「吊り橋」江口節。冷たい流れをいれた深い谷がある。これを越えるためには吊り橋を渡さなければならない。それは、谷を抱えて向き合ったわたしたちをつなぐ「ことばの/吊り橋」なのだ。
向こう岸に人がいる
ただ それだけで
どちらも だまって
葛を綯い合わせ
とどくだろうか、と
吊り橋
厳しい状況の中で、何ものかに隔てられた相手との接触を求めている。禁欲的にさえ思えるほどに、こんなに吊り橋を渡すことに精魂を傾けている。それなのに最後の1行で呆気にとられる。
あの崖を 猿は飛び渡るそうです
なんとも皮肉混じり、自嘲混じりに響いて、読んでいるこちらも思わず苦笑いをしてしまった。
向こう岸に人がいる
ただ それだけで
どちらも だまって
葛を綯い合わせ
とどくだろうか、と
吊り橋
厳しい状況の中で、何ものかに隔てられた相手との接触を求めている。禁欲的にさえ思えるほどに、こんなに吊り橋を渡すことに精魂を傾けている。それなのに最後の1行で呆気にとられる。
あの崖を 猿は飛び渡るそうです
なんとも皮肉混じり、自嘲混じりに響いて、読んでいるこちらも思わず苦笑いをしてしまった。