逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

『最高責任者には「責任」が無い』不思議の国、日本

2011年12月01日 | 政治

”国民的人気の安倍晋三”との『枕詞付き』の不思議なキャッチコピーで一世を風靡した胡散臭い『美しい国』の元首相と産経新聞記者阿比留瑠比との2011.11.23 付け記事『安倍元首相インタビュー、一問一答』が、我が日本国の深刻な病巣を示している。
我が日本国では世界基準の正反対で、『責任者には責任は無い』仕組みなので、最高責任者(首相)ならもっと責任が無い。
安倍晋三元首相は現職首相の靖国公式参拝の主張していたし、無論今現在も主張している。勿論公式参拝を推進する議員連盟の要職も歴任している。
ところが自分が首相在任中には君子豹変して一度も靖国神社に参拝しなかった。
言葉と行動の不一致も『極まれり』で恥ずかしい限りである。
これでは安倍の過激なナショナリズム的な言葉を信じた純真な漫画中毒のネットウョ諸氏が可哀想である。
インタビューで、今までの自分の主張や態度を変えて首相時代は靖国に行かなかった言い訳として、
『外交的に・・・所期の目的は果たした。』と、首相公式参拝中止が対中国の外交的な判断である重大事実を明らかにする。
しかも、『しかし、それ以来、首相の靖国参拝が途絶えたことでは禍根を残したと思っている。』と、自分の代の歴代内閣がそれ以降に日本国首相靖国公式参拝が途絶している事実は認識している。
『参拝すべきだったと思うか』との産経質問には、
2006年10月(平成18年)の『私の訪中後は、日中関係はもう後戻りができない(相互依存の)関係になっていた』と矢張り、公式参拝中止が対中国の外交判断であると、再確認している。
表向きの政治主張では安倍晋三と漫画中毒の嫌韓嫌中のネットウョとは一卵性双生児のようにそっくり同じなのです。
ところが、政治的な現状認識(判断や行動)では、両者は正反対の認識をしているのですから大笑である。
小さな子供と同じ単純な嫌韓嫌中のネットウョは表裏が無い一体構造なのだが、年齢だけは57歳で大人の安倍晋三の方は表と裏が正反対のオセロ状態。
祖父の昭和の妖怪岸信介を崇拝する実の孫だけに、安倍晋三本人もミニ妖怪を目指しているのだろうが見苦しいし浅ましい限りである。
長年の『靖国参拝すべし』との国内主張との矛盾点に対しては、『時機を逸してしまった。』とか、
『春か夏に参拝すべきだった。』と未練がましく語る。
安倍『発言』は妄想に満ち満ちているのですが、不思議にも事実認識では日本の最大の貿易相手に対して、『日中関係はもう後戻りができない相互依存の関係』であると、案外正しく政治経済の現実を見ているのですから面白い。

