須永博士美術館スタッフブログ

熊本県阿蘇郡小国町にある、須永博士美術館。スタッフ佐藤から様々な情報をお伝えします。

沖縄の恵輔くんからの嬉しい便り

2012年07月07日 | スタッフより
昨日、途中まで書きかけてた記事です

昨年12月にも同じタイトルでブログに書いた、沖縄の恵輔君から、5月30日から毎週水曜日、5回に渡って沖縄タイムスに掲載された「闘病記」の記事を送っていただきました




須永博士の詩集「奇跡への第一歩」に掲載されている宮城恵輔くんです。





「この海の向こうには、広い世界が広がっているよ」と話す須永博士と恵輔くん


昨年12月のブログ記事でも紹介しましたように、沖縄大学での「障がい原論」の授業の講師として教壇に立たれました。

新聞記事でも、恵輔くんの事故の様子や、これまでの日々を赤裸々に綴ってあり、その文章からは恵輔くんの強い決意が感じられました。

「障がい原論」で話した内容を、さらに詳しく丁寧に書かれてありました。

21歳の誕生日を友人がお祝いしてくれ、バイクでむかったクラブで飲酒後、バイクを運転し事故を起こしてしまったこと

病院に運ばれ、1週間後に目を覚ますと、事故で頭を打って脳挫傷となり、その後遺症で左半身まひ。また、右肩を断裂したことで(切断は免れましたが神経はつながりませんでした)、腕神経そう断裂による右上肢全まひになってしまったこと

両親の介助を受ける生活に、献身的な両親と衝突もあったこと

病院でのリハビリ後、自宅から通う病院で「義肢装具士」に出会い、おしゃれも楽しめる装具に出会えたこと

友人に意を決してトイレ介助を頼んだこと

当時、結婚していた奥様と娘さんがいたけれど、養っていくのは厳しいと、離婚を申し出たこと・・現在も「何かある時には支えになりたい」と奥さまが言ってくれていること、育児も出来る限り協力していること

離婚後の出逢いで、人目を避けたい気持ちを立て直してくれ、心のリハビリとなったこと

障害者に接した事のない人からの無遠慮な目線を「一番怖い」と感じたこと

「生きていても意味がない」と何度も思ったが、家族の支え、友人の支え、医療従事者、理学療法士、作業療法士、義肢装具士との出逢いから、つらいリハビリを乗り切って社会に出ようと思えるようになったこと

ふだんの生活の中では「障害さえなければ」と思わずにいられないことも多々あるが、それ以上に不自由にならなければ気づけなかったたくさんのことに気づくことができた

・・・・こんな、文章の断片からでもここまでの道のりがどれほどのものだったか、きっと想像の何十倍、何百倍ものことだったとおもいますが、5回の連載のラストには、

「障害があることは、確かに不自由ではありますが、不幸ではありません。自分の気持ちの持ちようと、出会う人の理解で道は開けます。」

「「自分は障害者じゃない」と突っ張ってきた時期もありました。しかし最近は、障害者である自分を好きになってきました。・・・こんなふうに考えることができるようになったのは、家族をはじめ友人や周りの人々などの支援があったからです。」

「そうした支援への感謝の気持ちを、何かで恩返しできないかと最近よく考えるようになりました。」

と続きます。

そして、

「自らの体験である飲酒運転の恐ろしさを伝えたい」と思い、今の自分になにができるのかを模索しているそうです。

その第一歩として、昨年の大震災の被災地を、宜野湾市にある県自立生活センターの職員と共に訪れ、現地の障害者の方と交流することを考えているそうです。

最後には

「これからは自分のためだけでなく、社会のために生きることが、私の生きる意味につながるのではないかと考えています。」

との言葉で締めくくられています。



読み終え、昨日はこの記事全文を、皆様にお伝えしたいと思って入力していました。

恵輔くんも、このブログで紹介することを、「光栄です。」とメールをくれました

だけど、全文を載せればいいのだろうか、私が、ここで何を伝えるべきなんだろうかと考えました。

恵輔くんは、自分の生きる姿を人に見てもらう、伝える、ということを全く恐れていません。

ですが、最初からそうでは無かったこと、一日、一日を葛藤したり苦しんだり、努力し続けてきたこの7年間、そしてこれからの日々、それを真正面から受けとめているすごさを感じました。

以前、このブログに恵輔君がコメントをくれていました。

恵美子さんからの手紙の記事に

「恵美子さんは今は高くジャンプするために低く低くしゃがんでる状態なんだと思います。

高く飛ぶための充電期間です。

俺もこの体になりなにもできずにいましたが先日障がい言論という授業の講師を大学でする事になりましたし、できる事はあるはずです。

俺は低く低く低~くしゃがんだ分嵩く高くジャンプしますよ(^^)v」

と。

「何もできない」と悩むのではなく「出来ること」があるはずと、そんな気持ちをもっていれば、希望が必ずあるんだ・・・

恵輔くん、ありがとう

これからも、わたしたちに「大切なこと」を教えてね






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2 コメント

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Unknown (けーすけ)
2012-07-07 13:50:15
ブログで掲載してくれて本当にありがとうございます。

なんだか照れくさいですが目標に向かって進むだけです^^
実は今後どう動くかは具体的に描けているんですよ

また連絡しますねm(__)m
返信する
け-すけくんへ (しょうこ)
2012-07-07 23:27:29
おぉ(o^o^o)!すごい!

もうすでに具体的なんだね!

先を、前を見据えていれば、あとはただ進むのみ…

そこまで努力し続けてきている恵輔くんの言葉や行動は、私にも勇気をもらいます!

いつもありがとう(*^_^*)
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