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2か所に押ボタン式歩車分離

2017-03-14 22:54:26 | 秋田のいろいろ
1年前、押しボタン式歩車分離式信号が秋田市内に登場した。

歩車分離式信号は、歩行者用と車両用の青信号のタイミングを分けて(多くの場合はすべての歩行者用が同時に青になり、その間車両用はすべて赤)横断事故をなくすもの。警察庁が各都道府県警察にノルマを課していることもあり、秋田県を含む全国各地で増えている。
押しボタン式歩車分離は、おなじみの押しボタン式信号と同じく、横断者がボタンを押した時だけ、歩行者用が青になるもの。ボタンが押されない限り、歩行者用は青になることはなく、永久に横断できない。

歩車分離式信号では、相対的に車両も歩行者も赤信号の時間が長くなり、待ち時間が長くなってしまう。住宅地などの交差点では、昼間や夜間など歩行者がきわめて少ないタイミングでも、全部の車両が待たされることもあり、渋滞につながりかねないという、問題があった。
それに押しボタン式を追加すれば、歩車分離式の安全性を保ちつつ、スムーズな通行が可能になるという理屈。

秋田市内では、1年前の秋田駅東側の市立東小学校前の小さな十字路が、おそらく初かつ唯一。
長野県警では、押しボタン式歩車分離を積極的に導入しており、善光寺の近くなど車両も歩行者も多い市街地でも見かけた。
歩行者にボタンを押させる行為を強いることになり、体の不自由な人、旅行客など知らない人にとっては、下手すれば横断できない事態になりかねないのは、問題。


このほど、秋田市中央部に押しボタン式歩車分離信号の交差点が、新たに2つ登場した。
いずれも既存の交差点を改良したもので、おそらく今週初め辺りから、押しボタンが稼働している。
どちらも秋田お得意の“無名交差点”なので表現しづらいけれど、1つは保戸野原の町・保戸野すわ町の秋田大学附属学校南東角の神田線が曲がる交差点、もう1つは楢山南新町下丁の愛宕下橋北詰の交差点。以下、前者を保戸野、後者を愛宕下橋と表記します。
この2つはどちらも小学校近くの通学路であるほか、東小前と比べて車の交通量が多い道路であり、かつ変則的な形状(Y字路)の交差点。交差点形状から、信号誤認による見切り発車・横断、見通しの悪さや角度が緩くて減速不十分で右左折するなど、危険性は高いかもしれない。

保戸野の交差点を北側から。左奥が千秋トンネル方向
これまでの保戸野では、電力の柱に間借りして信号を取り付けていた箇所もあったが、それだと押しボタンの位置がおかしくなってしまうので、新たに信号専用の柱が立てられ、移設された信号機もある。上の写真は工事途中なので、立てられたばかりで移設前の信号柱が数本写っている。

保戸野は、30年ほど前にできてからしばらくは普通の丁字路(角度はおかしいけど)交差点だったが、何年か前に押しボタンでない歩車分離式化されていて、今回、それにボタンが追加された。したがって、
[押しボタンが押された時]従来と同じ、3段階の動作。
[押しボタンが押されなかった時]歩行者用の青の時間分を飛ばして、次の段階の車両用の青に。
歩行者がいない時は、2段階の動作を繰り返すことになり、1段階スキップする分、車の流れがスムーズになると思われる。

実は、この交差点は、100メートルほど東に十字路交差点(菊谷小路との交差点。上の写真左奥)がある。両交差点の動作は連動しておらず、赤信号が長くなった歩車分離化されてから現在までは、タイミングによってはその100メートルの間(保戸野郵便局前)で車がつっかえることがあった。
さらに、黄~赤信号で強引に右左折してこの区間に突っこんでくる不届きな運転者もおり、横断歩行者を妨害する場面にも、何度も遭遇している。
近くに学校も多く、高齢者も多い。変形交差点なのでやや危険度も高い気がしていた。

第一には運転者の意識の問題だが、押しボタン化によって、100メートル区間の渋滞が緩和されることに期待したい。
あと直接の関係ないが、この交差点の南東側(上の写真正面奥から左)は歩道がとても狭く、地域から道路管理者の県に対して、拡幅の要望が出ていたらしい。それがかなって、数年のうちに歩道の拡張が行われるようだ。今年度、測量が行われている。※その後の変化


愛宕下橋は、2010年に道路が新規開通してできた交差点。これまでは歩車分離式ではなく、一部の車両用信号機は青信号にならなず矢印信号だけで進行を指示する特殊な方式で、それに合わせて歩行者用も作動していた。横断歩道は3本あるが、それぞれ別のタイミングで青になる。
歩車分離化後も、車両用の動作順は変わらず、引き続き青信号にならないものがある。
[押しボタンが押された時]車両用は従来の3段階。それに全歩行者用青・全車両用赤の段階が追加。
[押しボタンが押されなかった時]車両用は従来と同じ3段階の繰り返し。
横断歩行者がいる時は、車両の待ち時間が増えることになる。横断歩行者としては、1度でどの方向へも渡れるようになる。(これは一般的な歩車分離式のデメリットとメリット)押しボタン式でない歩車分離式にするほどの歩行者はいなさそうだから、押しボタン式にしたのか。

【19日補足】一般に押しボタン式歩車分離信号では、ボタンが押されて直ちに信号が変わるのではなく、信号が変わる順番(サイクル)の中の特定の位置になるまで経過してから、歩行者用が青になるので、歩行者はある程度待たされることが多い。この2か所も同様(=保戸野は従来と同じ待ち時間)のはず。
愛宕下橋
どちらの交差点にも、同じデザインの告知看板が立てられた。
漢字が多く、子どもは分かるだろうか。近くの学校で指導はするのかもしれないけれど。
ちなみに押しボタン式は、触れるだけで反応するタッチ式

まもなく新年度。新入生や土地に不慣れな運転者・歩行者が増える時期。
歩行者も運転者も、安全には充分に配慮し、ルールを守って余裕を持った通行を心がけましょう。
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