『慰安婦で米大統領に謝罪した屈辱的な安倍の二枚舌』

しかし、もっと問題(表向きの何時もの主張と、現実の発言の乖離)が大きいのは『国辱的問題である』とNHKに圧力をかけて特集番組を改変させたり教科書を書き換えさしたりと、安倍晋三が八面六臂の大活躍の慰安婦問題であろう。
中韓には居丈高に否定して、幾ら『逆らえない』とは言え正反対にアメリカには卑屈に謝罪したとは・・・情けないにほどがある。
呆れ果て、絶句するしかない。
これだけ無責任に、相手によって表裏が正反対であれば恥ずかしいし到底まともではなくて誰も安倍晋三を信用するものはない。
2007年4月(平成19年)日米首脳会談で、安倍元総理は日本の慰安婦問題で『ブッシュ米大統領に謝罪した』、屈辱的な事実に対しては、
『ブッシュ氏が記者会見でそう述べたが、会談ではその話は全く出ていなかった。』
『そもそも日本が(当事国でもない)米国に謝罪する筋合いの話ではない。』
と矢張り何時もの通りで相変わらず現実よりも脳内妄想に逃げ込んでいるのだろうか。
確かに、安倍晋三の国内向けの『慰安婦問題は無かった。』と、アメリカ向けの『安倍がブッシュに慰安婦で謝罪。』では態度が正反対で支離滅裂。
本人に羞恥心が少しでもあれば全面否定するしか道はない。
しかし『安倍晋三首相の謝罪』が本当にブッシュ大統領の間違いなら、こんな大事な基本的なことで日本側の『抗議の意思表示』も『訂正を申し入れ』も両方がまったく無かった事実との整合性が無い。
この問題では、ブッシュ大統領(アメリカ側)の正式な公式発表が正しくて、安部晋三(日本側)の後からの口先だけの言い訳は姑息な言い逃れに過ぎないだろう。
それにしても日本のマスコミですが、安倍がブッシュに慰安婦を事実であると認めて謝罪した、何とも恥ずかしい不都合なニュースを流していない。
今回の記事が初めて??なのですが産経新聞は何の目的で安倍晋三の絶対に秘密にしたいスキャンダル(醜聞)を報道したのだろうか。不思議不思議。考え出すと夜も寝れない程面白い。
首相の発言が国外と国内が正反対なのは、現在の野田首相がオバマ大統領に対して『TPPですべて例外なく交渉します』との約束を、帰国後に国会答弁で全面否定したがホワイトハウスの発表に対して抗議も訂正も申し入れない二枚舌外交と同じ。
自己弁護の真っ赤な嘘であろう。
安倍晋三は、
『共同記者会見で大統領が言ってしまったことについて、その場で「私はそんなこと言っていない」と否定するのも難しい。』と案外に正直である。
そりゃあ、日本のドン85歳の渡辺恒雄の『鶴の一声』でもあるまいし、自分が言ったことを直後に自分自身が否定すれば周囲から呆れられるだけでは済まず『ボケた』と思われる。
この日本の偉い人たちは、『言葉』を幾ら繕っても、客観的な『事実』は無関係であり、決して変らないのだという当たり前の現実が見えていないのです。
野田首相と同じで安倍晋三が自分の主張の根幹部分で、未だに一度もアメリカに抗議も訂正も求めていない事実は動かせない。

『拉致問題だけで手に入れた政権』

安倍晋三ですが、A級戦犯で満州三スケといわれた昭和の妖怪岸信介の孫という出自以外、そもそも到底首相の器ではない気の弱い口先男程度である。
普通ならこの程度の人物では、絶対に最高責任者(首相)などになれなかったが、偶然にも2002年の小泉訪朝以来の拉致問題フィーバーで人気が出た。
北朝鮮バッシングの嵐とバブル崩壊以後続く消費不況の閉鎖感から、日本国は極端な右傾化してしまう。
この右傾化する世情の流れに便乗して安倍晋三は、拉致問題一本で首相になったといっても過言ではない。
そもそも日本人拉致事件は30年前の歴史的事件(事実)であり小泉政権の前の森首相当時に北朝鮮当局と日本側が話し合い『シンガポールやオーストラリアなど第三国で偶然見つかる』との解決シナリオで、北朝鮮は面子を保ち日本側は全員無事帰国で実を取るとの合意(日朝で政治決着する)が既に出来ていた。
ところが田中真紀子外務大臣罷免で支持率急落の小泉純一朗が訪朝して、日朝首脳会談でのピョンヤン宣言が結ばれる。
此処で金正一総書記は拉致問題を認めて謝罪しているが日本人拉致被害者で生きていたのは特務機関に勤務していたとか脱走米兵の妻とか、普通なら絶対に日本には帰国出来無い事情がある人だけだった。
大手を振って日本に帰国できる人は全員が死亡していたのですから、小泉の日朝会談で北朝鮮は謝罪して国家としての面目を失い、日本側が被害者の返還という実を失った。
日本側にとって、拉致問題は基本的には被害者の人権が最大問題なのである。
それなら森首相や中山正輝拉致議連会長の目指した(拉致を曖昧にした)政治決着の方が正しかった。
何も相手に謝罪してもらうのが最大目的ではない。
小泉が政治的な理由で徒に謝罪を求めなかったら、今頃は何事もなく拉致被害者全員が無事帰国していた可能性が高いのです。

