第1詩集のようだ。94頁に30編を収める。「現代詩の新鋭」と銘打ったシリーズの1冊。
具体的な短い描写が明るい風景を提示する。軽々といろいろなものを跳びこえているような言葉の連なりなのだが、どこか見えない部分での不安感を感じさせたりもする。
「RPG」は、ゲームで徹夜をした朝の光景。現実世界はまぶしくて、どちらが虚構世界なのか途惑うほどのようだ。現実さえもロールプレイをするだけの場所だとでも言うかのようだ。
鼻の曲がった
キャリアウーマンが足早で駅に向かっていく
妙にアクロバティックな仕草で
語り合った友ももういない
過去は決してモノクロームではないよね
詩行の展開にはシュールレアリズム的な印象があり、一つ一つの意味を追い求めることにはそれほどの意味はないのだろう。それよりも要求されているのは、描かれた光景から押し出されてくるように生まれている結論めいた感覚だ。結論といっても、それによって何かが決定されるということではなく、とりあえず今の気分に決着をつけた、といったところか。
「みどりの食卓」では、ハンモックに寝そべったきみは「ワイングラスのなかで泳ぐ/更紗の金魚を見ている」のだ。平和すぎて自分の意志はどこかに忘れているようなのだ。
できれば明日の夜は
ケチャのリズムで踊りたい
立体化したぼくがささやかな告白をすると
きみは小鉢に盛った未知の料理を
テーブルの上にそっと置く
軽く、ぽんぽんと跳びはねる、その軽みを意図しているのであろうし、それを愉しむ作品でもあるのだろう。
具体的な短い描写が明るい風景を提示する。軽々といろいろなものを跳びこえているような言葉の連なりなのだが、どこか見えない部分での不安感を感じさせたりもする。
「RPG」は、ゲームで徹夜をした朝の光景。現実世界はまぶしくて、どちらが虚構世界なのか途惑うほどのようだ。現実さえもロールプレイをするだけの場所だとでも言うかのようだ。
鼻の曲がった
キャリアウーマンが足早で駅に向かっていく
妙にアクロバティックな仕草で
語り合った友ももういない
過去は決してモノクロームではないよね
詩行の展開にはシュールレアリズム的な印象があり、一つ一つの意味を追い求めることにはそれほどの意味はないのだろう。それよりも要求されているのは、描かれた光景から押し出されてくるように生まれている結論めいた感覚だ。結論といっても、それによって何かが決定されるということではなく、とりあえず今の気分に決着をつけた、といったところか。
「みどりの食卓」では、ハンモックに寝そべったきみは「ワイングラスのなかで泳ぐ/更紗の金魚を見ている」のだ。平和すぎて自分の意志はどこかに忘れているようなのだ。
できれば明日の夜は
ケチャのリズムで踊りたい
立体化したぼくがささやかな告白をすると
きみは小鉢に盛った未知の料理を
テーブルの上にそっと置く
軽く、ぽんぽんと跳びはねる、その軽みを意図しているのであろうし、それを愉しむ作品でもあるのだろう。
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