鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

地方空港発展に四苦八苦

2018年07月05日 | 議会活動

平成30年7月5日(木)

 

 朝刊を見て愕然とした記事が載っていました。富士山静岡空港に就航する国際便が減便するとのことです。

 

 新聞記事によると、韓国路線に就航している唯一の格安航空会社(LCC)が8月27日から10月27日までの夏ダイヤの間、現在週5便から3便に減便するとのことで、その理由は「機材繰りの関係」との説明があったというものです。

 搭乗率は昨年度の68%から本年度累計は80%近くまで上昇しており、好調な数値と見て良いはずですが、航空会社側はさらに搭乗率が高い日本国内の他の空港に増便し、その分の影響が静岡空港に及んでいるとの分析をしているようです。

 

 おとといの県議会文化観光委員会では、富士山静岡空港の運営や利用促進について所管することから、関連する取り組みが説明され、その中には運行計画等の最新状況も含まれ、静岡空港における平成30年度夏ダイヤ期間(3月25日から10月27日まで)における路線毎の定期路線運行計画について資料提供されていたものですが、後で当局に確認したところ、資料の片隅に少し説明があったものの認識が深まらなかったのか、委員からは質疑などはありませんでした。このような情報は、事前に別途資料提供があって私達も認識を深めるきっかけとなることが多く、今回はその機会が無かったことも背景にありそうです。

 

 私達県議会では、既に公表されていた台湾の航空会社の減便について、先の超党派で構成する「日華友好議員連盟」の台湾訪問で関係機関との意見交換を含めた要望活動を行い、減便に至った背景や復便に向けた情報を収集してきた矢先のことでした。

 

 台湾のケースでも、今回と同じように減便理由は搭乗率の高い空港への増便とそれによる他の地方空港への減便の影響があるという説明を聞いています。また、搭乗率については空港を運営する県は「好調」という表現を使っていますが、航空会社側はさらに高いハードルを設定しているようで、双方の思惑は一致しません。

 

 富士山静岡空港は、地方空港としては国際線の就航先数や搭乗者数がトップクラスで、現在の空港機能では国際便を捌ききれないということで、時間あたりの処理能力を1便から3便に強化するため、ターミナルビルを含めた大改修を行い、今年の10月に改修を終え、運用が開始されます。

 かつて、今回減便を表明した航空会社の中には、就航したい時間帯に空きスロットがなく、静岡空港の国際線処理能力向上を期待していた意見を、私自身も航空会社関係者から直接聞いていたので、その要望に応える形で県が大改修したものと理解していましたが、いざ、その目途が立ったと思ったらこの事態に、正直戸惑いは隠せません。

 

 正式には10日に予定されている県議会6月定例会最終日に採決となりますが、先行して審議した文化観光委員会では、静岡空港の運営は民営化が決まりその手続きが始まります。これまでと違う民間の活力が、今回のような事態にどう対処していくのか、注視していかねばなりません。

コメント
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