『小泉純一郎は『拉致問題』を金で買ったのか?』
(2009年08月12日 東アジア共同体)

被害者の人権を無視して徒に政治問題化して解決不能に陥れた、この胡散臭い拉致問題一本で首相になった安倍晋三がインチキ臭いのは当然である。
日朝会談後に一時帰国した曽我さんら5人を『帰国の約束はなかった』として、その後の一切の北朝鮮との接触のチャンネルを遮断して、日本政府は遺骨のDNA鑑定書を捏造して世界的科学誌ネイチャーと論争する騒ぎまで起こして世界に恥を曝している。
ところが何を勘違いしたのか野田新首相は、小泉純一朗や就任当時の安倍晋三の支持率の高さを、『拉致問題は人気に繋がる』と勘違いしたらしくて、拉致の会の青バッジを外国首脳との会談でも付けているのですから救い難い政治オンチである。
拉致問題の本当の意味を理解することが出来ないのでしょう。
拉致だけが売りだった安倍晋三ですが、現在は原発とTPP推進の急先鋒なのですから、亡国の道をまっしぐらに目指すが、対米従属命との一点以外の共通点は何も無い。


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安倍晋三健在? (JUNSKY)
2011-11-29 09:41:25
不謹慎ですが、安倍晋三氏は、まだ生きていたんですね。
亡くなったのは誰でしたっけ?
色々と閣僚経験者や首相経験者が亡くなっているものですから・・・
以上です。
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最高無責任者 (マトリックス)
2011-11-29 14:23:41
責任のある立場に上がれば上がるほど責任をとる事がなくなったり、見せかけだけの最小責任とでもいうものをとった事にして復帰したり引退して逃げ勝ちということが日常茶飯事の日本において、最高責任者とは最高無責任者か最低責任者(いろいろな意味で)ということを示すのでしょうか…
返信する
呆れて何を言えばいいのか? (安打製造屋)
2011-11-29 15:07:11
所信表明演説の二日後に体調不良を原因に政権をブン投げて、前代未聞の辞任劇を演じした輩の言葉に何の説得力があるのか?ブログ主様の仰る通りこの国の「最高責任者」と呼ばれる輩は責任感と謂うものを少しも感じていない無責任者が多すぎる。この系列に矢張りと言って構わない橋下徹が加入し、益々日本の社会は暗黒になりそうです……
返信する
イメージ的には何となくボケたナベツネ (宗純)
2011-11-30 15:48:11
JUNSKYさん、コメント有難う御座います。

死んだのはローマのG7で、酔っ払い状態で記者会見して世界中に泥酔姿を配信されてドラッグミニスターとして一躍有名になった中川昭一元財務・金融相ですね。
同類項の中山成彬も議員は辞めたが未だ生きているようですよ。
中川と安倍の2人がNHKに居丈高に電話して、従軍慰安婦の特集番組を放送前に手を加えた。
ところがご主人のアメリカの前では変節してしまう。
可愛いポチとして一転謝罪しているのですから大笑ですね。
こんな面白いニュースを何故日本のマスコミは報道しないのでしょうか。
4年前の2007年の日米首脳会談ですが、私の記憶では何処のマスコミも報道していないのですよ。
だれか。何処かでこのお笑いニュースを見た人がいるのでしょうか。
それとも気が付かない程の小さな扱いだったのでしょうか。
不思議過ぎるのです。
公式の日米両首脳の共同記者会見なのですよ。
勿論公式の発表が行われている筈なのですが、何とも不思議ですね。
安倍がブッシュに従軍慰安婦で謝罪したなど、報道されていたら防衛庁の一局長の暴言以上にニュースになっていたと思われるのですよ。
それも誰あろう、その相手がNHKにまで圧力をかけて従軍慰安婦を否定していた安倍晋三ですよ。
商業新聞ですが勿論全員知っていたが、これは不都合であるので全員で隠蔽したのですよ。
情け無いのは、その隠蔽工作に日本共産党の赤旗までが加わっている事でしょう。
卑しくも日本の最高責任者とアメリカ大統領の共同記者会見なのですよ。
全員が知っていたが、日本人には知らせる気がなかったのです。
赤旗ですが20年前まではマスコミ報道に載らない、隠されている真実(情報統制されている事実)を赤旗一紙だけが報道していたから絶大な信用力を得ることに成功したし、共産党も躍進することが可能だったのです。
ところが20年ほど前から明らかに赤旗の報道姿勢に変化が起こっており、今では商業新聞との違いはNHKと民放の違いと同じで、コマーシャルの有る無しだけで内容は金太郎飴状態なのですから、読者が減っても当然の結果ですね。
残念この上ないが自殺行為ですよ。これでは共産党は絶対に勝てません。
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隠蔽された昭和天皇の戦争責任 (宗純)
2011-11-30 16:16:06
マトリックスさん、コメント有難う御座います。

