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【あの欧州で単一通貨なんて無理・・・】ギリシャが教える金(ゴールド)の大切さ⑥

2015-03-09 00:01:25 | 金(ゴールド)

(前回からの続き)

 それでも結局、ギリシャに対する「その場しのぎ」のダラダラ救済策はやがて(早ければ6月までに?)行き詰まるでしょう。そのとき同国、そしてユーロ圏(とIMF)は、「債務再編」(きれいな言い方ですが、要するにギリシャによる借金の踏み倒し!)か、「グレグジット」(Grexit:ギリシャのユーロ圏からの離脱)かという、究極の選択を迫られるわけです。どちらにしても、ギリシャに注ぎ込まれた支援融資の大半は返ってこないでしょう。

 で、現時点での同国債権の一番の保有者はユーロ圏の救済基金であるEFSF(欧州金融安定ファシリティー)で、その金額は1400億ユーロあまり。そしてECBが約270億ユーロ、さらにIMFが約250億ユーロなどとなっています。これらの多くが焦げ付くとなると・・・どう考えてもECBがユーロを乱発するしかなさそうです。具体的には・・・IMFおよびEFSF基金の毀損分、さらにはECBの自己資本減少分を穴埋めするために巨額の出資が必要になるものの、ユーロ圏各国にはこれに応じるだけの財政余力がない → で、ECBはやむなくQEを通じて各国債を買い上げてその資金捻出を後押ししようとする・・・といった感じになるのではないでしょうか。もちろんこれは実質的にEU法が禁じる「財政ファイナンス」に当たるから、すんなりと実行されるかどうかは分かりませんが・・・。

 もっとコワいのは、ギリシャが上記のようになってしまったら、「われわれも~!」とポルトガル、アイルランド、スペインやイタリアなどの他の重債務国まで一斉に(?)借金の棒引きを要求しそうだということ。というよりは、各国は、国債価格の急落(利回り急騰)でマーケットからの資金調達が困難になり、もはやそれ以外に財政破綻を免れる手がなくなるということ。こうなったら「財政ファイナンスはダメ!」なんて悠長なことは言っていられず、ECBはヤケクソになって各国債を買いまくるしかない事態に追い込まれそう・・・。

 かくして最後に通貨ユーロの信認は崩壊し、ハイパーインフレと金融恐慌が起きてユーロ圏は大混乱へ―――これはけっして「まさか」ではないでしょう。

 もし自分が欧州人なら、ギリシャのゴタゴタをしり目にそんな予想をして、財産を守るために(ゴールド)の買い増しに動くだろう―――そう思います。民族、伝統、文化、言語、価値観も政治・経済情勢もまったく違う者同士が単一の通貨を維持し続けるなんてやっぱり無理だったんだ、なんてことをシニカルに呟きながら・・・。

(「ギリシャが教える金(ゴールド)の大切さ」おわり)

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