逝きし世の面影

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福島第一原発ヘリ放水

2012年01月08日 | 軍事、外交

『もっと近づかないと駄目だべ』
世界に恥を晒した日本の自衛隊ヘリの飛び去りながらのセミのション便シャワー

『放水、今日中に』米政府が日本に圧力
 
東京電力福島第1原発事故の発生後、日本政府の事故対応に不信感を募らせた米政府が原発への放水を早急に実施するよう圧力をかけたやり取りの詳細が5日、政府関係者の話で明らかになった。
同原発の放射線量が高いとして、日本政府が陸上自衛隊ヘリによる放水をいったん断念した昨年3月16日夜、ルース駐日米大使が松本剛明外相(当時)に電話で、
『今日中に大量の放水をする必要がある。今から米国市民に向け、重大な決定を行う必要がある』と通告。
実際に17日未明、原発から半径50マイル(約80キロ)圏内の米国民に避難を勧告した。
日本側は17日午前9時48分から放水を実施。
直後の10時22分、オバマ米大統領が菅直人首相(当時)との電話協議で『テレビ中継で見た。素晴らしい』と評価しつつ
『東京付近に居住する米国民に退避を促す予定だ』とも告げた。
政府関係者によると『当時は米国民全員を国外退避させる意向が伝わっていた』という。
米側は同日午後、日本滞在中の米国民に日本からの出国を検討するよう勧告。
日本側は他国や日本国民に動揺が広がる事態を懸念していたが、『検討』の勧告にとどまったことに安堵するとともに、その後、原発事故対応での日米協力が急速に進むことになった。
(毎日新聞 2012年1月6日)

この毎日記事にある、在日米人全員の国外退避勧告方針を中止したのは『自分の功績である。』と、『日本人が言う「合意」とはゆすりを意味する。』『誤魔化しとゆすりの名人。』『沖縄県人は怠惰でゴーヤーも栽培できない。』の発言で更迭されたアメリカ国務省のメア日本部長(前沖縄総領事)が自著で自慢しているが真偽は不明。

『何とも不思議な「報道」が続く怪』

これは、いったい『何』なのでしょうか。
去年4月の時点でも、アメリカの指示での自衛隊の放水との報道があったのは事実ですが、これは恥じの上塗り的な駄目押し記事なのでしょうか。
何とも不思議です。
福島第一原発へのヘリ放水ですが、管直人首相や政府の実施要請を前日の3月16日に自衛隊は『安全が確保できない』(危ないから嫌だの意味?)との不真面目な口実で、一度は拒否していたのです。
そもそも誰にも出来ないような、安全が確保出来ない『危ない』ことをするのが自衛隊の仕事(存在価値)でなないのか。
日本国の自衛隊は日本政府の要請では絶対に動かないが、アメリカ政府の要請なら嫌々ながら渋々動くという意味でしょうか。
しかも放水とは名ばかりの腰が引けた恥晒しな蝉のション便で、日頃は自衛隊の宣伝しかしない産経紙にまで『もっと近づかないと駄目だべ』と皮肉られるが、このヘリからの放水は何のことは無い、アメリカ向けのパフォーマンスだったのか。
もっと不思議な記事は、8トンの電源車のヘリでの吊り下げでの空中輸送を米軍が『無理である』とことわったと、トモダチ作戦の検証で報道されたことでしょう。
そもそも米軍は原発から50海里(93キロ)以内には放射能の危険性があるので絶対に立ち入らない。
トモダチ作戦での米軍大活躍を印象付ける目的の記事では、米兵の50海里からの退避の話は一行も報じていないので、新聞読者に対して米軍装備の能力の限界と誤解させる間違った記事である。
事実は在日米軍が多数保有する大型ヘリCH47チヌークは、155ミリ榴弾砲を運ぶ為に開発されていて12トンの吊り下げ能力がある。
米軍の大型ヘリCH47チヌークなら今回の8トンの電源車程度なら余裕で運べる。
そもそもこの話は不思議すぎて外国軍の米軍に頼む前に、何故日本政府は自国の自衛隊に頼まなかったのか。
勿論日米の軍事装備は共通であり大型ヘリのCH47チヌークは米軍にわざわざ頼まなくても日本の自衛隊にも沢山配備されているのですよ。
トモダチ作戦の検証記事では『米軍が断った』とだけ書いたあるが、その前に日本政府の要請を自衛隊側が断っていたからではないのか。
事実、3月16日には『自衛隊員の安全』を理由にヘリでの散水を断っている。
ですから自国の自衛隊に断られたので仕方なく管直人首相や日本政府は、外国の軍隊(アメリカ軍)に頼まざるをえない苦しい立場に追い込まれたのではないのか。
自衛隊がいざという時にまったく役立たないのは↑上に示した飛び去りながらの蝉の小便の『根性無しぶり』で完璧に証明されている。
勿論日本の自衛隊が断るような危ない嫌な仕事を、先進国で唯一公的医療保険を拒否したり個人が銃器で武装して『自分のことは自分で守る』との極端な究極の自己責任が信条であるアメリカの軍隊が断るのは当然である。

