表紙に強烈な印象の「菊男」をあしらっているこの本は「谷敏行遺稿画集」であった。帯には「魔除けのように禍々しい。異端の画家」とある。
谷敏行氏とは一面識もないのだが、2011年に43歳でお亡くなりになっていたことを知った。
谷氏の絵は、阿賀猥氏の詩集「転生炸裂馬鹿地獄、割れて砕けて裂けて散るかも」の装幀や挿画で見ていた。ぐいぐいと刻まれた太い線描、その漫画的ともイラスト的ともとれる造形は、一度見た者に取り憑いてくるような迫力があった。
この本は、編集にあたった阿賀猥氏が生前の谷氏と親交があった人たちとの座談を記録したものとなっている。
「壁絵」の章では、花札の菊、桜、月の図柄を取り入れた「月男」、「桜男」、「月男」について語られている。3枚の絵は元々は「寿」と題した高さ2mのひとつの作品だったようだ。後にそれぞれ改変されたらしい。
眼鏡や帽子、額に”寿”の文字を刻んだ男たちの眼が恐ろしい。彼らはそれぞれ挑戦的に、そして恨みがましく絵の中からこちらの世界を眺めているのだ。
そのほか、笑っているのか、妄想に耽っているのかが判らない頭だけが異様に肥大した白ヤギ、仔ヤギ、黒ヤギ。なぜこんな絵をわざわざ描いたのだろうと思えるヒラメ。
ある人には「見れば見るほど気分が悪くなる」「どの絵も体調が悪くなりそう」と言わさせている。そんな谷氏の絵はあとがきでも「見る人を弾き飛ばす絵、飾りたくない絵、魔除け、ゾッとするような絵」と評されている。
それだけすごい絵であった。
谷敏行氏とは一面識もないのだが、2011年に43歳でお亡くなりになっていたことを知った。
谷氏の絵は、阿賀猥氏の詩集「転生炸裂馬鹿地獄、割れて砕けて裂けて散るかも」の装幀や挿画で見ていた。ぐいぐいと刻まれた太い線描、その漫画的ともイラスト的ともとれる造形は、一度見た者に取り憑いてくるような迫力があった。
この本は、編集にあたった阿賀猥氏が生前の谷氏と親交があった人たちとの座談を記録したものとなっている。
「壁絵」の章では、花札の菊、桜、月の図柄を取り入れた「月男」、「桜男」、「月男」について語られている。3枚の絵は元々は「寿」と題した高さ2mのひとつの作品だったようだ。後にそれぞれ改変されたらしい。
眼鏡や帽子、額に”寿”の文字を刻んだ男たちの眼が恐ろしい。彼らはそれぞれ挑戦的に、そして恨みがましく絵の中からこちらの世界を眺めているのだ。
そのほか、笑っているのか、妄想に耽っているのかが判らない頭だけが異様に肥大した白ヤギ、仔ヤギ、黒ヤギ。なぜこんな絵をわざわざ描いたのだろうと思えるヒラメ。
ある人には「見れば見るほど気分が悪くなる」「どの絵も体調が悪くなりそう」と言わさせている。そんな谷氏の絵はあとがきでも「見る人を弾き飛ばす絵、飾りたくない絵、魔除け、ゾッとするような絵」と評されている。
それだけすごい絵であった。
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