光冨いくや達6人ではじめた新しい同人誌。表紙の版画が面白い味わいである。
「白いマグノリア」広瀬弓。
マグノリアというのは、モクレンやタイザンボクなどのずっしりとしたイメージの花をつけるモクレン属の総称。この作品で詩われるマグノリアは、萎えて「ぐったり/くたくた」になっている。マグノリアは肉厚の花びらのはずだが、今は「白いバナナの皮になって」しまっている。何故だ?
男が不実だったようなのだ。それゆえにマグナリアは「地霊の丘の蓋を開いて/毒を吐いた」のだ。すると、天は乱れて、大地は歪んだのだ。この天変地異に現実的なことを無理に結びつける必要はないだろう(もちろん、結びつけるのは読む者の自由だが)。
憎しみに咲く花はおどるおどるときおどればおどれ
この囃子文句のような1行が、ついに狂乱にいたったマグノリアの様子を彷彿とさせる。狂ったとき、理性は失われる。そうなってしまえば踊り狂うよりほかはないのだろう。それにしても、マグナリアをそうさせてしまったのは誰なのだ?
おどりに夢中になり
マグノリアは
萎えていた
ぐったり
くたくた
霧中の春は
黄泉がえりに裏がえり
(最終連)
言葉のリズムから思わず出てきたように感じられる最終行だが、この”黄泉がえり”に思わず”甦り”を重ねて読んでしまった。
「白いマグノリア」広瀬弓。
マグノリアというのは、モクレンやタイザンボクなどのずっしりとしたイメージの花をつけるモクレン属の総称。この作品で詩われるマグノリアは、萎えて「ぐったり/くたくた」になっている。マグノリアは肉厚の花びらのはずだが、今は「白いバナナの皮になって」しまっている。何故だ?
男が不実だったようなのだ。それゆえにマグナリアは「地霊の丘の蓋を開いて/毒を吐いた」のだ。すると、天は乱れて、大地は歪んだのだ。この天変地異に現実的なことを無理に結びつける必要はないだろう(もちろん、結びつけるのは読む者の自由だが)。
憎しみに咲く花はおどるおどるときおどればおどれ
この囃子文句のような1行が、ついに狂乱にいたったマグノリアの様子を彷彿とさせる。狂ったとき、理性は失われる。そうなってしまえば踊り狂うよりほかはないのだろう。それにしても、マグナリアをそうさせてしまったのは誰なのだ?
おどりに夢中になり
マグノリアは
萎えていた
ぐったり
くたくた
霧中の春は
黄泉がえりに裏がえり
(最終連)
言葉のリズムから思わず出てきたように感じられる最終行だが、この”黄泉がえり”に思わず”甦り”を重ねて読んでしまった。