『世界一の巨大ヘリMi-26の国内配備を』

米軍も自衛隊も頼りにならないことが判った現在、何を頼りにするべきなのでしょうか。
余り知られていませんが2011年3月14日『超大型輸送ヘリMi-26、ロシア非常事態省から救援のため派遣』との報道があり、この派遣されるMI26型ヘリコプターには、救援隊員25名の他、救助作業用特殊車両(大型トラック)が乗せられる。
このハバロフスクのヘリコプター救助隊は、2008年中国で起きた大地震の時も救援活動に参加し、険しい山岳地帯の被災地に人道援助物資を運び、負傷者救出に活躍した。(この記事の続報がないので日本側がMi-26派遣を拒否した可能性がある)
Mi-26はペイロード20トン以上で自衛隊や米軍のチヌークの2倍の積載能力がある。
日本政府が未だに危なすぎる原子力による発電に拘り続けるなら、過酷事故時には役に立たないことが証明された自衛隊や米軍ではなく、日本の原発の近くにはMI26型ヘリコプターを装備したロシア軍基地を建設して安全確保の為に、経費全額日本持ちで高給で駐留してもらうなんて無茶苦茶な馬鹿馬鹿しい話が成り立ちそうである。


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4 コメント

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Unknown (kappa)
2012-01-08 08:14:01
日米バカ比べの中では、アメリカは50キロ圏から自国民を避難させ、同じ頃日本では3キロだ5キロだとやっていた。まぁどっちがより以上に馬鹿かといえば日本なのは明白。結局のところ水素爆発の映像は世界中に流れ、反原発の流れが止めようがなくなってしまったのは日米両政府のバカの結晶。結果としては思惑とは別に世界の正しい流れに勢いを与えた。それにしても「せみのしょんべん作戦」を見た世界中の人々の驚き。「呆れて物が言えない」という見本を演じて日本の科学力・技術力の貧困さを疑われてしまったことは今後の世界での競争力に影を落とす結果となりました。ロボット技術世界一・・・などとうつつを抜かしていたことを反省せねばなりませんね。
アメリカの「オペレイショントモダチ」に関してはまったく先生の書かれてきたとおりと考えております。彼らは原発からの避難を考えながらの友情作戦でした。真っ先に逃げたやつらを日本政府が「感謝」しているのだから笑えます。
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危機管理 (suyap)
2012-01-08 10:34:18
いつ爆発するかわからない原発の上を飛ぶ、ましてや1号機、3号機の大爆発を見た後では、上空からの水蒔きが、それしか手がないというならともかく、たいして効果がないとわかっているなら、拒否も当然と思います。

そういう政治家のデモンストレーション的思惑で、ほんとうに有効な手を考え、準備し、進める作業が遅れたのではないか、自衛隊どうのこうのというより、日本政府全体(官僚+政治家+彼らを選んだ国民+財界)の危機管理能力不足の現れでしょう。あるいは責任なすりつけ体質、未だに東電に家宅捜索すらしない官憲も含めて。
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トモダチ作戦と海兵隊 (宗純)
2012-01-08 11:40:21
kappaさん、コメント有難う御座います。

