創りあげるのだ。

 そんな時、唯一、主催の方にお願いするのが「アイロン」。
 通常、劇場にはなく、けれどもセットも派手な照明もない作品の、唯一の武器(作品の性格上使いたくないワードだが、ボキャブラリーがないのでごめんさい)である、黒で統一された衣裳に、見栄えは勿論、魂を込める「儀式」とも呼べる「エクストリーム・アイロニング」……全国各地、様々な所でのアイロン掛け!

 さあ、本日、岐阜県は垂井町での『ピアノ・ソナタ「月光」による朗読劇/月光の夏』公演に向け、旅立ちます
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今度は、どん兵衛!

2007年08月20日 | 東演
 『月光の夏』が一息ついている東演です。

 さて、前回は花火の話でしたが、そのとっかかりとなった川崎公演の、まさにその日(8月9日)は、溝口順子に続き、またまた日清食品さんのCMに、弊団俳優の出演した、その放送開始日でもあった。

 SMAPの中居くんが、「株式会社どん兵衛」の代表取締役社長として、社員にキャッチコピーを発表する、あれである。
 そう、マルちゃんこと東洋水産の「緑のたぬき」「赤いきつね」と、カップめんのうどん・そばで激しいバトルを繰り広げる「どん兵衛」の新CM

 割り箸の袋に「鰹だし、さらにドン。」と書かれたキャッチに社員がどよめく中。。。小ネタで、その「鰹」の前にちっこく「勝」に×印がしてあったりもするのだが。。。舞台中央に立つ社長の、業界でいうところの下手(シモテ/中居くんの右側、客席からみて左)には、額に白い鉢巻をキリリと締めた最高顧問の「どん兵衛くん」らが座っている。
 で、社長のコピーに対して、どん兵衛くんの隣で×印を出すのが、弊団の山中康司である。

 高橋克典さんとの競演(平成電電“CHOKKA”CM)など、映像では大手企業の管理職が最近目立つ山中である。
 ただ、必ず笑いの要素が含まれている…。

 弊団のPIC公演※『見果てぬ夢』での、ラブホを経営する男でも大いに客席を笑わせた山中だが、若い頃は、例えば、名匠・松山善三氏が原作、脚色、監督を務めた『その人は昔』(1967)で、主人公の青年=舟木一夫、少女=内藤洋子の純愛に割って入る「あいつ」を演じ、スポーツカーで少女とドライブし、少女の髪型や衣裳を派手なものに変え、最後は手切れ金を置いてアメリカに去る!
 ・・・なんて悪い二枚目がおハコであったのだ。
                        

 NHK大河『太平記』『峠の群像』『信長』などでも渋い演技をしてきた山中。
 男優では連名2番目の大ベテランだが、これからも変貌を遂げて行くことだろう・・・。
 山中に限らず、俳優とはそういうものだ! 東演俳優陣の、今後の成長や変貌に期待くださいませ。

    ※PIC公演/本公演とは一線を画した
            実験的なアトリエ公演。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

花火

2007年08月17日 | 東演
 予告をしながら、一日お休みしちゃいました。
 

 で。8月15日、『朗読劇/月光の夏』を終えて、向かった先は・・・タイトルにもあるように・・・

 花火

「大田区平和都市宣言記念“花火の祭典”」という、名前の通り、東京都大田区主催の、平和を祈念した花火大会。
 予定玉数6,000発を夜空に咲かせる恒例のイベント。
 それを、僕は川崎から見た。

 8/9に『月光の夏』を公演を行ったばかりの、川崎市民劇場の会員さんの3階建て家屋の屋上が、絶好のファイヤーワークス・ビューとのことでお誘いを受け、弊団代表・山田とともにお邪魔した。
 山田は過去にも参加したことがあるのだが、僕は初めて寄せていただいた。
 確かに、良い距離である

 屋上に敷いた人工芝にテーブルを並べて、勿論お酒、それから持ち寄った手作りの唐揚げやチャーシューや漬物等をつまみに、9日の公演の感想や…中には、下北沢へも「違う配役、違うピアニストも観たい」といらしていただいた方もあり…、スターマインや牡丹や菊を眺めつつ、大いに“話の花”も咲きました。

 一瞬の芸術という意味では、記録して何度も観ることのできる映像作品とは違う「演劇」の特質とよく似た「花火」。。。あの迫力、あの美しさ。。。到底敵わないけれど、少しでも参考にしたいとも思う。

 実は、22日から夏後半の巡演が始まる『月光の夏』が、群馬県伊勢崎市で24~25日とあるのだが、25日(土)19:00~20:30「いせさき花火大会」にちょうどぶつかる! 花火の発数、約30,000発は、全国でも上位にランクインする規模!!
 ツアーメンバーには入っていないが、こっそりお忍びで行こうかと、密かに思っている。
(ブログに書いたら密かじゃないが
 いやはや、花火は日本人の心を動かしますよネ
コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする