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【少しでも高い利回りを求める低利マネーが株価を押し上げた】米株バブルの凄まじさから分かること④

2017-05-19 00:02:41 | アメリカ

前回からの続き)

 以上、アップルフェイスブック(FB)、テスラモーターズ(テスラ)と、いまの異常な米株高を象徴する3社の現況について、その時価総額と各社の業績(売上や利益等)を比較させながら思うところを綴ってみました。

 これらから分かるのは、上記3社の株価(時価総額)がマトモな説明が付けられないほどの高みに達してしまっているということ(というか、もうずいぶん前からそうですが・・・)。もちろんその他の米株―――とくにIT、金融、不動産など―――はどれも同じく(?)、スゴイ高値になっています。いったい、どうして・・・?

 ・・・って、もうこのあたりはいまの「金融環境」のせい、としかいいようがないでしょう。以前から書いているとおり、世界的な金融緩和が継続するなか、市場に溢れ返る低利マネーが少しでも高い利回りを求めて株とか高利回り債券(≒ジャンク債)などに殺到しているということ(その演出にいま、[おそらくは、もっとも]大きな役割を果たしているのが日銀だったりしますが・・・?)。

 で、このマネーの動きは、リスクオンのときは株高・米国債安(ドル高円安)、リスクオフのときは株安・米国債高(ドル安円高)と、誰でも分かるお約束のパターンに乗っているわけです。となれば本稿一回目に書いたように、北朝鮮とかフランスの政治系リスクが遠のいて(?)自動的に「リスクオン・モード」となり、「みんな株を買うよね!なら自分も!」と米投資家が一斉に株買いに走ることになるわけです、まるで「赤信号みんなで渡れば怖くない」と同じノリで・・・。となれば上記3社の株価がこれほど根拠レスに突出するのも頷けるというもの。もっとも表向きの理由はプロ(?)の分析っぽく・・・アップルは新型iPhone、FBはVR(仮想現実)、そしてテスラはモデル3への「期待」(というか「取らぬ狸の~」?)が高まったため、といったあたりになりますが・・・

 ・・・「そうだろうか?(営業赤字のテスラは別にしても)アップルとかFBなどの米企業の利益水準はきわめて高く、その意味ではこれらの時価総額が大き過ぎるとは言えないのでは?」―――たしかにそうですね。先日ご紹介の上記グラフ(営業利益比較)でも分かるように、アップルは売上高こそトヨタを下回るものの営業利益はトヨタ(売り上げ・営業利益ともに日本一の企業)の約2.4倍にもなります。FBにしたって収益は276億ドル程度にすぎませんが同利益は124億ドルですから、売り上げに対する利益の割合は45%もの高率です。下のPBR(株価純資産倍率:1のとき株価と1株当たり純資産額が等価になる)の比較でも分かるように米社の時価総額がバカでかいのは間違いないとしても(?)、いっぽうでアップルに代表される多くの米企業の利益率が、このように日本企業などと比べて高い水準にあるのもまた事実(?)。これは何を意味するのか・・・

 ・・・企業の高い利益率―――じつはこれこそいまの米社会が直面する大問題の反映だと考えています。

続く

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