日本が経費を負担して沖縄に駐留しているとされる普天間基地の海兵隊ですが、3・11当時はマレーシアあたりにいて訓練していたらしい。
在日米軍の主要部分である海兵隊ですが、防衛とは無関係な殴り込み部隊で、名前の通り強襲揚陸艦やヘリで海岸から敵前上陸して真っ先に戦う水陸両用の部隊です。
海兵隊は特殊部隊よりも大きくて陸軍よりも小さいミドルクラスの組織なのですが、朝鮮戦争での仁川上陸作戦の成功が最後で海兵隊本来の海からの強襲の任務は無くなっている。
本格的な戦争では今のように対艦ミサイルの発達で艦船での上陸作戦自体が危険すぎるらしいのですよ。
今度のトモダチ作戦では地震と津波で交通手段がなくなって孤立していた大島に対して海兵隊が得意の上陸作戦を行っているのですね。
ただし、3・11から3週間もあとのことですね。
海兵隊は世界規模で展開する軽量で機動力がある、規模がミドルクラスの使い勝手が良い戦闘部隊なのですが、沖縄に駐留するのは何の軍事的な意味もなく本来は米本土に待機させておく部隊で、事実沖縄の普天間以外の基地は米本土の東岸と西岸の二箇所だけ。
これは考えてみれば当たり前で1年中戦闘をしている訳ではなくて、幾ら鍛えられた海兵隊員も人間なので休暇中や普段は家族や友人と過ごしたい。
海兵隊の任務が過酷なほど、実は海兵隊基地が日本など外国ではなくて米本土にある方が望ましいのです。
今回のように出動が3週間後なら、基地が何処でも同じであることが証明されたのですが、それでも沖縄に拘る日本の野田政権にも困ったものですね。
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男なら守らないといけない常識ごと (宗純)
2012-01-08 14:26:57
suyapさん、コメント有難うございます。

福島第一次原発事故の解明には、何をおいても東電や経産省安全・保安院など関係者の強制捜査が大切であることには異論はまったくありません。
今起きている色々な腹立たしい話は、全て司法がこれを怠っているのが原因で、今のように事件事故を起こした張本人に真相の解明を期待しても100年待っても無理です。
ただ今回の話は少し次元が違う話で、
自分の放水が届かないなら一歩前に出てこぼさないとの男としての基本的な作法とか心構えの話なのです。
これは誰かが説明するまでもなく一人前の男なら常識で当然であり、自衛隊のように遠くから放水して周りに無駄にばら撒くなどの礼儀知らずは小学生でも『礼儀を守らない』と叱られます。
上の写真の様な無様な真似は男の恥なのです。

suyapさんは自衛隊に対して根本的な誤解を為さっているようですよ。
人々の安全とか治安の維持が目的の消防であるとか警察であるとかなら、suyapさんのご意見は正しいでしょうが今回の話は破壊と殺戮が主な任務の自衛隊であるので、根本的に違うのです。
彼等は毎日毎日大量破壊兵器の訓練を行っている大量殺人が任務の組織であることを忘れています。
ですから仰られている『安全』とは対極にある組織なのです。
自衛隊は自己完結型の組織なので人命救助や災害出動も出来ますが、それは本来は警察や消防の仕事で自衛隊の任務ではなりません。
例えるなら包丁の代わりに日本刀でも料理が出来るが、それは何かの緊急時だけの特殊な話で、本来は薦められない、間違った使い方なのです。
それは事故の元ですよ。
何故なら原発も軍隊も、どちらも、もしも暴走した時には誰にも止められない物凄いパワーがあるのですよ。
ですから、野中広務や後藤田正晴など歴史を知っている者は保守政治家でも自衛隊の安易な出動には慎重なのです。
彼等は武装勢力が潜在的に持つ恐ろしさを知っているのです。
軍が暴走した時には、軍しか止められないのです。
同じ意味で、今回のように原発が暴走した時には、実は『軍』しか止められないのですよ。
事実、レベル7のソ連のチェルノブイリ原発事故ではソ連軍が止めている。
この時消化に使われた超大型輸送ヘリMi-26が放射能汚染で危険なので、チェルノブイリ原発周辺に大量に放棄されているそうです。
我が根性なし自衛隊の穀潰し集団ですが、原発事故時には核戦争も想定しているアメリカ軍が助けてくれると思っていた節があるのです。
原発が危ないとして一般住民を放置して真っ先に逃げているのです。丸っきりソ連軍侵攻事の関東軍なのですよ。
しかし、この米軍の派遣した核対応の特殊部隊ですが、最後まで福島には入っていません。
米兵部隊は最後まで命令を守り1兵も93キロ圏内には入らなかったのですね。

日本の主流である軽水炉ですが、過酷事故時には『水で冷やす』以外の選択肢は無いのですよ。
ですから『爆発の危険である』は拒否の理由には絶対になりません。
放水しなければもっと爆発の危険性が増すのです。
そもそもこのような国家存亡の危機において『危ない』からが拒否の理由になるなどはナンセンスなのですよ。
自衛隊の最高司令官の首相の命令を拒否するなら、これが本来の国軍であるなら戦線離脱や上官に対する反抗は問答無用で即刻銃殺刑ですよ。
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