119頁で28編を収める。前詩集「かななのほいさ」でもそうであったが、自らのルーツを探す術として作者は土地に、地名にこだわっている。土地の来歴があって、そこに人の営みが乗っている、そして人の営みが土地の来歴になっていく。「はるかな土には/これから蘇る千古の深さがある」(「乾田」より)と、土は歴史そのものになっていく。
美しい地名「星田」は幾度となく作品にあらわされてきたが、これが「乾田」に通じて、さらに「乾」は「天」の意だとも言う。
乾は雨となって
田は乾き切らず
わたしに涸れない田を与える
水を切れ
土を切れ
陰の田を晒す
乾田(かんでん)じゃない
カンデンは<神出来(かんでら)>となる (「乾」より)
星と鉱山が土地を見下ろし、土地を支えているのだろう。そして、作者は谷から谷をめぐり、坂を下り、絶壁を眺める。そんな土地に支えられた人の、自らの存在を信じる強さを感じる。
美しい地名「星田」は幾度となく作品にあらわされてきたが、これが「乾田」に通じて、さらに「乾」は「天」の意だとも言う。
乾は雨となって
田は乾き切らず
わたしに涸れない田を与える
水を切れ
土を切れ
陰の田を晒す
乾田(かんでん)じゃない
カンデンは<神出来(かんでら)>となる (「乾」より)
星と鉱山が土地を見下ろし、土地を支えているのだろう。そして、作者は谷から谷をめぐり、坂を下り、絶壁を眺める。そんな土地に支えられた人の、自らの存在を信じる強さを感じる。