この問題ですが、太平洋戦争で日本全土を焼け野原にして350万人もの日本人の命を奪った責任が何も無かった最高責任者の昭和天皇のヒロヒトと無関係ではない。
戦争を止めた裕仁天皇に戦争責任が無いなら、責任があるものなど日本国に一人もいませんョ。
勝ち戦でも引き際が難しいが、負け戦の戦争の幕引きとは、開戦の決断の比ではない。
とんでもなく難しいのです。
裕仁にはそれだけの難しいことを出来るだけの権限があったのですよ。
それなら自動的に戦争を始めた戦争責任が生まれるのです。
裕仁天皇の戦争責任は到底免れようが無い
軍人でもない自決したお公家さんの近衞文麿のように責任を感じていたのは例外であり、
第二次世界大戦で誰一人自分から責任を感じたものは無かったし、日本人が自分から訴追したものが無いのですから、福島第一原発事故で誰一人も逮捕されないのは当然と言えば当然なのですが、それにしても腹がたちます。
我が日本国ですが世界基準の正反対で庶民層の責任感とか道徳とかは政界最高水準の高さを誇っている。
ところが上に立つ連中は骨の髄から腐っており、世界的にも珍しい恥知らず連中なのですから驚き呆れる。
一般市民の苦難は、まだまだこれからも絶えることなく続きます。
日本国ですが一般市民も最高責任者のトップも能力的にも責任感の上でもどんぐりの背比べ程度の違いしかない平等国家なのかも知れませんね。

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無知無責任無反省、不の連鎖 (宗純)
2011-11-30 16:45:42
安打製造屋さん、はじめまして。これからも宜しくお願い致します。

この記事は最初、一つ前の国家無当責の関連の話に入れていたのですが、安倍晋三を抜き出して別記事としたものです。
未曾有の国難を引き起こした東京電力の方は、シェークスピアの三大悲劇マクベスとかリア王見たいな悲劇なのですが、
お馬鹿すぎる安倍晋三が主役では、これでは到底悲劇にならない。
橋下にしろ安倍にしろ、役者が下品で無知無責任無反省、不真面目すぎるのです。
シェークスピア悲劇ではなくて、この連中が主役では吉本新喜劇のパロディ程度ですね。
出来が悪すぎるので笑うに笑えないとの、お粗末悲劇なのですから腹立たしい。
過去の自分の記事を調べて見れたら他と比べて安倍晋三や橋下撤は沢山記事を書いているのですが、相手が相手なので書いてある内容が全て『お笑い』なのですから、これでは我ながら笑うしかない。
しかし、この様な最低な人に簡単に騙される人も世の中にいるとは何とも悲しい話でもあり、政治的には困ったことです。
アメリカは対テロ戦争の泥沼から抜け出せないで苦しんでいるが、日本国は破廉恥でお粗末な政治家の泥濘に首まで嵌って抜け出せないのです。
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