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【どう動くヘッジファンド】消費税増税の「第一の崖」:注目の8.12株式市場②

2013-08-09 00:01:56 | 日本

(前回からの続き)

 日本経済新聞の情報によれば、昨年終盤から日本株を買い上げてきた外国人投資家の動きに大きな変化がみられるとのことです。

 具体的には、欧州系、アジア系、北米系の3つの地域別の投資家グループのうち、日本の株式市場にもっとも大きな資金を投入してきた欧州系が、ここへきて日本株の売却を進めているもようです。現に欧州系は、4月こそ日本株を1.3兆円ほど買い越したものの、5月には買い越し額を500億円に急減させ、そして6月にはとうとう900億円の売り越しに転じたそうです。

 欧州の投資家は比較的長期の株式投資を好むそうですが、昨年11月からの日本株の上昇局面が半年あまり続いたところで、そろそろ利益確定売りを始めた、という面もあるのでしょう。一方で、日本経済を厳しいデフレに導く可能性が高い来年度の消費税率引き上げ決定で日本の株式市場から投資マネーが流出する前に、早めに日本株を手放しておこう、という判断も少なからず働かせたのではないでしょうか。

 そしてこれからの動きが注目されるのは、北米系、とくにヘッジファンドだと思われます。彼らは欧米系やアジア系の投資家などよりもずっと短期売買指向が強いうえ、何といっても母国アメリカのFRBによるQEの縮小開始が近づき、長期金利の上昇(債券価格の低下)が予想される折、本格的なリスクオフ・モードへの転換、つまりリスクの高い株式投資を絞るタイミングを見計らっているものと想定されます。

 そうしたなかで迎える週明けの12日(わが国の第一四半期GDP成長率[速報値:対前年]の発表日)、さらに来月上旬の同確定値発表日、そして10月に予定される「Xデイ」などは、前回ご紹介した「消費税増税の崖」の「株価編」となりうるリスクのある日として要注意(?)とみられます。かりに彼らヘッジファンドが日本株を売り出したら、せっかくここまで上がった株価が大きく下がるうえに、為替も一転、円高ドル安に向かうでしょう。なぜならこのとき、彼らは日本株を買ったときに為替先物で売っていた円を一斉に買い戻すからです(以前から円安インフレの家計に与える弊害を強く懸念しているので、ある程度の円高は個人的には好ましいと思っています)。これは、円安誘導による外需振興と株高の資産効果をねらいとする「アベノミクス」としては避けたいシナリオ・・・。

 ということで、○○(?)よりも「市場の声」を重視する安倍政権としては、消費増税を予定どおり実行に移すかどうかの決定に当たっては、GDP成長率などよりも、じつはそのときの株価を重要な判断材料とみているのではないか、と思っています。順調に株が上がれば資産効果が高まって消費税率引き上げの痛みも和らげてくれるだろう、というわけですが・・・。

 さて、(消費増税の鍵を握る?)青い目の皆さんはどう動くのか?この週末から来週にかけて世間はお盆休みモードになりますが、そんな静けさとは裏腹に彼らが日本の株式市場を熱くするかも・・・。足元では株価が急落、そして為替も円高方向へ、そして来月からQE縮小?と、なにやら波乱の気配が高まってきました。というわけで、消費増税の行方を左右する(大げさ?)週明け月曜日の株価、そして外国人投資家の動向に大いに注目したいと思います。

(「消費税増税の『第一の崖』:注目の8.12株式市場」おわり)


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